天と地の間

クライミングに関する記録です。

肩、手術

2013年05月19日 | トレーニング
2年前、肩を痛めた。以来、痛みをこらえながら登ってきた。当然、力が出せず、満足のいく登りが出来ずにきた。
これまで整形外科を3度かえて診察してもらったが、どこもレントゲンでは異常はないですね。休みましょうとの共通のコメント。
そんなコメントは診察するまでもなく分かっているのだが。することといえば、リハビリとヒアルロンサンを肩に打つぐらい。
その治療もいつしかやめ、だましだまし登ってきたが、痛みは他に連鎖し、悪化の一途。詳細に検査しようと、病院に行くことに
した。2月初めのことである。
問診に当たって、黙っていてはレントゲンのみで終わると思い、MIRを撮っていただきたいと、やや強気でお願いした。
その結果、やっと悪い箇所が分かった。病名は肩腱板断裂との事。どうも病院側はさしせまって痛みが強かったり、日常生活に支
障がない限りは能動的に動かないようだ。
さて、肝心の治療方針だが、選択肢は2つあるとのこと。一つは、炎症が治まるまで待って、筋力でカバーする。この場合、痛みが
引けば、力も出せるようになるが、再発もありえるとのこと。もう一つは、手術。治療は靭帯が剥がれないように楔を打つとのこと
だ。ドクターはこうしましょうとは云わない。100%、選択を患者に丸投げする。そもそも素人の患者が適切な判断が出来るはずは
ないのだが、病院側は何かの折を想定してすべてこういう態度をとるのだろう。
今後、医療が進む反面、リスク回避はますます複雑になるだろう。選択肢が枝分かれするたびに選択を迫られる。治らなければすべ
て自己責任となる。こうしましょうという医療方針をきっぱり立ててくれれば患者は安心もし、不要な時間も治療もかけずに済むの
だが。で、私はどうしたかというと、しばらく休み、それでも良くならなければ手術をすることにした。

2月から2ヶ月間、クライミングはおろか、ぶら下がることさえ止めたが痛みが一向に引かない。日常生活においても、痛みが走った
りする。もうこれでは手術しかないなと、5月の連休明けに手術をすることにした。しかし、手術を決断するまでは迷いはあった。手
術が成功して復帰が出来たとしても、9や10台しか登れなくなるかもしれない。そのギャップの埋め合わせをうまく自分の中で消化で
きるのかどうか。他の筋力低下も免れられない。年齢的にそれが元に戻るとは考えにくい。復帰まで半年はかかる。それまでもんも
んと過ごさなければならない。クライミングに対する気持ちもうせてしまうのではないだろうか。などと考えたが、どのみち、この
ままでは先に進めない。今がどん底、これ以上下がることもあるまいと、結論を出した。

5月12日金曜日、入院、翌日手術。 
気がついたら病室のベッドの上。次の日まで薬が効いてよく寝たが、夜から痛みで熟睡できなくなる。
手術翌日からリハビリ。即始めないと間接を固める物質が出て動かなくなるとの理由からだ。介助のリハビリであるが、自分ではま
ったく動かせないために、理学療法士が動かしてくれる。これが強烈に痛い。
これを朝昼1回づつ行う。


肩の手術は、穴を5つ開けて、内視鏡を見ながらの
処置だったため、さぼど傷は大きくないが、術後の
痛みは強烈だ。
この状態で40日程度、我慢しなければならない。
そのストレスも大きい。

リハビリの痛みは強烈な痛みだが、一時的なためにまだ良い。困るのは夜の痛み。寝ると痛みが強くなる。寝返りも打てない。結局、
退院までの1週間、上半身を起こしての仮眠ですごした。睡眠時間は2,3時間だろうか。手術前に、看護士も理学療法士から「肩の患
者さんが一番痛がります。」というのを聞いて、そんなものかな程度に聞いていたが、これほど痛みが持続するとは。


車の運転ができないことが一番困る。というわけで、便利なものを見つけてつけてみた。
注意が必要だが、なんとか運転にできる。ウインカーを操作するとき、一瞬、手が離れる
ためにちょっと怖い。なるべくなら運転は控えたほうがよさそうだ。

5月16日木曜日、退院。
退院したら、まずビールと思っていたが、どうも飲める状況にはない。
睡眠は少しは改善するかと思ったが、ベッドを起こされないために前より悪くなった。明け方までうとうとして、座椅子に移って、
またうとうとという日々。月曜日からの仕事復帰が思いやられる。


追記
冒頭、医療のことをくどくどと書いたが、次から次へと現れる患者をスタッフがこなしていく姿を見るにつけ、医療現場の大変さが
よく分かった。おそらく、患者の不満は上には上がらず、スタッフが引き受けるのだろう。
そんな中にあって、スタッフの方々には大変良くして頂いた。申し分ない対応だった。
また、今回、入院した部屋には同じ日に手術をした4人が同室になった。その同室の人に恵まれ、快適な入院生活をすごすことが出
来た。
皆さん、リハビリでまたお会いしましょう。





コメント (10)
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