ローマ教皇「核兵器についてのメッセージ」(全文)
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(82)が24日、長崎市の爆心地公園でおこなったスピーチ「核兵器についてのメッセージ」は次のとおりです。
愛する兄弟姉妹の皆さん。
この場所は、わたしたち人間が過ちを犯しうる存在であるということを、悲しみと恐れとともに意識させてくれます。近年、浦上教会で見いだされた被爆十字架とマリア像は、被爆なさったかたとそのご家族が生身の身体に受けられた筆舌に尽くしがたい苦しみを、あらためて思い起こさせてくれます。
人の心にあるもっとも深い望みの一つは、平和と安定への望みです。核兵器や大量破壊兵器を所有することは、この望みへの最良のこたえではありません。それどころか、この望みをたえず試みにさらすことになるのです。わたしたちの世界は、手に負えない分裂の中にあります。それは、恐怖と相互不信を土台とした偽りの確かさの上に平和と安全を築き、確かなものにしようという解決策です。人と人の関係をむしばみ、相互の対話を阻んでしまうものです。
国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や、壊滅の脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないものです。むしろ、現在と未来のすべての人類家族が共有する相互尊重と奉仕への協力と連帯という、世界的な倫理によってのみ実現可能となります。
ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的な結末をもたらすことの証人である町です。そして、軍備拡張競争に反対する声は、小さくともつねに上がっています。軍備拡張競争は、貴重な資源の無駄遣いです。本来それは、人々の全人的発展と自然環境の保全に使われるべきものです。今日の世界では、何百万という子どもや家族が、人間以下の生活を強いられています。しかし、武器の製造、改良、維持、商いに財が費やされ、築かれ、日ごと武器は、いっそう破壊的になっています。これらは途方もないテロ行為です。
核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で、数え切れないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です。個々人、宗教団体、市民社会、核兵器保有国も、非保有国も、軍隊も民間も、国際機関もそうです。核兵器の脅威に対しては、一致団結して応じなくてはなりません。それは、現今の世界を覆う不信の流れを打ち壊す、困難ながらも堅固な構造を土台とした、相互の信頼に基づくものです。1963年に聖ヨハネ23世教皇は、回勅『地上の平和(パーチェム・イン・テリス)』で核兵器の禁止を世界に訴えていますが(112番[邦訳60番]参照)、そこではこう断言してもいます。「軍備の均衡が平和の条件であるという理解を、真の平和は相互の信頼の上にしか構築できないという原則に置き換える必要があります」(113番[邦訳61番])
今、拡大しつつある、相互不信の流れを壊さなくてはなりません。相互不信によって、兵器使用を制限する国際的な枠組みが崩壊する危険があるのです。わたしたちは、多国間主義の衰退を目の当たりにしています。それは、兵器の技術革新にあってさらに危険なことです。この指摘は、相互の結びつきを特徴とする現今の情勢から見ると的を射ていないように見えるかもしれませんが、あらゆる国の指導者が緊急に注意を払うだけでなく、力を注ぎ込むべき点なのです。
カトリック教会としては、人々と国家間の平和の実現に向けて不退転の決意を固めています。それは、神に対し、そしてこの地上のあらゆる人に対する責務なのです。核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的原則に則(のっと)り、飽くことなく、迅速に行動し、訴えていくことでしょう。昨年の7月、日本司教協議会は、核兵器廃絶の呼びかけを行いました。また、日本の教会では毎年8月に、平和に向けた10日間の平和旬間を行っています。どうか、祈り、一致の促進の飽くなき探求、対話への粘り強い招きが、わたしたちが信を置く「武器」でありますように。また、平和を真に保証する、正義と連帯のある世界を築く取り組みを鼓舞するものとなりますように。
