天と地の間

クライミングに関する記録です。

比叡Ⅰ峰Bフェース ムササビファミリールート整備

2021年10月07日 | ルート整備
比叡1峰Bフェース
「ムササビファミリー」(マルチピッチ)について
行く人はあまりいないと思いますが、ルートが若干変わりましたのでご報告します。
ムササビファミリールートの一部が崩壊、また、ルートがブッシュに覆われているとの報告を受
けて、大分の片〇、折〇君と昨日、整備に行ってきました。
取り付き下部には大きく崩壊した岩が散乱。見上げると1Pの中間が崩落していました。
前回、チェーンで固定した岩がかろうじて残っている状況です。
今となっては、共に崩落してほしかったのですが、よもや他が崩落するとは分からないものです。


白い部分が崩落後


12年の歳月が経って、かなりブッシュに覆われている。



以下、注意点が2点
①1Pの下部が写真の通り、大きく崩壊しています。崩壊箇所は通らずに、右寄りを直上しのこと。
チェーンで固定した岩がありますが、チェーンで止まっている状態ですので触らないように。
まだ浮石の可能性あり。トップが登る際は、岩陰に退避してのビレイ要。
②前回の整備(2009年)で、整備上、ビレイ点にボルト、ハンガーを設置したが、今回、3P,4Pのビ
レイ点を撤去。
よって、ビレイ点のハンガー設置は6P中、5,6Pの2か所となるので、カムの多めの携行が必要。
(0.5〜2番)


3Pのwクラック


出口が悪い。この先、これ以上の核心がいくつか待っている。


最終6Pのトラバース。ここも悪いが回り込む箇所がさらに悪い。

概ね、ルート上の草、枝は伐採しましたので快適に登れると思います。
6P終了点直下のみ、暗くなったため、伐採は残りましたが登るのに支障はないでしょう。

前回整備したのが2009年。草木に覆われるのも当然のこと。
気にはなりながらも、複雑なルートゆえ、一人では出来ず、かといって気安く誘えるところでもな
いので延び延びになっていたところ、最近、力を付けてきている両君が同行できるとのことで今回
の整備に至りました。
今回私はルートの整備をしながらの登攀でしたが、草木が多いために予想以上に時間を取られ、9時
に取り付いて、下山したのが19時でした。
10時間近くクライミングと、ぶら下がっての作業はさすがに身に応えてきました。
今回、トップを頼んだ片〇君は、10時間近い整備の中でオールフリーで登った。大したものだ。
荷揚げを一手に引き受けてくれた折〇君、ホールバックを引き上げながらの登攀お疲れ様でした。

最後に
ルートが開拓されたのは40年以上前のこと。ルートの質はもとより、開拓者のバイタリティー、闘
争心を彷彿させるすばらしいルートです。
比叡ではめずらしい、ナチュラルプロテクションのルートでもあります。
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比叡Ⅲ峰北壁 ルート整備

2015年09月13日 | ルート整備

Ⅲ峰北壁ルートが自然に還っていたという情報を得て、折を見ていこうと考えていたが、涼しくなってからやろうと日延べにしてきた。
そこで、せめて9月の連休前にするのが良かろうと、土曜日に重い腰を上げることにした。
9時、Ⅲ峰近くの駐車場着。今回はダニ予防に買ったつなぎをここで着る。意外と動きやすい。泥をかぶっても腰からの進入はこれで防
げる。


野良仕事一式。

掃除は懸垂しながら行うことした。ルートは強い角度で左上しているために大きく左方向へと振られる。そのためにカムを1セット持つ
ことにした。それとロープ2本、掃除道具は鍬大小2つ、ブラシ、先手バサミ、鋸。開拓に比べるとかなり軽いが、それでもⅢ峰への急坂
はきつい。デッキブラシをストック代わりに藪に入る。20分ほどでⅢ峰に立つとすでに汗だくだ。
先ずは終了点付近の伐採。先手バサミと鋸をとっかえひっかえしながら枝を払い、その後、懸垂に入る。5m程下がると羊歯の藪だ。なる
ほど指摘の通り、自然に還っている。しかし、この羊歯は毎年のことだろう。鍬を持ち出し茎に打ちつけ払う。払うのは簡単だが長く延
びた茎を刈り取るのは厄介だ。果てがない。羊歯の後は、次から次へと親指大の枝が現れる。今度は鋸の出番だ。この鋸、当初は順調に
切れていたものの、シンクラックに詰まった泥を鋸でさらっていると、だんだんと切れ味が悪くなってきた。当然のことであるが。次回
からはクラック専用としよう。
鍬と、鋸、先手バサミを取り替えながらの掃除はとかく時間がかかる。地上でもそうだ。ここは空中。力も入れづらい。
後2ピッチで終わろうかという頃、日が落ちた。これ以上は無理だろうと。地上まで懸垂。下りた時は7時であった。ずっとぶら下ったま
まで流石に疲れた。ロープを回収しようかと思ったが、明日の疲労を見てからにしようとフィックスとし、庵へと向かった。
庵では長崎からマルチを登りに来たという若手9人グループと遅くまで談笑。クライミング談議に花を咲かせた。先が楽しみな人たちだ。


ご覧の通り左上しているために懸垂での整備も手こずる。

12日(日曜日)
9時、フィックスの場所へと来た。疲れがひどく回収しようかと思ったが、今度いつ来れるか分からない。それを思うとやはり仕上げた
方が良かろうと酒で重くなった身体で40mのユマーリングを開始。一部空中だ。疲れた身体にはきつい。見上げた先は40mでも程遠く見え
る。やっとのことで懸垂点直下までたどり着き、休みもそこそこにまた掃除にかかる。そう、ここは空中。ハーネスに荷重がかかったま
までは休みにもならない。下手をするとファーストクラス症候群にもなりかねない。先を急ぐのが肝要だ。振られ止めにカムを利かせな
がら懸垂掃除。時間がかかる。残した2ピッチの掃除を終えて地上に下りたのは昼過ぎであった。

開拓時、大半を一人で行ったためにボルトを多めに打った。各ビレイ点に2本である。今回、見直し、取り付きと3ピッチのビレイ点を撤
去した。2ピッチ、4ピッチもカムでビレイ点を作成できるため、撤去も可能であるが掃除用に置いておく事にした。次回登る時に再検討
することにしよう。

コメント (4)
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