天と地の間

クライミングに関する記録です。

大崩清掃登山参加

2015年09月27日 | ハイキング
25日(金)、明日、大崩山頂のゴミ回収があるということをネットで知って、急遽参加することに決めた。企画は美人の
湯と庵鹿川の三澤さんである。
岩場の整備や周辺の清掃はやってきたが、集団での清掃登山となると恥ずかしながらやったことの記憶がない。今にし
てなぜ参加するにいたったか。
それは知り合いの企画というのもあるが、山頂付近がそうとうに汚れているというのを耳にしていたからである。他の
山ならともかく、大崩山は好きな山である。小積には何度も通い、今も開拓途中のルートもある。ここは動かねばいつ
動く、ということで重い腰を上げた。
企画は美人の湯のメンバー4人は二枚ダキ経由、庵メンバー10人は宇土内経由でゴミの回収、登山道整備しながら山頂に
向かい、山頂で合流してのゴミを拾うというもの。
宇土内からの登山道は景色が見れないために人気がないのだろう、枝や倒壊した木に遮られた箇所が多い。頻繁に鋸で
ひいて撤去する。不要なテープも多くこれも剝がしながら進む。なかなか歩がすすまないがこのために来ている。登行
も作業も体力がいるが、それを楽にしてくれた人がいる。
彼は薬学の学者にして30を過ぎたばかり。専攻はトリカブト。当然、草木に造詣が深い。登山道の木々や草花をエピソ
ードを交えて話してくれる。おかげで山頂までの道のりを楽しく行けた。
山頂手前の石塚には美人の湯のメンバー5人が着いていて作業を行なっている。我々はすぐ先の山頂へ向かい、まずは作
業前の腹ごしらえだ。吉村さんが作って皆に配った栗入りのおにぎりを頂いた。これが実においしかった。大き目のお
にぎりであったが3つもたいらげた。
短い昼食時間ののち、皆、それぞれ土嚢袋を片手に藪に分け入る。空き缶が四方八方に散乱している。焼酎ビンもある。
とりわけ目を引いたのが登頂記念の標識である。私だけでも十数枚拾った。中には5kを越えようかという鉄板と鉄骨で
出来た物もあった。おそらくは人の立てた標識を抜き取り、山頂から放り投げ、その後に自分の持ってきたものを立て
たのだろう。営々とその繰り返しが行なわれてきたのがゴミからわかる。山岳会の物から個人のものまである。ご丁寧
に個人名を書いたものまで。なんの意味があるのだろう。さっぱり理解不能だ。
ゴミを見れば歴史が分かる。時代を反映してペットボトルが多いかと思ったが、意外に少なく、多かったの錆びて朽ち
かけた空き缶や焼酎ビン、そしてプレート。それらから判別すれば歴然通り、最近のものが少ないということ。
ほぼ拾いつくして袋が一杯になった頃、山頂に上るとタイミングよく皆も上ってきていた。
さて、これで終わりではない。下ろさなければ。土嚢袋を二つ背負子に括り付けて背負うと重い。とても空き缶の重み
ではない。鉄骨やビンの類が伝わってくる。20kはあろうか。
歩荷でそれ以上の荷物を背負って下りた経験は数え切れなくあるが、今回の荷下ろしはたとえゴミであっても価値のあ
るもの。と言い聞かせて山頂を後にした。


美人の湯、庵メンバーともに宇土内より下山。
ゴミの総重量を計ったら、90k。ゴミはまだ山にある。


次の日はボルダーでもしようとマットを持ってきたが、またしても疲労で断念。
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大崩偵察

2015年09月23日 | 開拓
連休に地元で登る事ほど情けないことはない。ということで登るのはあっさりと止めにした。代わりに大崩に新たなる
可能性を見つけようと、久しくやっていいないトレイルランニングを兼ねて偵察に入る計画を立てた。


峠を越えたあたりで撮影。
真ん中が小積。小積を中心に右奥が湧塚(重なっている)。少し離れて左が二枚ダキ。
そして、その左隣が大崩山頂。(左から二つ目のピーク)
左端に大崩ダキ。右端に馬の背。写真には写ってないがさらに右に広タキがある。