核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、政治をつかさどる指導者の皆さんにお願いします。核兵器は、今日の国際的また国家の、安全保障への脅威からわたしたちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください。人道的および環境の観点から、核兵器の使用がもたらす壊滅的な破壊を考えなくてはなりません。核の理論によって促される、恐れ、不信、敵意の増幅を止めなければなりません。今の地球の状態から見ると、その資源がどのように使われるのかを真剣に考察することが必要です。複雑で困難な持続可能な開発のための2030アジェンダの達成、すなわち人類の全人的発展という目的を達成するためにも、真剣に考察しなくてはなりません。1964年に、すでに教皇聖パウロ6世は、防衛費の一部から世界基金を創設し、貧しい人々の援助に充てることを提案しています(「ムンバイでの報道記者へのスピーチ(1964年12月4日)」。回勅『ポプロールム・プログレッシオ(1967年3月26日)』参照)。
こういったことすべてのために、信頼関係と相互の発展とを確かなものとするための構造を作り上げ、状況に対応できる指導者たちの協力を得ることが、きわめて重要です。責務には、わたしたち皆がかかわっていますし、全員が必要とされています。今日、わたしたちが心を痛めている何百万という人の苦しみに、無関心でいてよい人はいません。傷の痛みに叫ぶ兄弟の声に耳を塞(ふさ)いでよい人はどこにもいません。対話することのできない文化による破滅を前に目を閉ざしてよい人はどこにもいません。
心を改めることができるよう、また、いのちの文化、ゆるしの文化、兄弟愛の文化が勝利を収めるよう、毎日心を一つにして祈ってくださるようお願いします。共通の目的地を目指す中で、相互の違いを認め保証する兄弟愛です。
ここにおられる皆さんの中には、カトリック信者でないかたもおられることでしょう。でも、アッシジの聖フランシスコに由来する平和を求める祈りは、わたしたち全員の祈りとなると確信しています。
主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。
憎しみがあるところに愛を、
いさかいがあるところにゆるしを、
疑いのあるところに信仰を、
絶望があるところに希望を、
闇に光を、
悲しみあるところに喜びをもたらすものとしてください。
記憶にとどめるこの場所、それはわたしたちをハッとさせ、無関心でいることを許さないだけでなく、神にもと信頼を寄せるよう促してくれます。また、わたしたちが真の平和の道具となって働くよう勧めてくれています。過去と同じ過ちを犯さないためにも勧めているのです。
皆さんとご家族、そして、全国民が、繁栄と社会の和の恵みを享受できますようお祈りいたします。
リテラ > 社会 > マスコミ > 「桜を見る会」で産経新聞の安倍擁護が無理やりすぎて笑える!
産経新聞東京本社が入る東京・大手町のサンケイビル
産経新聞の「桜を見る会」安倍首相擁護が無理やりすぎて笑える! 夕食と朝食を比較、誰も言ってない「5000円でできる」見出しに
安倍首相主催「桜を見る会」をめぐる一連の疑惑で、窮地に追い込まれている安倍政権。最後に頼るのは“応援団メディア”ということらしい。
血税を私物化した悪質な選挙利用、「前夜祭」の公選法・政治資金規正法違反疑惑、やっぱりあった“昭恵フレンズ枠”などなど、もはや怒涛の疑惑ラッシュにあるなか、“安倍政権御用機関紙”こと産経新聞が、無理やりの“失笑カウンター”報道を乱発しているのである。
たとえば20日(産経ニュース)の「立憲・安住氏の朝食会『原価』1人1739円 首相の会費5000円より安く」と題した記事。立憲民主党の安住淳・国対委員長の資金管理団体が2012年、ホテルニューオータニで開いた政治資金パーティ「淳風会政経懇談会 朝食セミナー」について、〈会合の「原価」に当たるホテルの会場使用料が対価を支払った人1人当たりで1789円だった〉ことが政治資金収支報告書からわかったというのだが、これが笑えるくらい強引な難癖記事なのだ。
