天と地の間

クライミングに関する記録です。

日向神 「道端エリア」

2010年11月29日 | フェース
昨晩、筑紫野あたりがかなり振ったというので、状態を心配したが晴れれば「バルコニーエリア」ならすぐに乾くだろうと出発することに
した。
今日は大分からは私一人。現地10時に福岡の3人(勝・野ざらし、綾吉、お富)と待ち合わせることにしている。
日向神に駐車場に着くとかなりの車が停まっており、やっとスペースを見つけて入れることが出来た。彼らはまだ来ていない。まだ。
おそらく、だべりながらゆったりと来ているのであろう。
降りて壁を見ると、やはり濡れている。道端エリアはどうだろうかと行って見ると、すでに10人あまりの人がいる。かなりの混雑しそうだ。


取り付きやすさから人気のエリアとなっている。

懲りない面々と合流後、10b、10aでアップののち、「グリコのおまけ」11dに所見で取り付く。


グリコのおまけの私。


核心部へ

順調にハング下までたどり着き、核心にかかるであろう部分の手前でレストし、あまくバランシーな箇所をなんとかクリア、終了点クリッ
プポイントにたどり着いたが、あまい!こんなはずでは・・・がまんしてクリップしようかと思ったが最後のプロテクションを見ると大き
く右にそれている。手繰り落ちすると右の壁に激突するだろう。そう思い、落ちたときの軌跡を思い描いた瞬間、フォールと叫んで手を離
した。かなり落ち、右の壁に軽く足が着いたが無傷。お見事ビレイヤー。そして、登りはヘタでも落ち方はうまい私であった。


核心越え、もらったと思ったが。

下りると、取り付いた経験のある人から、もうすこし上がってプロジェクトルートの鎖に最後のクリップをしてトラバースするとのこと。
実は、それも考えたがちょっとルートから外れていると思い、自ら限定をしてしまった。

昼食の後、回復するのを待って、再度取り付いたがヨレヨレ状態でドテンションでやっとのこと終了点をつかんでたどり着いた。終了点に
テンションを掛け、クリップポイントを点検すると、なんと、一便目に耐えていたあまいホールドの5cm上にガバがあった。詰めが甘い
というか、いや、これも実力のうち。余裕があれば探れていただろう。

後から聞いたところによると、12はあるとのこと。確かに辛めのルートだった。所見で12はおいそれとは落とせない。


瑞牆、小川山のボルダー遠征から帰ったばかりのお富。
その成果は意外なものだった。


湿ったところを慎重に登る沢G。いや、
このときは乾いていたはず。


しばらく見ないうちにちょっと増えた綾吉。

道端エリアは今日で2回目。今日は状態が悪かったともあってかかなりの人で賑わった。トータルすると20人以上来ていたのではないだろ
うか。今、日向神で人気のエリアとなっている。

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比叡�峰奥壁 三つ子ハング ダイレクトルート開拓 

2010年11月23日 | 開拓
土曜日、Docと共に三つ子ハングを直上するルートを開拓するため、�峰奥壁へ上がった。
クラックはかなりの掃除が必要で、懸垂しながら掘り起こさなければ無理なのであるが、登れなければそれも徒労に終ると考え、グラン
ドアップで開拓することにした。
2ピッチ登り、ハングの真下に行くと、180度の傾斜に浅い溝が2箇所あるだけで、前回、上から見たとき同様、ほぼ絶望的に見える。
しかし、思ったよりかぶりの部分は長くなく、がんばればリップまで届きそうである。それにチョックストーンを落とせばホールドが出
てくるかもしれないという淡い期待を抱いて、ハンマーを振るったが、しっかり嵌っているうえ、足を踏ん張れないために叩くたびに体
が逃げ、ハンマーの打撃が伝わらない。かなりしつこくやったが、180度の壁にのけぞっての作業は限界があり、結局、そのまま登る
ことにした。


