天と地の間

クライミングに関する記録です。

大崩開拓着手

2021年12月10日 | 開拓
水曜日が休みという相方のO君に合わせて都合をつけ、比叡にクラックの開拓に行く予定をしていたが、
気温がさほど低くないため、急遽変更して大崩の開拓に入った。
ヘッドランプを点けて歩行開始。ジャンピングをドリルに替えて来たのでザックの重さは先日とさほど
変わらず20kほど。
登山道を外れると、風が急に強くなってきた。強風に近い。この時期、標高1000mを超えるところで風
に吹かれての開拓は厳しいが、これから行く壁には吹いては来ないだろうとの確信に近い予測で歩を進
める。
歩き始めて3時間、壁に到着すると、予想通り無風に近い。
朝食とも昼食ともつかない食事をとり、開拓を開始する。


唯一のレストポイント 大量の装備とバックロープで重い。


ハング越えのオフィズスで喘ぐ私

久しぶりのナチュラルプロテクションのリードは緊張する。当然、苔がかなりあり、カムを固め取りで
慎重に進むが、カム、その他の重りも相まって、何度かテンションが入る。
ハンドサイズのクラックが過ぎたあたりから、クラックの向こう側が見えてくる。そこからこちら側へ
と風が吹き差してきて体温を奪う。
ハング基部に着くと、これを越えるのに奮闘し、核心は越えたかと思ったのも束の間、ほんとの核心は
ここから始まった。開拓とはいえ、フリー化しながら進みたい。そういう思いで進むも、ホール。3回は
落ちただろうか。ほうほうの体でリップに左手を延ばすと、ふかふかの苔の上。必死に耐え、右手で苔を
払い、カムを挿入してギリギリのクリップ。
ここから見上げると、後10mほど。ここまで、20m。あと一息だが乗り越しの箇所の浮石が行く手を阻む。
下に落とさないようにA1で越せないこともないが、浮石の処理の時間とその後のもろもろの時間、疲労度、
増す寒さ。パートナーにも登らせたい。そんな思いが錯綜し、ここで撤収とする。
今回取り付いた箇所は予想以上に変化に富み、楽しめた。
グレードは撤収地点までは11aくらいはあるだろうか。是非とも仕上げたい。
とにかく、途中から風に吹かれて寒かった。遠くを見やると凍結した壁が随所に。体感温度も下がるはずで
ある。


氷結した個所が。気温はかなり下がっていたはず。加えて、風により、かなり体感温度は下がった。
氷瀑を見ていると、遠い昔、ここの低気温に期待して氷瀑を求めて彷徨したのを思い出した。

壁に行くまでの2/3は道はない。安全に帰るにはもっと早出しなければ。次回は日が長くなる春か。
追記
大崩はユネスコパークに指定されているということもあって、木は切れない。そのうえ、登山者の増加を考え
るとドリルの音をたてるのも気が引ける。
登山者、トレイルランナー、クライマーが共存するためには制約があるのは当然のこと。
開拓時は可能な限り都合をつけて平日に行おう。
コメント
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