「ムササビファミリー」(マルチピッチ)について
行く人はあまりいないと思いますが、ルートが若干変わりましたのでご報告します。
ムササビファミリールートの一部が崩壊、また、ルートがブッシュに覆われているとの報告を受
けて、大分の片〇、折〇君と昨日、整備に行ってきました。
取り付き下部には大きく崩壊した岩が散乱。見上げると1Pの中間が崩落していました。
前回、チェーンで固定した岩がかろうじて残っている状況です。
今となっては、共に崩落してほしかったのですが、よもや他が崩落するとは分からないものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/93/0b45ff914067c64743e58a5ed26f1b6c.jpg)
白い部分が崩落後
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/e9/fb457ce5e2b31e65198f0ab56f644307.jpg)
12年の歳月が経って、かなりブッシュに覆われている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/a5/a92ac1e3829dd08e4eadfdde044490a8.jpg)
以下、注意点が2点
①1Pの下部が写真の通り、大きく崩壊しています。崩壊箇所は通らずに、右寄りを直上しのこと。
チェーンで固定した岩がありますが、チェーンで止まっている状態ですので触らないように。
まだ浮石の可能性あり。トップが登る際は、岩陰に退避してのビレイ要。
②前回の整備(2009年)で、整備上、ビレイ点にボルト、ハンガーを設置したが、今回、3P,4Pのビ
レイ点を撤去。
よって、ビレイ点のハンガー設置は6P中、5,6Pの2か所となるので、カムの多めの携行が必要。
(0.5〜2番)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8e/aab55cdf382e6b1a7d44f94f6df139d7.jpg)
3Pのwクラック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/3b/e2fde0351499d62b4d43c7d37b8fcea5.jpg)
出口が悪い。この先、これ以上の核心がいくつか待っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/9d/aae44c94f60bd709147ae53b2d93b2c7.jpg)
最終6Pのトラバース。ここも悪いが回り込む箇所がさらに悪い。
概ね、ルート上の草、枝は伐採しましたので快適に登れると思います。
6P終了点直下のみ、暗くなったため、伐採は残りましたが登るのに支障はないでしょう。
前回整備したのが2009年。草木に覆われるのも当然のこと。
気にはなりながらも、複雑なルートゆえ、一人では出来ず、かといって気安く誘えるところでもな
いので延び延びになっていたところ、最近、力を付けてきている両君が同行できるとのことで今回
の整備に至りました。
今回私はルートの整備をしながらの登攀でしたが、草木が多いために予想以上に時間を取られ、9時
に取り付いて、下山したのが19時でした。
10時間近くクライミングと、ぶら下がっての作業はさすがに身に応えてきました。
今回、トップを頼んだ片〇君は、10時間近い整備の中でオールフリーで登った。大したものだ。
荷揚げを一手に引き受けてくれた折〇君、ホールバックを引き上げながらの登攀お疲れ様でした。
最後に
ルートが開拓されたのは40年以上前のこと。ルートの質はもとより、開拓者のバイタリティー、闘
争心を彷彿させるすばらしいルートです。
比叡ではめずらしい、ナチュラルプロテクションのルートでもあります。