ルーフにボルトをセットしたがこの作業も楽ではなかった。

何度か試すうちに、ルーフ出口の溝に右手が届いたがハンドサイズよりも広く、しかもフレアーしており一瞬でしか止まらない。せめて
左手だけでも効いていれば良いが左手はまだあまく、右手を決めたら両足ブラになる。次の動きが取れない。軽く13を超えたムーブだ。



フットホールドでもあれば策を見出せそうなのだが。
右下に見えるのは人形岩の頭部。

ここが地上であればしつこくトライもできるが長いアプローチをおして、2ピッチ登ってここ解決するというのは、まず、現実的に無理。
そう判断し、直登は諦めることにした。良いラインだっただけに惜しい気がするがこれほど可能性が低ければ諦めもつくというもの。


ハング下をトラバース中の私。撤退時に撮影。

下山した後、福岡から来た沢Gさん、綾吉ちゃんと合流し、テントの中で久しぶりの歓談。ほとんど私のぼやきになったが。
明けて日曜日、3人でニードルに行こうと取り付きへ。ところが、沢Gさんが突然、ニードルスーパーに行きたいと言い出す。私はこのル
ートはまだ登ったことはない。+本人が言い出したからにはへこんでも文句は言わないだろうと、沢Gさんのリクエストにお答えするこ
とにした。
その記録は、以下のサイトで。

http://kawahanakokoro.web.fc2.com/20101121needlesuper.html






コメント (2)
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久しぶりの日向神

2010年11月15日 | フェース
日曜日、久しぶりに日向神に行くことにした。相手はスタンドストーンさん。
彼女は日向神ははじめて。私は8ヶ月ぶり。
バルコニーエリアにしようかとも思ったが、まだ暑そうなので道端エリアに行くことにした。
このエリアは比較的新しく、私はここで登るのは初めて。エリアはその名の通り道路沿いにあるため、2、3度通りすがりに見たことがあ
るが、何れも山岳会が傾斜のないスラブで講習会をしていた。今日も5,6人の人が講習会をやっている。取り付きやすさから人気のエリア
になっているようだ。


講習会によく利用されている右の壁

まず最初にアップをしようと9のルートに取り付いたが久しぶりの日向神というよりは久しぶりのクライミングとあって、スメアに不安を
感じて意外と緊張した。日向神は9といえども侮れない。


「トラ子」にトライ中の大牟田?のクライマー
そのやや右に「無念」がある。

つづいて、落ちた持久力を高めるため、体にショックを与えようと長いルート「無念」11aを選んで取り付きに行くと、ため息が出そうな
ほど長い。下部は傾斜が緩いため、難なくこなせるが上に行くほど被ってくる。核心に入ると、持久力の落ちている現状はいかんともしが
たく、やっとの思いでOS。地元の人がかなり辛口と言っていたが体感的には11bcあってもよいように感じた。


同じく「トラ子」にトライ中の地元クライマー

下りた後は、出し切ったグリコーゲンを補給しようと昼食にする。ここで、彼女から手作りのおにぎりを頂く。それも自家製の新米(岡山
産)で作ったおにぎり。おいしい。

腹がくちたところで、ぽかぽか陽気に誘われ午睡といきたいところであったが、せっかく遠出したからと、11bの「トラ子」に取り付い
た。「無念」の左となりで同じく長いルート。ガス欠ぎりぎりで終了点直下のルーフを越え、なんとかOS。おにぎりの炭水化物が効いた
ようだ。しばらく休んで、短いルート「二郎」11cをやったが、核心部をドテンションでやっとぬけた。短いだけに難しいムーブが凝縮
している。ヨレているのもあるが、やはり、これぐらいになると日向神は簡単には登らせてはくれない。たまには来て体を岩質に適応させ
ないといけない。
今回は高グレードにトライだけでもという気も起こらなかった。情けない限りだが、それも現状のモチベーションの表れ。それでも、今回
は良い刺激にはなった。
一方、彼女のほうは狙ったルートをトップロープで試登した後、見事リードでRP。初めての日向神であったが適応してきたようだ。