昼前に登山口に差し掛かると、かなりの車が止まっていて驚いた。ほとんどがハイカーのようだ。近くに止めるスペー
スが全く無い。幸い、私は林道を上がっていくから関係ないが、これから来る人はかなり下に止めなければならないだ
ろう。かつてない程のにぎわいだ。これも登山ブームの影響だろうか。


登山口の前後200mは駐車スペースなし。


今回も余裕があればボルダーでもしようとマットを持っては来たが。
そんな余力もなく、また、ボルダラーもいなかった。

崩壊してこれ以上進めない箇所に車を止めて、ザックを担ぐ。中身は飲料水、シリアルバー、カメラ、双眼鏡。これで
足りる。
林道は崩壊しているが走る分には問題ない。それも坊主尾根への分岐点を過ぎるとすぐに行き止まりになり、目印のと
ぼしい林へと下る。途中、何度も迷いながら下の林道と合流してホッとする。ここから沢を越えて大崩ダキを目指して
急登なる。身軽なのが幸いだ。沢を越えて30分くらい進んだだろうか。下にスラブをいただく岩塔直下に到着。
岩はでかい。全容が掴めないために一段上がらないとなんとも言えないが、今ひとつ食指が動かない。開拓した人から
情報を聞くことにしよう。


まさに秘境の雰囲気。
左端が大崩ダキ。


基部から大崩ダキ撮影。
宮崎登攀クラブが打ったものか、錆びたリングボルトがあった。


大崩ダキから馬の背(左)、広タキ(右)撮影。


馬の背。昨年、6ピッチのルートが開かれた。13cのピッチがある。
それ以前、何度か私も訪れたことがあるが、見る限り弱点の少ない壁であった。
左端にすっきりしたクラックがある。


広タキスラブ。白いきれいな壁だ。
最近は訪れる人も少ないようだ。アプローチも荒れているだろう。



20日(月曜日)
登山道近くにはテントを張る場所がなかったために美人の湯の下の駐車場に張った(申告済み)。秋の夜長は長い。積読
になったままになっていた本でもよもうと2冊持ってきた。ところが虫の音を聞きながらビールを飲んでいると読む気が
失せ、さりとて疲れで覚醒したのか、なかなか寝付けない。そのうち、まんじりとしないまま登山者の準備の音で4時に
目が覚めた。ある程度予測はしていたがここの登山客は早い。今日はつらくなりそうだ。


渡渉点から撮影の小積。
いつ見てもいい眺めだ。


大崩はこんなボルダーがごろごろしている。

7時過ぎ、昨日と同じ出で立ちで登山口から走り始める。足取りは重い。坊主尾根の渡渉点に来ると4,5人の登山者が途
方に暮れている様子。橋がないという。なるほど見事に消え去っている。ならばと、岩伝いに渡渉し、上から最適なル
ートを示すと皆さん安全にできてお礼を言われた。
気を良くしてまた走り出す。走るといっても今日は走るのが目的ではない。勾配がきつくなると直ぐに歩きに変える。
特に先行する登山者が20m先に現れれば歩きに切りかえて、こちらの息づかいで察知してもらうように近づく。そんな
ふうに登山道を走るときはいつも自転車に乗っているつもりで走る。そうすれば問題も起きないだろう。やはり、登山
道は登山者が優先と思う。
坊主尾根の道標からいよいよ小積谷へと入る。思いの外、水量が少ない。だが、ここから注意が必要だ。苔むした岩伝
いに進まなければならない。苔は濡れている。滑って頭でも打とうものなら一大事。映画「127時間」になりかねない。
ここは誰も来ないところ。映画のシーンを思い出しながら進んでいたら、意外に早く小積の基部に着いた。


でかすぎてカメラに収まりきれない。
ピークは見えない。


中央稜右隣のクラック。ここも可能性がある。

基部から見る小積はでかい。カメラには収まらない。早速、双眼鏡で壁を見るとラインを引けそうな箇所が何本か見て
取れる。ブッシュは多いが、北面特有の草木で剥がしやすそうだ。
実は、私の狙いはここではない。本命は湧塚下の岩塔。間近で見る岩塔は威圧感がある。それだけに開拓意欲をかき立
てられる。南面、北面ともに草木はなく、すっきりしている。すぐにでも取り付けそうだ。次にするのはここだ。


