飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆中小企業の「賃上げ原資」は空っぽ…大企業の価格転嫁が進むどころか逆に後退していた!

2024年01月27日 09時32分53秒 | ●YAMACHANの雑記帳

今年の春闘が事実上始まった。物価上昇を上回る賃上げが最大の焦点だ。労使のトップが賃上げ方針などについて講演する「労使フォーラム」が24日、開かれ、労使は「昨年以上」で一致。「6%」「7%」と、大企業を中心に大幅な引き上げが続々と打ち出されているが、問題は中小企業だ。「少なくない大企業は取引先の中小企業の値上げ要請に対し、十分に応じていません。その結果、大企業の賃上げの原資が生まれ、大幅な賃上げを可能にしている面があります。中小企業の犠牲のもとに、大企業の大幅アップが実現しているのです」(経済ジャーナリスト・井上学氏)

 日経新聞が昨年12月に大企業の社長100人にアンケートを実施したところ、取引先の原材料費や労務費の上昇分を購買価格に反映すると回答したのは5割弱にとどまっている。中小企業庁は毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定。中小企業の価格交渉・転嫁状況を調査しているが、最新の調査結果は衝撃だ。コスト全体の転嫁率は昨年3月(回答企業数1万7292社)が47.6%だったが、9月(同3万6102社)は45.7%とわずかに減っている。大企業は価格転嫁を進めるどころか、後退させているのである。

昨年の春闘では無理をして賃上げしたが…

「9月は調査対象が大幅に増え、より実態を表していますが、微減は苦戦している企業も加わった影響もあったとみられます。より高い比率での価格転嫁が大きな課題です」(中小企業庁取引課の担当者)
 中小企業は昨年の春闘で無理をして賃上げを実施した。しかし、この時の賃上げ分(労務費)を価格転嫁するのは難しい。9月調査では、原材料費の価格転嫁率が45.4%なのに対し、労務費は36.7%と10ポイントも低い。
「原材料費と違い、労務費はエビデンスを示しにくい。また、人件費は自助努力で解決すべきという“慣行”が存在する業界もあります。ただ、労務費の価格転嫁が進まないと、中小企業は賃上げの原資を十分に確保できないことになる。労務費の転嫁が進むよう取り組みたい」(前出の担当者)中小企業の賃上げなくして、春闘の成功はあり得ない。


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