だいたい、いま問題になっている安倍事務所の「桜を見る会前夜祭」は夜のパーティだ。「朝食セミナー」と比べて、いったいなに言ってんの?って話だろう。
当たり前の話だが、夜のパーティと違って、政治資金パーティの朝食会は、出費を抑えて利ざやを増やすために、簡素なモーニングセットなどの軽食になることが多い。当然、飲み物もお茶や水だ。産経サンは鬼の首をとったかのように「首相の会費5000円より安く」と書きたてているが、そもそも比較できないものを同列に扱っている時点でアホ丸出しである。
まったく、この時点で相手にするのもバカバカしくなってくるが、一応、真面目に言っておくと、産経記事にある「1人1789円」なる算出方法もお笑いレベルだ。
これは、政治資金収支報告書をもとに、1062万円の収入があった2012年4月23日の「朝食セミナー」について、ホテルニューオータニへの支出額(会場費=約92万円)を購入されたパーティ券の人数(=531人)で割って出した数字らしいが、だいたい、政治家が会場の収容人数をはるかに上回る枚数を売りさばいているのは常識だろう。安住氏の「朝食セミナー」にしても、おそらく、実際に当日参加した人数は報告書の記載よりもずっと少なかったと思われる。
もっとも、これは政治資金規正法がザルすぎて事実上の献金になっているということで、倫理的な問題はあるが、それを言うなら安倍首相や麻生太郎財務相ら有力政治家たちはパー券でもっと荒稼ぎしている。たとえば自民党の岸田文雄政調会長は、年に複数回、「衆議院議員岸田文雄と国政を語る会」と題した政治資金パーティの朝食会を行なっており、その会場がホテルニューオータニの場合もある。試しに、産経と同じ方法で「一人あたりの金額」を出してみたところ、約2600万円の収入を得た2017年4月25日のニューオータニでの朝食会は、支出の「会場費」を「対価の支払いをした者の数」(=900人)で単純に割って1人2277円だった。もちろん、これも900人が来場したとは思えず、ようするに産経の算出方法自体がナンセンスなのである。
加えて言うなら、こうした「検証」ができるのも、そもそも安住議員の資金管理団体が政治資金パーティの収支をちゃんと政治資金収支報告書に記載しているからだろう。言うまでもなく、「桜を見る会前夜祭」をめぐる問題は、安倍首相の全関連団体の収支報告書にまったく記載がなかったところから始まっており、そこから政治資金規正法違反や公職選挙法違反などが指摘されてきたわけだ。本末転倒とはこのことだろう。
安倍政権にとどめを
高知県知事選 小沢氏が松本事務所激励
(写真)松本けんじ事務所に激励へ訪れ、広田選対本部長(右)と握手する小沢衆院議員(中央)。その左は平野貞夫元参院議員、春名選対副本部長(左端)=21日、高知市
高知県知事選(24日投票)で、国民民主党の小沢一郎衆院議員が21日、野党統一の松本けんじ候補の高知市の事務所を訪れ、激励しました。選対本部長の広田一衆院議員、選対副本部長で日本共産党の春名直章県委員長が応対し、国民民主党県連顧問の平野貞夫元参院議員が同席しました。拍手で迎えられた小沢氏は事務所のスタッフらを前にあいさつ。「高知知事選で勝って、安倍内閣にとどめの一撃をぜひとも、みなさんの力でやってほしい。あと3日間、どうか最後まで頑張ってください。勝利を確信しています」と語りました。広田、春名の両氏と懇談し、春名氏は「松本候補はかなり追い上げ、逆転勝利が可能な情勢になっています」と述べました。小沢氏は「高知で勝てば安倍内閣が吹っ飛ぶ」と励ましました。
- 最後までの奮闘で松本勝利を/高知知事選 志位委員長・枝野代表訴え
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- 警察の暴力許せない/香港 各地で抗議「自由のために」
- 子どもの権利条約30年/国連で記念の会合開く
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- ダムより河道整備を/市民団体ら 治水対策を議論
桜を見る会私物化/首相の言い逃れは通用しない