湧塚下の岩塔。林越しにしか見えないのが残念。


袖ダキより湧塚を撮影。
向かいの岩塔が狙いの壁。両面に可能性がある。見ての通りブッシュはない。


袖ダキにて。
来ればつい跨いでしまうオフィズス。股間がスースーする。
ここに上るルートを作るのも面白そうだ。
かなり難しいだろう。

岩を見ながら腹ごしらえをしたのち、沢を詰める。進むにつれて岩は小さくなり植生も変わってくる。もうそろそろか
と思われる頃、登山者の声が聞こえてきた。

コメント (2)
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比叡Ⅲ峰北壁 ルート整備

2015年09月13日 | ルート整備

Ⅲ峰北壁ルートが自然に還っていたという情報を得て、折を見ていこうと考えていたが、涼しくなってからやろうと日延べにしてきた。
そこで、せめて9月の連休前にするのが良かろうと、土曜日に重い腰を上げることにした。
9時、Ⅲ峰近くの駐車場着。今回はダニ予防に買ったつなぎをここで着る。意外と動きやすい。泥をかぶっても腰からの進入はこれで防
げる。


野良仕事一式。

掃除は懸垂しながら行うことした。ルートは強い角度で左上しているために大きく左方向へと振られる。そのためにカムを1セット持つ
ことにした。それとロープ2本、掃除道具は鍬大小2つ、ブラシ、先手バサミ、鋸。開拓に比べるとかなり軽いが、それでもⅢ峰への急坂
はきつい。デッキブラシをストック代わりに藪に入る。20分ほどでⅢ峰に立つとすでに汗だくだ。
先ずは終了点付近の伐採。先手バサミと鋸をとっかえひっかえしながら枝を払い、その後、懸垂に入る。5m程下がると羊歯の藪だ。なる
ほど指摘の通り、自然に還っている。しかし、この羊歯は毎年のことだろう。鍬を持ち出し茎に打ちつけ払う。払うのは簡単だが長く延
びた茎を刈り取るのは厄介だ。果てがない。羊歯の後は、次から次へと親指大の枝が現れる。今度は鋸の出番だ。この鋸、当初は順調に
切れていたものの、シンクラックに詰まった泥を鋸でさらっていると、だんだんと切れ味が悪くなってきた。当然のことであるが。次回
からはクラック専用としよう。
鍬と、鋸、先手バサミを取り替えながらの掃除はとかく時間がかかる。地上でもそうだ。ここは空中。力も入れづらい。
後2ピッチで終わろうかという頃、日が落ちた。これ以上は無理だろうと。地上まで懸垂。下りた時は7時であった。ずっとぶら下ったま
まで流石に疲れた。ロープを回収しようかと思ったが、明日の疲労を見てからにしようとフィックスとし、庵へと向かった。
庵では長崎からマルチを登りに来たという若手9人グループと遅くまで談笑。クライミング談議に花を咲かせた。先が楽しみな人たちだ。


ご覧の通り左上しているために懸垂での整備も手こずる。

12日(日曜日)
9時、フィックスの場所へと来た。疲れがひどく回収しようかと思ったが、今度いつ来れるか分からない。それを思うとやはり仕上げた
方が良かろうと酒で重くなった身体で40mのユマーリングを開始。一部空中だ。疲れた身体にはきつい。見上げた先は40mでも程遠く見え
る。やっとのことで懸垂点直下までたどり着き、休みもそこそこにまた掃除にかかる。そう、ここは空中。ハーネスに荷重がかかったま
までは休みにもならない。下手をするとファーストクラス症候群にもなりかねない。先を急ぐのが肝要だ。振られ止めにカムを利かせな
がら懸垂掃除。時間がかかる。残した2ピッチの掃除を終えて地上に下りたのは昼過ぎであった。

開拓時、大半を一人で行ったためにボルトを多めに打った。各ビレイ点に2本である。今回、見直し、取り付きと3ピッチのビレイ点を撤
去した。2ピッチ、4ピッチもカムでビレイ点を作成できるため、撤去も可能であるが掃除用に置いておく事にした。次回登る時に再検討
することにしよう。

コメント (4)
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