使用済み核燃料の再処理とあわせて、地中への廃棄だとよ(^^)
tacc77 さんが 2012/05/16 に公開
原子力委員会は使用済み核燃料の処理について、
最も望ましいやり方として再処理と合わせて地中への廃棄を進めることである。
との結論について。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65805868.html
=====(文字おこし、ここから)
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。小出さんこんばんはー」
小出「こんばんは」
水野「よろしくお願いします」
小出「よろしくお願いします」
水野「え…そして東京には近藤さんです」
近藤「あっ。こんばんは~。よろしくお願いしまーす」
小出「はい。ご無沙汰しておりました。」
近藤「どうもー」
小出「はい」
水野「お願いします。え…まず伺いたいのは、原発から出てくる使用済み核燃料をどうするかという話なんですね。」
小出「はい」
水野「で…今回、まあ、…原子力委員会の小委員会が、最も望ましいやり方だと、いうふうに結論づけたのは、使用済み核燃料を再処理する、のこの取り出したプルトニウムを再利用するっていうやり方ですね」
小出「はい」
水野「これと、あわせて、え…地中への廃棄をすすめること、であると。こういう結論を出してきたようなんですね。」
小出「はい」
水野「ただ、これわたくし、意味がよくあんまりわかりませんで。」
小出「はい」
水野「使用済み核燃料の再処理とあわせて、地中への廃棄をすすめることって。これどういう意味ととったらよろしいんですか」
小出「(苦笑)。要するに彼らが混乱している、のです」
水野「(苦笑)はあ…」
小出「はい。…もともと、地球上にあるウランというのは」
水野「ええ」
小出「大変貧弱な資源、でして」
水野「はい」
小出「え…普通の原子力発電所でウランを燃やして、それを使用済みになったということで廃棄をしてしまいますと、原子力なんてエネルギー資源にならないのです」
水野「あっ。もう次々ウランを使い果たしてしまったら、枯渇するってことですね」
小出「もうすぐに枯渇してしまう。」
水野「はい」
小出「だから、え……困るので、使用済みの燃料の中からプルトニウムを取り出して、それを高速増殖炉という特殊な原子炉で燃やすことによって、初めて原子力を意味のあるエネルギー源にしようとする計画だった、のです」
▼参考:小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
水野「はい」
小出「え…ですから…ですから再処理をしてプルトニウムを取り出せない限りは、もう原子力なんてもともとやる価値がなかったということで。」
水野「はあ」
小出「これまではとにかく、あの、再処理を何でもかんでもするんだという、」
水野「ええ」
小出「路線で日本は来たのですが」
水野「全ての、使用済み核燃料は再処理するんだというのが国策だったんですよね」
小出「そうです」
水野「で、実際できたん、ですか」
小出「実際何もできなかった」
水野「なーんにもできてないんですね」
小出「はい。高速増殖炉の実験炉「常陽」も潰れてしまいましたし、原型炉として作った「もんじゅ」も、1キロワットアワーの発電もできないまま潰れてしまっている、のです。
小出「え…再処理工場自身も、作ってはみたものの、あちこちトラブル続きで、結局動くこともできないという、」
水野「ええ…」
小出「ことになってしまっていて。え…これまで原子力を進めてきた人たちがかいた夢が全く実現できないまま、巨額な国費を捨ててしまった、のです」
水野「で、それだったら、」
小出「はい」
水野「いままで、描いた夢は無理でしたごめんなさい」
小出「そうです」
水野「今度こういうふうにしますって、言うんだったら私も意味がわかったと思うんですよ」
小出「はい」
水野「でも、再処理もする、それとあわせて、まあ土地の中に」
小出「はい」
水野「捨てるって言ってるんでしょ」
小出「そうです」
水野「それで余計意味がわからないんです」
小出「そうです。全くだから意味がわからない選択を彼らがまた言い出した、のですね」
水野「と言うことはですね。」
小出「はい」
水野「え…使用済み核燃料の再処理とあわせてというけど、これはもう、もともとできないということが、もうわかってきて」
小出「はい」
水野「もうできないと、本当は、あ…言ってるというふうにとっていいんですか」
小出「え…私ははっきりというべきだと思いますし」
水野「ええ」
小出「まだ、片足をそっちに突っ込んでいる状態なわけですけれども」
水野「はい」
小出「いずれその足も抜かなければならない日が来ると思いますので。」
水野「はあ…」
小出「早くこんな夢から醒めなければいけません」
水野「そうですね」
小出「はい」
水野「無理なら無理と言って、次を考えるしかないですよね」
小出「そうです」
水野「それでも、なんで片足ツッコミ続けたいんですか」
小出「え…それを言ってしまうと、原子力が全く意味のないものであることを認めてしまうことになるからです」
水野「そうか。ウランの燃料はすぐ枯渇するんですから」
小出「はい」
水野「土台、原子力でやっていくということは無理であるということに繋がるわけですね」
小出「そうです」
水野「じゃあ実態は、これ、地中に廃棄ってつまり地面掘ってそこに、使用済み核燃料を埋めるっていう意味ですよね」
小出「そうです」
水野「で捨ててしまう、そのままほっとくっていう意味ですよね」
小出「そうです」
水野「結局これを100%するしかないんですという意味になるんですか?」
小出「え…私自身は再処理などということをやってはいけないと、発言をしてきましたし、使用済燃料をそのままの形で何か処分をする方法を考えるべきだと主張をしてきましたので。」
水野「ええ」