桜を見る会 田村智子 2019/11/21参議院内閣委員会 (国会中継)
開会日 | 会議名 | 収録時間 |
---|---|---|
2019年11月21日 | 法務委員会 | 約2時間6分 |
2019年11月21日 | 外交防衛委員会 | 約2時間34分 |
2019年11月21日 | 経済産業委員会 | 約5分 |
2019年11月21日 | 国土交通委員会 | 約5分 |
「政治の流れ変えよう」
岡田元副総理が応援演説
![]() (写真)声援に応える(左から)鈴木、岡田、松本、屋良、広田の各氏=19日、高知県本山町 |
24日投票の高知県知事選で、猛追している野党統一の松本けんじ候補の勝利を勝ち取ろうと、元副総理の岡田克也衆院議員らが19日夜、本山町で開かれた個人演説会で支援を訴えました。満席となった会場は、参加者の熱気に包まれました。
国民民主党の屋良朝博衆院議員、選対本部長の広田一衆院議員も訴え。教育研究者で土佐町議(無所属)の鈴木大裕氏が司会を務めました。
岡田氏は、高知で生活し、県民の生活をよく知る松本候補と、三十数年ぶりに高知に戻ってきた相手候補とのたたかいだと指摘。地方の生活の厳しさに触れ、「地方の生活の現実がわかった人がリーダーにならなければ変えられない。それは松本さんしかいない」と強調し、「いい結果を出し、日本の政治の流れも変えていこう」と呼びかけました。
屋良氏は、沖縄・辺野古への米軍新基地建設について「『安全保障』の議論がない。資料を求めても出てこない。これは民主主義の根幹だ」と指摘。「一つひとつの選挙で勝ち、日本の民主主義を定着させていくことが大事だ」と訴えました。
地元代表の応援演説で、嶺北高校3年の佐藤碧衣さんは「県版学力テストをなくし、生徒と触れ合える時間をつくってほしい」と語り、本山保育所保護者会の田岡優会長(44)は、米軍機の低空飛行や騒音、墜落の不安に子どもたちがおびえているとして「低空飛行は即刻中止を。松本さんに頑張ってほしい」と話しました。
松本候補は「政治を変えるのは一人ひとりの県民です。地域の課題を解決する力も、そこに生きる人の中にこそある。『国言いなりでなく、高知のことは高知で決める』県政、『だれ一人取り残さない』県政をつくろう」と訴えました。
- 消費税 力あわせ5%への減税を/共産党が各界懇談会/志位委員長が報告
- 桜を見る会私物化 首相疑惑いっそう
- 総選挙での協力 協議開始へ/国民投票法の採決認めず 桜を見る会予算委審議を/野党書記局長・幹事長会談で合意
- 日韓法律家「共同宣言」/徴用工 迅速に被害者救済を
- 日米貿易協定 参院審議入り/紙氏「米に一方的譲歩」
- 国民投票法案めぐり野党/採決阻止 与党に迫る/衆院憲法審幹事懇
- 消費税減税懇談会/志位委員長が報告
- 高知県知事選24日投票/青年、連日の宣伝・発信/“松本さんと政治変える”
- 「政治の流れ変えよう」/岡田元副総理が応援演説
- 松本県政必ず誕生へ/5野党代表が連名で檄
- 達増岩手県知事 応援メッセージ
- 論戦ハイライト/過半数が政権中枢の招待/「桜を見る会」追及チームの論戦/衆院内閣委
- 「桜を見る会」安倍首相は説明を/野党「ワンチーム」で追及/小池書記局長 ラジオ番組で語る
- 復旧活動 現地で激励/高橋議員が党センター訪問/長野
- 北の大地 沖縄へエール/札幌 デニー知事が訴え
- パワハラ指針了承/一部修正も問題点残す/労政審分科会
- 株主提案権制限は慎重に/会社法改定案 参考人が陳述/衆院法務委 藤野氏質問
- カジノ申請期間案公表/21年1月~7月 自治体動き激化
- 都内の政治資金パーティー/収入過去 最高13.7億円/都選管公表
- 桜を見る会に“昭恵氏枠”/複数の参加者 本紙に証言/「私人」が推薦なぜ
- 「日本はすでに憲法変更」!?/武器見本市の公式ガイドに
- 原子力施設上空飛行57件/青森で戦闘機も 笠井議員に規制庁
「思いやり」増額/対米追従が法外な要求招いた
リテラ > スキャンダル > 不祥事・トラブル > 昭恵枠、明細書の嘘、晩餐会…安倍「桜を見る会」疑惑が止まらない
昭恵枠、「明細書ない」の嘘、即位晩餐会発注…安倍首相「桜を見る会」疑惑が止まらない! 元検事の若狭勝は贈収賄の可能性指摘