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比叡�峰奥壁 三つ子ハング開拓 第2弾

2010年11月03日 | 開拓
3日(水曜日)
今日は一人でルート開拓に行くことにした。
ぶら下がって鋭利な工具を使うため、安全を考え一人。といえば聞こえがよいが・・・・
三つ子ハングに一人で取り付くのは今回で3度目。
開拓は遅々として進まない。理由は南面のため、クラックに多くの草木が詰まっているからである。加えて、夏は暑くて取り付けないの
である。
結果が伴わないと、当然、気分はのってこない。そして、内なる声が聞こえてくる。残り少ない時間。こんなことをしてる場合だろうか
と。ボルダーやショートルートのほうが楽だし、楽しいんじゃないかと。ろくにクライミングをやっておらず、持久力、パワー共に落ち
に落ちているこの頃にだけに、その声は当然大きくなる。その反面、開拓は今しかできないという思いもある。別に焦りはないのだが。
どちらに傾くかは天秤任せ。一人のときは前の日に決めたりする。その天秤、最近、きわめてその振りが鈍くなってきたような気がする。
そんなことを道中に考えながら比叡の駐車場に着くとクライマーは誰も来てはいない。紅葉シーズンの秋晴れの日に誰もいないのは不思
議な気もするが、週半ばの祝日が影響しているのだろうか。開拓に入る身にとってはそれは良い事ではあるが。一人で壁に取り付いてい
る姿はあまり見られたくはない。

車を降りると休憩を取る間も惜しんで準備にかかる。
一人のため、アプローチを考え最小の道具をザックに詰めたが60Lのザックにやっと入るほど。担ぐと肩に食い込む。
歩くこと牛歩以下。�峰奥壁取付まで30分。上部の稜線まではおよそ1時間10分かかった。


作りかけたいるルートは右上したクラックのラインと真ん中の直上ライン。

早めの昼食後、懸垂でぶら下がり、終了点直下からクラックの掘り出しにかかったが、びっしりと木の根が張り付いており、時間がかかる。
鋸、鍬、アイスハンマーをとっかえひっかえひたすら掘るも埒が明かない。3mほど掘ったところで、強力な助っ人と工具の必要を感じ、
今日のところはこれまでと諦めることにした。
そして、前回途中まで見た直登のラインを見るために懸垂で下ってみた。


掘り出したクラック。まだほんの一部だ。


下はこんな状況。先が思いやられる。


こちらは直登ライン。垂直に近いだけに大きな木はないが
それでも処理に時間がかかりそう。

前回、絶望的だと思っていた二つ目の凹角状のルーフまで下りてじっくり観察すると、可能性を見出すことが出来た。しかし、かなり悪い
のは確か。


コーナーのルーフ。右の壁にスメアを利かせられそうだが、
微妙なムーブを強いられそうだ。


出口近くに小さなカムをかませられるが、
その下はクラックはない。

少しは気をよくして、さらに下がり、取り付きのルーフまで行くと、そのルーフは3m近く張り出しており、クラックは走っていない。中
間部になんとかカムをかませられるリスがあるだけである。ほぼ絶望的に思われる。


取り付きのルーフ。上がったところが垂直の凹角
やってみなければ分からないが、可能性は極めて低い。

ルーフを2段下がった場所は当然、空中懸垂。これから開拓道具をぶら下げてのユマーリングをしなければならない。日が暮れるまでに稜線
にたどり着かなければと思うが、疲れもあって、思うようにスピードが乗ってこない。
2ピッチのユマーリングをこなして稜線に上がったのは5時半であった。すぐにザックに荷物を積め、ヘッドランプを点けて歩き出したが、
稜線上の道は自然に還っていて獣道の様相。行きつ戻りつしながら帰りは1時間を越える行程となった。


あくる朝。
疲れから逆に良く眠れなかった。そして、肩、腰、足が重く、しばらくは四つんばいになったまま床から離れることができず、そのままの
姿勢でいると、その重みがそっくり片方の天秤に加わったのを自覚した。
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