小出「え……う……再処理をやらないという決定はいいのですが、ただ私自身も、使用済燃料をそのまま地面に埋め捨てにするなんてことをもちろんいいと認めたことはかつて一度もありませんし。」
水野「ええ」
小出「え……やってはいけないと思います、それも」
近藤「これ先生」
水野「近藤さん」
近藤「どういうイメージなんですかね。穴掘ってうめるんですか」
小出「そうです。え…今までは、再処理をしたあとに、核燃…核分裂生成物というものをガラスと混ぜて固めて、それを地下深くに埋めるといってきたのです」
水野「あの…ガラスを混ぜたらどんな形になるんですか」
小出「え…まあ要するにガラスになる」
水野「固形物になるわけですか」
小出「そうです。そうです。」
水野「で、それがまあ割れないような、物になるんですか」
小出「いえ割れてしまいます。」
水野「割れるんだ」
小出「割れてしまい…うのですけれども。まあ比較的、ガラスというのは安定な物質だと、」
水野「ほおー…」
小出「これまでも思ってきたわけですから。まあなんとかそれがいいのではないかということで、そういう計画を立ててきたのですが」
水野「はい」
小出「え…ガラスも割れてしまいますし」
水野「はい」
小出「発熱もしまうので」
水野「ほお」
小出「本当にあの安全な形にできるかどうかすらがわからないというままここまで来てしまっていた、のです。」
水野「はあ」
小出「ただそれは、地面に埋めるという計画でした」
水野「ええ」
小出「で今回の場合はもうガラスにするのも何も全部やめて、使用済燃料というそのままのものを同じように地面に埋めてしまうという計画を出してきているわけです。」
水野「ええーー?」
近藤「ちょ、その、」
小出「はい」
近藤「計画っていうのも、その言葉の上だけの話で。その技術ちゅうのはともなうんですか?」
小出「ありません。今までどこの国も、そんなことをやったことがないのです」
近藤「ないですよねえ」
小出「はい」
水野「ありませんー」
小出「はい」
水野「はあ? じゃあせめてガラスと混ぜて、ちょっとでも安定させてやろうということじゃなく、もうそれもやめちゃうってのは、なんでそんな計画になるんですか」
小出「え…ガラスに…するためにはまず再処理という作業をして、」
水野「あっ。はあー…」
小出「プルトニウム等を取り出して、」
水野「あ」
小出「で残った核分裂生成物をガラスに固めるという作業だったわけですが」
水野「ええ」
小出「再処理自身がもうできない状態に今陥っていますし」
水野「ああー」
小出「六ケ所村の再処理工場でも、とにかく分離はしてみた、核分裂生成物の分離をしてみたわけですけれど」
水野「はい」
小出「それをガラスにしようと思ったらぜんぜんできないで」
水野「できない!」
小出「こわれてしまった(苦笑)、のです、装置が」
水野「へえー…。じゃあもう世の中に、どうしていいか、処方箋は無いってことですね今は」
小出「はい。まあもともと、あの、原子力発電所はトイレのないマンションと呼ばれてきましたし。生み出したゴミをどうすればいいのか、だれも知らないままここまで来ているのです」
水野「もしですよ、使用済み核燃料を、なんにもしないそのままの形で、地中に埋めますね」
小出「はい」
水野「ほっときますね」
小出「はい」
水野「どうなるんですか」
小出「え…100万年間安定であって、いた、貰わないといけませんので。え…私は多分いつの時点かでそれが環境に漏れてくるだろうと思います。」
水野「…ねえ、地震もありますよね」
小出「はい、まあ」
水野「活断層もあります」
小出「そうです。もう日本なんていう国は活断層のない場所はありませんし。年がら年中地震が起きてるわけですから」
水野「ええ」
小出「100万年なんて言う(苦笑)、時間の長さにわたって保証できるような土地はどこにもありません」
水野「…はあ…。近藤さ~ん…」
近藤「はい。」
水野「なんかものすごいことを、つきつけられてるんですね」
近藤「そうなんですよね…。だからまあそういうことは、だからある意味最初からわかった上でもう、見たくないものを考えたくないもの(笑)は考え無いできたんじゃないんですかねえ。」
小出「おっしゃるとおりです、はい」
近藤「うーん…」
水野「わたし去年、映画でですね、フィンランドの「100,000年後の安全[DVD]」という映画を見ました。」
小出「はい」
水野「これはあのフィンランド、での高レベル放射性廃棄物を最終処分するところを地下に作ってるっていう話だったんですよ、ドキュメンタリーで」
小出「そうです」
水野「あれたしか地下500メートルまで」
小出「はい」
水野「硬い岩盤をずうーっと掘っていくっていう」
小出「はい」
水野「でものすごい地下都市みたいになってますよね」
小出「そうです。」
水野「あんなところにフィンランドは、まあ置こうと、捨てようとしてるわけですよね」
小出「まあ世界中それしかもうないから、なるべく深い穴を掘ってそこに埋めようとしている、のです。日本もまあそれしか無いだろうということで、再処理をした、うえにできたガラス固化体をそうしようという計画だったのです。」
水野「はあ…しかしそれさえも破綻したと」
小出「はい」
水野「それなら破綻したとはっきり言ってくれたら」
小出「(苦笑)」
水野「まだ、まだしも、現実が見えやすいんですが」
小出「そうですね。」
水野「う、う、見えたら困る人がいはるんですか」
小出「まあ原子力の世界というのは、私何度もこの番組でも聞いていただいたと思いますが。失敗をしても誰も謝りもしない、責任も取らないという、そういう世界なのです。」
近藤「まあなんて言うんでしょう。今さえ良かったらいいみたいな感じですよね」
小出「そうですね」
水野「実態は100万年後まで続くわけですよね」
小出「はい」
水野「はい。どうもありがとうございました」
小出「はい。ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにうかがいました」
=====(文字おこし、ここまで)
にほんブログ村・もう子供騙しには、のりません(^^)