天と地の間

クライミングに関する記録です。

エベレスト

2015年11月09日 | 映画
久しぶりの山を題材にした映画が封切りになったので土曜日に行ってきた。
題名は「エベレスト」。迷わずに3Dを選択。事前にチェックした案内は実話を元にした作品とのこと。こうくれば、普通ならば期待が膨らむところ。だが、私はちょっとさめていた。なぜなら、公募隊がメインだからだ。
おそらくは、クレバスに事前に設置したアルミ梯子を使って渡り、登行はフィックスにユマールを設置した状況だろう。当然、スリリングな場面はあまりないのでは。低酸素と悪天による疲労凍死の場面が中心になるだろう。と想定して劇場に入った。
実際、その通りだった。とはいえ、スリルを感じるのは個々人の問題。高所登山と冬壁を経験した目線で見るほうが間違いなのは分かっているが、どうしてもそうなる。



ストーリーはというと、実話を基にしているだけに計算された作為というものはなかったように思う。
ベースキャンプで、なぜ山に登るのかという質問が出されたが、その答えを日常の場面で表せたらもっと興味を引く作品になったように思えた。
肝心の映像は、3Dとあって見ごたえがあった。空から映す山容や、雪が降るところなど、3Dならではの映像が楽しめる。
一般の人が見れば(それが前提の作品なんだが)十分に堪能できるだろう。

いろいろと言い出せばキリがないし、見ていない人は興ざめするのでこの辺でやめるが、一つ気になったことを一言。
日本人の女性(実在した難波さん役)が出ていたが、その演技の演出にがっかりした。今もって、アメリカ人の日本人に対するイメージはこんなものかと思わせる演出だった。

最後に・・・エベレストを題材にした映画といえば、「Beyond of The edge」(2014年秋封切り)がある。こちらは初登の模様を扱ったもの。ドキュメンタリータッチの作りのために映像は地味であったが、登攀の場面はスリルを感じたし初登の苦労がしのばれ、印象に残る映画であった。お勧めの1本である。
コメント (2)
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