大崩に久しぶりに開拓に入ろうと計画したが、前日、昼過ぎまでで雨。山深い小積のクラックの中は乾かないだろうと、比叡
に転戦することにした。
ここもやり残した課題がある。人形岩の肩の部分まで3ピッチ仕上げているが3ピッチ目の出だしの核心部ができずにいる。
これまで来れなかったのは、ひとえに体調不良に人材不足。今回はその人材に恵まれた。体調はまだまだだが、そろそろ少
しずつでも進まなければと6日、開拓に入ることにした。
今日のパートナーは最近調子が出てきているTsutsuMi君。
1ピッチ目の取り付き。コーナーを上ると終了点。
取付きで1ピッチ見目のコーナーを見上げると、久しぶりのクラックのために緊張する。案の定、取り付くとこれまでに無いほ
どビビってしまいプロテクションを多くとっている始末。それでも、なんとか2ピッチ終了点間際までノーテンで来た。ところがト
ラバースする箇所でアンダーホールドが欠け、大ホール。実に怖い思いをした。
2ピッチ目、全景。すっきりしたクラックが続き、登り易い。
クラックが切れたあたりでトラバースして終了点へ。
一方、Tsutsu君の方は、開拓道具をか担ぎながらよどみなく上がってくる。頼もしい。が、ちと可愛げがない。
いよいよ最大のヤマ場である3ピッピ目の核心にかかる。フットホールドが乏しく、コーナーで薄被り。プロテクションも取りづ
らい箇所だ。しかも核心部が長い。前回は諦めただけに、今回は糸口だけでもとフェース用のシューズで来た。その効果あっ
て、前回よりも良い動きができるが、足の痛みに耐えきれなくなり、長時間ムーブを探れない。肩の痛みも気になる。
結局、エイドで越えるとになったが、なんとか解決の糸口を掴んだような気がしないでもない。
ここまで来て具体的な成果を出せなかったのは残念だが今の体調を考えると、上出来かもしれない。
肝心のグレートは12bはありそうな気がする。最近、クライミングもトレーニングもしていない状況から推して甘めかも知れない
が、かなり悪い。
核心部をエイドで越えると、後は問題となる箇所はない。やっと肩の部分に達したの1時。昼食を摂って、もうひとつの課題にと
りかかる。それは頭部に達することである。
ボルトを1本打って、先ず私が取り付くも、足がよれて使い物にならず、すぐに敗退。
代わってTsutsuMi君が取付きかなり粘った末に、あと少しというところまで来たところで時間切れ。撤収することにした。
3ピッチ目終了点から1ピッチ終了点へ懸垂。
ロープは壁から離れ、薄く被っているのが分かる。
核心は2箇所。相当に難しいが可能性が無いわけではないことが分かったのは収穫。しかし、人形岩の頭部に達するには簡単
にはいかないだろう。時期も限られる。冬は風に吹き晒される。夏は日に晒される。次回来るのは訪れるのは秋だろう。
それまでには体調も整えておきたい。
第2弾、開拓過去記事 2009年10月13日
http://pub.ne.jp/runout/?cat_id=136640&page=3
来月で手術後1年になろうというのに未だにまともにクライミングができない状態にある。一方、ランニングの方は、腕を振って
走れる距離は伸びたものの5kも走れば痛みが出始め、と同時に肩甲骨が張ってくる。我慢すればなんとか走れないこともな
いが距離を踏めないし、スピードも出ない。次の日は肩から前腕までパンパンとなる。それでも、クライミングをした時よりもま
だましというもの。
こういう状態に在っては、やはり、なにかをやって気を紛らわせるしかない。前回同様、トレイルランニングにエントリーした。
http://hiraodai-trail.com
それが今回の平尾台。その距離40k。この距離、トレイルランニングでは未知の距離。その上、先の通りの有り様で満足に練
習は積めていない。今回も無謀がと思うがタイムは二の次とし、自分のペースで行けばなんとか完走はできるのではないかと
思う。そのための第一優先は転ばないことに尽きる。激しく転んで腕でもつこうものならボルトで固定した腱板がどうなるかわ
かったものではない。
会場のブース。
トレイルランニングの世界も大きなビジネス市場となっているようだ。
出場登録は前日でスタートは7時からのため、土曜日はホテル泊となる。小倉で出場登録を済ませた後は、ビールを飲んで、
9時半、早々にベットに入った。しかし、慣れない時間に寝たためか夜中に目覚め、熟睡もできないまま3時45分に起床。コン
ビニで買ったおにぎりを食べた後、テーピィングを施す。足首、ふくらはぎ、膝、肩、前腕。貼るが多すぎるために時間がかかる。
5時、平尾台行きのバスに乗り45分で会場に到着。カラフルな服装をした若い人のペアやグループが目立つ。一人参加の私
は気楽だが、ちと寂しく場違いな感じも受ける。
到着した頃は霧雨程度だった雨も、スタート時間が近づくにつれて本降りとなってきた。上りも下りもぬかるみに苦労するだろう。
スタート間際、天候を配慮して距離を36kにするとの案内。一番傾斜のある箇所をショートカットしたようだ。
7時、いよいよスタート。最初は順調に高度を稼いでいけたものの、皆、ぬかるみに足を取られてスピードが落ちる。稜線に上が
ると雨は小降りとなったが、ガスが濃くなり目の前のランナーしか確認できなくなる。視界は30mほどだろうか。定評の景色はこ
こまで満足に見てない。
下りにさしかかると転ぶ人もちらほら見られた。私はというと、なるべくなら傷めた左手を使わにようにと
気を使うが、転ぶよりはましとやむなく枝や岩を持ってしまう。加減しながら持つも、テンションが腕に掛かると激痛が走る。
急坂を越え、前半最後の緩傾斜の箇所で快調に飛ばしていると、後ろから抜き去る人がいて、思わず視線だけそちらに逸らした
瞬間、つんのめり、飛ぶように転んでしまった。着地の瞬間,肩をかばってスライディングするように着地したのが功を奏して肩に
は衝撃が掛からずにすんだ。しかし、その分、腰と膝をしたたか打ってしまった。膝は擦りむけ若干、流血。何より悪かったのは、
両ふくらはぎが攣ったことだ。おそらく、それまで負荷をかけてきた筋肉に急に負荷が無くなったためだろう。結局、これが原因で
走りに粘りがなくなり、最後まで尾を引く事になった。
それにしても、なんたる不注意。あれほど気を使いながら何でもないところで転ぶとは。
転んでからというもの精彩を欠いた。後半の登りは肩と肘の痛みも加わって歩きに歩いた。下りになってもリズムに乗らずにやっ
とのことでゴール。
今回の私の装備:パックからチューブを出した出で立ちの人が大半だったが、私はエイドの数と天候を考え、300mボトルを2本
さしたボトルポーチとした。結果、正解だった。
順位:総合181位/412人、男子:164位/350人
距離: 34.79 km
高度上昇値: 1,872 m
高度下降値: 1,867 m
最低高度: 29 m
最高高度: 624 m
レースを終えて。
転んでから調子が落ちたが、振り返ってみると、大きな負傷も無く完走を果たせたのは幸いだったといえる。一日たった今も打撲の
傷みが続くが結果には納得している。
最後に、雨が降り寒い中、ボランディアをしていただいた方々には感謝申し上げたい。
おかげさまで迷うことなく完走できました。ありがとうございました。