すぐ、燈明崎に到着しました。何ともいえない寂しいところです。華やかな観音崎と違い、浦賀の入江を隔てたここ燈明崎は、訪れる人もあまりいません。小さな広場と舗装されてない駐車場、そして何かの記念塔があるだけです。
水中翼船が爆音を響かせ沖合いを快走していきますが、それ以外、わずかな波の音が聞こえるだけです。

小さな岬には、燈明堂という江戸時代の灯台の役目をしていた建物が復元されています。対岸の観音崎には日本初の洋式灯台が作られ、それによりこの燈明堂は役目を終えたようです。

燈明堂の説明看板が、ひっそりと佇んでいます。

岬の反対側へいくと浦賀かもめ団地が見えます。鴨居港のそばにある大団地ですが、東京湾フェリーから望む以外、あまり人目につきません。

ふと見上げると、JALの航空機が東京湾上を南下していきます。横須賀VORでなく、大島の航空無線標識を目指してるようです。ジェットなので大島から大坂方面に向うのでしょう。

ここ、燈明崎には浦賀奉行所の処刑場があったと、聞いたことがあります。その先入観からか、いっそう寂しい場所に感じます。また、ここから千代ケ崎へ向う小路をたどっていくと、旧日本軍の砲台跡があり、まるで時空を越えたところに迷い込んだようです。特に冬の日の夕方はそう思います。千代ケ崎には何もありません。車やバイクでいける道すらありません。すぐ脇は、横須賀刑務所と久里浜少年院です。
帰り道は夕日を見ようと思い、東京湾岸沿いを進みます。久里浜のフェリーターミナルを過ぎ、野比海岸沿いに走りR134にでます。津久井浜から武山方面へ登っていき西の空を仰ぐと、既に夕日は落ち夕空に富士山のシルエットが浮んでました。

振返って東を見れば、満月が畑の向こうから昇っていくのが見えました。