2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより)
口を開けば出てくるのは嘘、嘘、嘘──。本日、参院本会議に出席した安倍首相だが、そこでまたも嘘を塗り重ねた。まず、きょうは衆院内閣委員会で驚きの数字が判明した。菅義偉官房長官が、招待者の「総理枠」が約1000人だったほか、麻生太郎副総理や菅官房長官、副長官の推薦枠が約1000人、自民党関係者の推薦枠が約6000人だったと答弁したのだ。しかも、大西証史内閣官房内閣審議官は安倍事務所がとりまとめた招待者のなかには昭恵氏の推薦もあったことを認めた。「桜を見る会」には昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員や、昭恵氏の農業仲間、昭恵氏と日本酒をつくる女性のグループなどが招待されており、以前から「昭恵枠」が存在するのではないかということが囁かれてきたが、やはり噂どおりだったのだ。だいたい、安倍首相は森友問題の国会追及では「妻は私人」だと言い張り、ついには「首相夫人は公人ではなく私人」という答弁書を閣議決定までしたのに、公的イベントの招待者推薦までおこなっていたとは、「どこが私人?」と言うほかない。しかも、「総理枠」「昭恵枠」を含め自民党枠がトータル8000人って……。招待者数の目安は1万人とされながら今年の同会では招待者が1万5400人、参加者数は約1万8000人にも膨れ上がったが、その大幅増分はやはり安倍首相や自民党のオトモダチ、支援者枠だったのだ。その上、安倍自民党は今年の同会で7月の参院選で改選した議員に後援会関係者などを4人まで招待できる枠まで設けていたことが判明しており、党をあげて「桜を見る会」を有権者接待の選挙活動の場にしていたことは明々白々。これは公職選挙法違反にあたる事前運動であり、財政法違反の税金の目的外支出だ。こんな実態があったにもかかわらず、安倍首相は8日の参院予算委員会では、招待客の選定を「適正だった」と答弁。国会でまったくのデタラメを主張していたのである。しかも、安倍首相はこの参院予算委で「私は招待者のとりまとめ等には関与していない」と語っていたが、実際は前述したように1000人の「総理枠」があった。これは完全に8日の答弁が虚偽答弁だったということではないか。安倍首相はきょうの本会議では「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」などと軌道修正していたが、1000人も枠を取らせておいて、何が「意見を言うこともあった」だ。だが、きょうの安倍首相の主張でもっとも唖然としたのは、「桜を見る会」の前日夜におこなわれてきた「前夜祭」についての答弁だ。きょうの答弁で安倍首相は「前夜祭」の主催者が「安倍晋三後援会」であったことを認めた上で、こう述べた。夕食会の各種段取りについては、私の事務所の職員が、会場であるホテル側と相談をおこなっております。事務所に確認をおこなった結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります」主催者は安倍後援会なのに、ホテル側から明細書は発行されていない……!? 安倍首相が「前夜祭」を開催したのは、2013、2014、2016年がANAインターコンチネンタルホテル東京、2015年と2017〜2019年がホテルニューオータニという日本を代表する一流ホテルだ。なのに、そんな一流ホテルが、主催者に対して明細書を発行していないと、安倍首相はそう主張したのだ。しかし、この答弁も大嘘だ。実際、NHKが昨日配信した記事では、NHKが「前夜祭」が開かれたニューオータニやANAインターコンチネンタルをはじめ、帝国ホテルやホテルオークラといった都内の5大ホテルを取材。すべての5大ホテルから、こんな回答を得ているのだ。〈5つのホテルはいずれも「パーティーについては原則として主催者側に明細書を発行します」と答えました。そして主催者側が明細書を紛失した場合もいずれも「再発行は可能です」と回答しました。〉あまりにも当然すぎる回答だが、その上、ANNインターコンチネンタルはこうも回答している。「明細書の保存期限は社内規定で7年程度となっていて履歴も残っているので、ご要望があれば過去にさかのぼって発行することが可能です」