天と地の間

クライミングに関する記録です。

由布岳北面

2015年02月12日 | 冬山
大滝にするか、由布岳にするか前の日まで検討したが、大滝は完全凍結してない情報を得て、由布岳に向かうことに。
実は由布岳北面は今回初めて。登攀の対象としていなかったからだ。
5時半、大分出発。50分後には堰堤下の道路わきに到着。あまりに近い。


砂防ダムの上部に向けて歩き出す。


ルンゼ末端に点在する石。落石の多さを物語る。

6時45分、砂防ダム工事用の道路を歩き出す。50分ほどで最上部の砂防ダム着。
砂防ダムを越えると、膝までの雪があるが雪に隠れた頭部大の石に足を取られ、実に歩きにくい。そんな調子で200mあまり進むん
でルンゼに入ると、やっとまともに歩けるようになる。膝上までのラッセルを繰り返して上がると、目の前に8mほどの壁が見えて
きた。F2か。F1は通り過ぎてしまったようだ。ここでロープを付ける。


F1へと向かう私。


F1を越えたあたりのオハラ氏。


F2直下の私。

正面突破を考えたが、氷結はなく、時間がかかりそうである。時間も遅い、こんなところで手間取っていると、上から何が落ちてく
るか分からない。あっさりとあきらめ、左側を巻くことにする。ハーケンが2本打たれていたが錆びているし心もとない。途中に一本、
打ち足し越える。


F2を左に巻く。

F2を越えると傾斜の緩い雪壁があらわれた。正面からは日がうっすらと差し、見事な景色である。


F2を越えて緩い雪壁地帯へと入るオハラ氏。
九州とは思えない雪壁。

70mばかり行くと、突然、雷鳴のような轟音がした。見上げると60mばかり上で雪崩が発生している。我々の右横10m、幅15mにわ
たって石を巻き込み流れ落ちてきた。こちらへと拡大する恐れもある。左へと走ってトラバースする。ひやりとする場面であった。こ
んなこともあろうかと、やや左寄りにルートを取ったのが幸いした。それにしても、F1の正面に固執してもたついていたら、どうなっ
ていたか。


雪崩れるまえの雪壁を左寄りにラッセルする私。


上部の段差のある箇所から雪崩れた。
写真では傾斜が無いように見えるが、見た目よりはある。
雪崩があっても不思議ではないところ。


ほどなく、ブッシュ帯の稜線に到着。東峰はもう近い。

追記・・・・壁自体は岩と土壁。ハーケンはリスがなくとも岩と土壁の境に打てば結構効く。フォールは心もとないが、体重を預けるには十分。
F2もハーケンを数枚打てば、前進できるが状況によりけり。正面からと右からと落石をくらう恐れがある。
冒頭に書いたように、由布岳北面はまったく、是まで眼中になかったが意外と冬山気分を満喫することができた。これも
相方がいてこそのこと。充実した一日であった。

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大崩 宇土内谷 三段の滝

2015年02月08日 | ICE
2月に入り念願の寒気が入ってきた。めったにないチャンス、4日に有休をとって行くことにした。
メンバーはつつみ氏、おはら氏。
前夜入りが理想であるが、メンバーの都合がつかず、大分を4時に出発。宇土内への林道に入ってから氷も雪も見えず、いささ
か心配になる。
7時前、大滝下部着。林道から見上げてみると氷の出来は乏しく、可能性の無いは明らか。それでも、来たことのないメンバー
のために、直下まで案内する。氷が発達した状態を見せたかったが、こればかりは文字通り水物。仕方がない。年々、状況は悪く
なっているようだ。やむなく、宇土内谷へ入ることにする。
対岸から見ると、氷質は良くないものの、なんとかスクリューは効きそうである。感覚を呼び戻すための練習と割り切り取り付く。


傾斜が無いが贅沢はいえない。どんな暖冬でもここは凍る。
だが、今回は薄い。


一世を風靡したローのハミングバード。体感してもらおうと持ってきた。
刺し味は抜群。しかも、氷は崩さない。これを超える刺し味はあまりない。
しかし、もう、セミチューブの時代は来ないだろう。


これまた、セミチューブ。未だに現役の梶田のバイルにセミチューブをセット。


これもまた、古いツール、スナーグ。
ハンマーで叩かなければならないが氷を壊さず入っていく。そして良く効く。

時間があったので、上がりきったところで「くるくるポン」と「アバラコフ」、「スタンディングアックスビレイ」の実演をしてみた。


アバラコフ作成中




2015 02 04 1210372


セットが上手くなっても、使える状況に身をおかなくては意味がない。
そういう状況から遠ざかって久しい。いつかまた行きたいものだ。




新調ツールのクオークを携えたオハラ氏。
軽くて良い物だ。だが、刺し味は微妙だった。


帰りがけ、道路わきの12aのスラブ、クラック、Ⅱ峰下部のショートルートを案内する。かつては賑わいのあった場所だ。比叡といえば、今は
ボルダーが盛ん。取り付く人もそんなにいないだろう。いろんなジャンルの登りができる貴重なエリアである。
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