天と地の間

クライミングに関する記録です。

加納谷遡行

2015年08月09日 | 

8月8日土曜日、由布川から上った後、4時過ぎ、白きりさんと一路上鹿川の庵へと向かう。高速は大分から北方まで延びて快適である。
およそ3時間で庵に到着。オーナー、サブオーナーはすでに出来上がっている。しばらく近況を語らいながら明日のメンバーを待って
いると10時頃、3人が到着。ゼルプスさん以外の二人、川嶋君、有りきち君は初対面。二人とも若い。話してみるとやる気が伝わって
くる。先が楽しみだ。
翌朝、5時過ぎに他の人の動きに目が覚める。作っていただいた朝食をいただいて6時過ぎに庵を後にする。
西の内川をつめ、加納谷の分岐点手前に駐車する。下りると真っ先に広々とした花崗岩の一枚岩が目に飛び込む。絶景だ。昨日が由
布川だっただけに、あまりにも対照的過ぎて息をのむ。入渓地点には最高の場所だ。


使い古された月並みな言葉であるが、見るだけで癒される。
下りにて。


入渓地点の私。

かのう谷を経験しているゼルブスさんもここからの入渓は初めてとの事。今日はここから加納谷へと入り、行ける所まで行こうという
計画である。
もっとも、私は以前、氷瀑を求めて林道をつめた時に上部が防災工事により涸れ沢になっているのを見ているだけに、そこまでが限界だろうことは予測できたが、その下は未経験。楽しみだ。
白い岩に清い水。なんといっても沢は花崗岩が一番いい。


表現が見つからない。

小滝をジャムを利かせて登ったら、次には倒木が現れ滑らないように慎重に渡って滝を越える。すると今度はゴルジュが現れステミングでこれを越える。次から次へ現れるアトラクション。飽きさせない。沢の水は冷たいが水中にいる時間が短いため、震えるほど寒くはない。


ゴルジュを越える白きりさん。

4時間ほどつめると右手に林道が見えてきた。終了点は近い。ほどなく見覚えのある巨大な鉄製の柵が見えてきた。ここで終了だ。



車を置いたところからすぐに入渓出来、しかも尾根筋をショートカットして下れば車まで楽に戻れる。沢のスケールにしては実に取り付きやすい。なんといっても景観がすばらしい。何度来ても良いと思わせる沢であった。

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3年ぶりに由布川へ

2015年08月08日 | 
由布川に来るのは実に3年ぶり。前回同様、相方は白きりさん。
少しでも温かいほうが良いだろうと集合は11時。沢に入るには遅いが、ここは勝負が早い。スピードが勝負だ。
椿の駐車場い下りるとラフティングの運営会社の人が装具を準備している。数からかなりのお客さんが来る模様だ。聞くと、熊本の
クライマーで知人の知り合いであった。近年、クライマーが増えたせいか、どこでつながるかわからない。今日は下るのではなく、遡
上するのだという。早めに来てよかった。


次々と集まるお客さん。2/3は若い女性。

早速、準備して長い階段を下る。入渓すると、涼を求めて浸かっている家族連れが散見される。それもすぐにいなくなる。続いて現れ
るのがカメラマン。いつ来てもいる。愛好家にとっては知られた場所なのだろう。
ほどなくすると、4mの滝が現れる。ここはやや力を要する箇所。だが近づいているとフィックスが張られてる。登るための人工物が
あるとがっかりだが、体力温存を考えて、ここは迷わず使おう。


入渓地点。
今日は今までで一番温かい。

だんだんと狭くなる。幽玄の世界へいざ。

10分ほど進むとめくらの滝の最後の陸地に到着。先の川幅は狭いところで1,5m。蛇行しているために先は見えない。そして両端は切り
立ち、薄暗い。何とも言えない雰囲気の場所だ。
装備をつけて25m程泳ぐと、幸いなことに前回と同じ箇所に狭い瀬があった。前に来た時よりも深くみぞおちあたりだが、これがあ
るのと無いのとでは大違いだ。
白きりさんを待って、15m先の滝へと向かう。なにかがちがう。前回と様子が変わっているような気がする。滝の流れが変わったのか
形状が変わったのが、3年ぶりの錯覚でもなさそうだ。


これまでで一番水量が少ないが、すさまじい
勢いで落ちてくるのは変わりない。

必死に漕いで落ち口に辿り着き、前回見つけた箇所に手がかりを探すも、這い上がれる弱点がない。水中に潜ってもスタンスになる
ものはない。何度も試みたが、強烈な水流に抗いながらの模索は体力を強烈に消費する。温存を考え、瀬に戻る。
瀬に着くと、あがいているときに感じなかった震えがはじまる。やはり、夏であろうと浸かったままでは寒い。闘争心を削がれそうだ。
このへんは冬壁とは真逆の感じがする。
私に代わって白きりさんが華麗な泳ぎで滝へと向かう。かなりねばって滝口で格闘するがやはり、てこずっているのが見て取れる。し
ばらく様子を見ていると下流から黄色い声がする。振り返るとヘルメットにライフジャケットに見を包んだ4、5人のグループが、スマ
ホを手に次から次へとラッコのような格好で向かってくる。その数、30を超えている。そして半数以上が女性。
そのうち来るだろうとは思っていたが、二人で格闘している場所だけにその数と華やかな雰囲気にやや戸惑いを覚える。幽玄の世界も
消し飛んでしまうかのようである。


我々もこんなことしているよりは鞍替えしたほうがいいかもしれない。
と一瞬思ったほどの光景。

当然、我々の行動は中断。お客さんをやり過ごす。この間、引率者に聞くと、やはり滝の様相が変わっているとの事。3年の間に変化が
あったのだろう。近年の雨量とここの岩質を考えれば不思議ではない。
二人になったところで再び白きりさんが向かう。なんどもチャレンジし、上半身がなんとか水面から上るまでいくが水圧に耐え切れず
に落ちてしまう。可能性はないのだろうか。水流で見えないが右手が凹角になっているような気もする。それを試そうとカムの5番を持
って今度は私が向かう。
水中では流れに逆らいながら頻繁に足を動かし、水上では流れ落ちる猛烈な水量に逆らってカムを掲げるも腕を上げることがかなわず
押し戻される。それでも何とか凹角上の箇所と思われるところでレバーを放したが噛まない。
滝に拘って取り付いてきたが、そうも弱点がなさそうだ。かなり水量が減れば分かるかもしれないが晩秋には来たくはない。
次回は残された唯一の突破口を使おう。こちらは時間はかかるが可能性は高い。
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