飛騨の山猿マーベリック新聞

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☆敵基地攻撃、反撃能力は日本を破壊の道に進める。簡単な例は真珠湾攻撃を考えればよい。

2022年12月17日 08時33分07秒 | ●YAMACHANの雑記帳

敵基地攻撃、反撃能力は日本を破壊の道に進める。簡単な例は真珠湾攻撃を考えればよい。軍艦、戦闘機を破壊し米側戦死者は2,334人。その結果どうなったか。最終的に日本は軍人212万人、民間人は50万人から100万人の死者。この愚を繰り返したいのか。

孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。
政府は16日の臨時閣議で、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の3つの文書を決定した。「国家安全保障戦略」と「国家防衛戦略」には、敵のミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」を保有することを明記している。「反撃能力」はこれまで「敵基地攻撃能力」とも呼ばれてきた。多くの人はこれで持って日本の安全が高まったと思っていられると思うが、全く逆である。そのことを考えてみよう。戦略の基本はまず、相手との力関係の比較から始まる。最も基本の「孫子」を見てみよう。『故に、用兵の法は、十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能く之と戦う。少なければ則ち能く之を逃る。若かざれば則ち能く之を避く。故に、小敵の堅なるは大敵の擒なり。』「そうしたことから、軍隊を運用する時の原理原則として、自軍が敵の10倍の戦力であれば、敵を包囲すべきである。5倍の戦力であれば、敵軍を攻撃せよ。敵の2倍の戦力であれば、相手を分断すべきである。自軍と敵軍の兵力が互角であれば必死に戦うが、自軍の兵力の方が少なければ、退却する。敵の兵力にまったく及ばないようであれば、敵との衝突を回避しなければならない。だから、小兵力しかないのに、無理をして大兵力に戦闘をしかけるようなことをすれば、敵の餌食となるだけのこととなるのだ。 」今日、中国、北朝鮮は大量のミサイルと核兵器を保有している。日本がいかに防衛費を増額しても、このバランスを近づけることすらできない。そのような中で、攻撃の可能性を追求することは、「小兵力しかないのに、無理をして大兵力に戦闘をしかけるようなことをすれば、敵の餌食となるだけのこととなるのだ」に過ぎない。戦争の歴史で「敵基地攻撃」が戦術的に最も成功したものに、真珠湾攻撃がある。戦艦、爆撃機等多大な損傷を与え、米側戦死者は2,334人に上る。確かに「敵基地攻撃」は成功した。しかし当時の国力の差は1対10位の格差があり、結局日本は軍人212万人、民間人は50万人から100万人の死者を出し降伏した。1941年6月22日ナチスはソ連に対しバルバロッサ作戦と呼ばれる奇襲攻撃を敵基地などにかけ、ソ連の航空機 21,200、戦車 20,500を破壊した。最終的にはドイツは大量の死者と国土の破壊の下、降伏した。「敵基地」や「反撃」で終わらない。最終的には国力、軍事力の差が勝敗を決める。最近のウクライナ戦争を見てみよう。ウクライナは10月8日クリミア大橋の爆破に成功した。それでどうなったか。これを契機にロシアは電力、その他のインフラを爆撃した。12月5日ウクライナはロシア領内の空軍2基地にドローン攻撃をした。これを受けてロシアは一段と激しく、ウクライナのインフラを攻撃した。ウクライナでは電力や暖房の供給不足が深刻化し、ゼレンスキー大統領はオンライン形式でウクライナ支援会議に参加し「少なくとも8億ユーロの緊急支援が必要だ」と訴えた。つまり「敵基地攻撃」や「反撃」が仮に成功してもそれが終わりではない。そこから新たな戦いが起こる。中国は今や2000以上のミサイルで日本攻撃できる。北朝鮮も300以上のミサイルで日本を攻撃できる。各々は核兵器を保有している。日本が中国や北朝鮮に「敵基地攻撃」や「反撃」したら中国や北朝鮮の軍備を一掃できるとでも思っているのであろうか。彼らは怯えて「ごめんなさい」とでもいうと思っているのか。
 「殴り返したい」、そんな感情で日本の国は守れない。

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