天と地の間

クライミングに関する記録です。

脊梁トレイルランニング参加

2013年09月30日 | トレーニング
肩の手術後、1ヵ月、痛みは続くが下半身だけでも動かそうと、診察時にドクターに走っても差し支えはないかと聞いたところ、良い
でしょうとのこと。
で、気を良くして次の日に走り出したところ、左腕は振れないし、振動で痛みが走る。すぐに止めるのが無難かと思ったが、せっか
くだからと、痛みが少ないポジションを探ってみた。一番良いのは、腕を胸の前で曲げ、シャツを掴んで固定する方法が負担が少な
くて良いというのが分かった。たが、誰が見てもリハビリの体勢。目立つがそんなことは言ってられない。続けて走ったが、当然、
腕を振らないと推進力が出ない。それに大隔膜の筋力をうまく使えずに苦しい。1月振りの走りというのもあるかもしれないが、や
たらと苦しい。結局、8kほど走ってギブアップ。
その夜は、肩甲骨が凝りに凝って、一睡も出来ずに朝を迎える。


これが最初のバージョン。格好は悪いが一番負担
の無い方法。しかし、まともには走れない。


第2バージョン。握力が要らない分、楽だが肩に少
々負担が掛かる。

術後、3ヶ月経った。どういう体勢で寝ても、痛みで同じ体勢を維持できない。まともに睡眠が取れない状況が続く。
クライミングに復帰のめどがまったく立たない。できるようになるとも思えない。これでは精神衛生上よろしくない。せめてラン
ニングもして気を紛らわそうと思うが、未だに上記の通りで、気合が入らない。それならばと目標を立てることにした。前回同様、
レースへの参戦である。
レースは脊梁トレールランニング(35k)。レース以外では30k〔宝満・若杉往復〕の経験はあるが、35kは未知の領域。いささか無
謀かとも思ったが、制限時間が8時間と比較的緩い。歩きを主体にしても何とかなりそうだ。
肩の痛みと片腕走行の今の現状を踏まえると、距離も伸びないし、スピード練習もできない。無様な結果になるのは目に見えてい
るが、何もせずに悶々と過ごすよりは良いだろう。

以下、レースの作戦を立てた。といっても、人と競うためのものではなく、怪我をしないための保守的な作戦だ。
作戦その1、とにかく転ばないこと。今転んだら再起不能は間違いのないところ。そのためには、自分のペースでゆっくりと下る。
作戦その2、枝や岩を上り下りの補助に使用しない。ひざに手を置いて足の補助にしない。

以上、守るべきところだが、考えれば考えるほど制限時間内の完走どころか、途中の関門でリタイアされそうに思えてきた。

8月初め、急に忙しくなり、走れない日が続く。いったんは出場を諦めかけたが、せっかくの機会、出場することにした。
今年はいいことがない。肉体的にも精神的にも今がどん底。そう思えば、後はゆっくりでも上り坂になるだろう。そう思わなけれ
ばやっていけない。

9月初め、やっと腕を振れるようになったが、それも2kほど走ると肩甲骨から手首まで痛くなって続かない。しばらく片腕をだら
りと垂らしての走行となる。痛みが引いたところでまた腕を振るという繰り返し。それでも、一頃よしはましだ。

9月30日(土曜日) レース前日。
夕方5時過ぎに緑川に到着。受付を済ませて、前夜祭会場に行くと、すでに200人ほどの人盛り。見渡すとみんなグループで来てい
るようだ。一人での前夜祭参加は私だけのようだ。おそらく、一人でレースに参加する人は、前夜祭不参加か当日受付なのだろう。
私はというと、適当な席に座って、せっかくだからと、他の人に接触を試みるが、なにせ相手はグループ参加者。会話は続かない。


飲食しているものは地元の人が用意してくれたもの。いろんな種類
があり、おいしい。
みんな、楽しく語りあっていた。多分、私がグループで来ていたら、
飲みつぶれていたかもしれない。

しばらく注意して会場を見渡していると、知り合いが一人いた。徳さんだ。知り合いといっても、会うのは1年半ぶり。それも2回目
だ。ひげも生やしていたため確信はもてなかったが、声をかけてみると、やはりそうだった。
ビールを飲みながら近況を語り合った後、明日に控え、私には珍しく早めにバンガローへと引き上げた。
早めに床に入ったが、マットの薄さもあって、肩の痛みで熟睡できず、5時起床。
小雨が降っており、足元が気になる。とにかく転ばないことを再度、自分に言い聞かせる。

スターと地点に行くと、かなりの人集まり、それぞれに語らい、写真を取り合っている。緊張感はまったく無い。これは私も同様。


写真に納まりきれない参加者。本大会の人気の高さがうかがえる。




7時半、花火の合図とともに、いよいよスタート。コンクリートの上がり坂が続く。聞くところによると4kあるとか。私にとって一番
いやな箇所だ。そこを越えて山道に入ると道は狭くなり、追い越す箇所は限られる。
「五ヶ瀬スキー場までがつらいところ。そこまで行けば何とかなる」と言っている人がいたが、それを信じて、ここが踏ん張りどころ
と高度を稼ぐ。
やっと、スキー場について給水を済ませて、時間を見ると大変な時間がかかっている。これではトレランというより、山歩きと変わら
んではないかと愕然となる。
一瞬、止めたくなったがここでリタイアしたら後がもう無いだろうと、気を取り直して先を急ぐ。
向坂山からはアップダウンが続く。
三方山手前であそぼう会のキーボウさんとリリーさんがスタッフとしてチェックしていた。あまりのタイムの悪さを見られて恥ずかし
い思いだったが、応援はありがたい。
三法山からはほぼ下り坂。足元はぬかるみ、滑る。何人か転んだ人を見かけたが、私だけは転ぶことは出来ない。左腕を使えないのは
上りも下りも、そうとうにやっかいだ。慎重にスタンスを確認しながらも、ロスしたタイムを取り返すのはここからと飛ばす。
やっと、林道に出たところで2,3人の人が立ち止まっている。ルートはどっち側からないという。なるほど、肝心のところにそれらしき
印もないし、足跡もない。軽トラがあるところを見ると、スタッフが少しの間、移動したのだろうか。
地図を確認する手間もほしい。偵察に行き、コースは右方向だと皆に知らせる。
しばらく林道を下ると、広い舗装道に出た。ここからが結構長く、きついと昨日聞いていた箇所だろう。確かに長い。走っても走っても
先は見えない。もう左腕はとうに限界。垂らしたままだ。
下り坂の勢いを駆って、九十九折のロードを右に左に下っていくと、太鼓が聞こえてきた。ゴールは近くだ。そう思って見晴らしの良い
ところから下を見ると、かなり下にゴールが見える。まだ1k以上はありそうだ。これにはめげた。
やっと、長い坂を下り、入り口に待つスタッフとハイタッチし、ゴール。
なんとか完走だけは果たせた。

レースを振り返って。
肩の状態はしょうがないとしても、反省点がいくつもあった。ひとえに走りこみ不足。
今レース、今回一回きりと思っていたが、このままでは終われない。レースの様相はわかった。反省点を潰すべく、再度、走ろうか。

最後に、
大会関係者の皆さん、ボランティアの皆さん、天気の悪い中、お疲れ様でした。
お世話になりました。
ありがとうございました。


コメント (5)
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