本日は八ヶ岳の最高峰、 赤岳に登ってきました。
「八ヶ岳」
八峰と称されるものを挙げれば、西岳、編笠岳、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰ノ待目。
そのうち、阿弥陀岳、赤岳、横岳あたりが中枢で、いずれも二千八百mを抜いている。二千八百mという標高は、
富士山と日本アルプス以外には、ここしかない。
深田久弥 「日本百名山」 より引用抜粋。
----------------------------------------
6/25(金)
自宅~R407~R140~雁坂峠~R20(甲府過ぎ~茅野~原村~赤岳山荘。
もうこの道は何回通っただろう。夜中走る雁坂峠周辺は鹿の飛び出しに注意が必要。
甲府から先の道もバイク時から知った道。遠回りする高速は使わず、直線的に諏訪
まで伸びるR20で茅野まで走った。 (夜中はス~イスイ♪)
6/26(土)
登山口は諏訪南ICから原村ペンション街を過ぎ、八ヶ岳別荘地奥の
美濃戸口(みのとぐち)から登ります。 ここまで行く道は、ガタガタ道の
超悪路。 地上高は低い普通車は下を擦ってしまい大変な道です。
1:00 赤岳山荘駐車場着、 即仮眠。
(真っ暗なデコボコ林道は正直怖かった。 ヌプントムラウシ林道に似ていた)
3:30 起床、軽食、ストレッチ。 (周辺が薄明るくなるまでしばし待機)
4:10 出発。
<ルート>
登り・・ 赤岳山荘P~南沢コース~行者小屋~文三郎尾根~赤岳直登~赤岳頂上。
下り・・ 赤岳~赤岳展望荘~地蔵の頭~地蔵尾根~行者小屋~南沢~赤岳山荘P。
----------------------------------------
赤岳山荘Pから数分で美濃戸山荘着。 ここからルートは北沢と南沢に分かれる。
自分は今日登るルートから判断し南沢ルートを選んだ。
正面が赤岳。(暗くてわかりずらいね) いくつか川を渡る。(滑って落ちないよう慎重に)

“南沢” だけあって、コースはほぼ沢の左右(時には沢中)を登っていく。(斜里岳と似ている)
登山道は溶岩が突出した道で歩幅が合わず、しかも大きな岩を乗っ越す時もあり変化に富む。
大水時?の倒木が沢を堰き止め至る所が小ダムのようになっている。そんな所を歩いていく。(大雨時は危険?)
溶岩道。 僕もケルンを積んだ、一番上の石。 可愛いっしょ。(笑)

コース上は赤テープと黄テープが乱立し、ちょっと分かりずらくなっている。 案内板には、
「黄テープを追うように」 と書かれてあった。確かに赤テープは森の奥へと続き、 およそ
登山道とは違う雰囲気の方へと向かっていた。 森で作業する人たちが付けた目印だろう。
こういうテープはよくある話。 悪天候時や疲れている時などは要注意である。
これが道迷い遭難の第一歩で、 知らず知らずのうちに迷い込む。
本人はちゃんとテープを追っているからその時は間違いだとは思っていない、 そこが怖いところ。
なのでこの周辺は特にケルンが多かった。 そこで自分も可愛いいケルンを積んだのだ。
(この小さなケルンが下りの時の心の癒しになろうとは、この時は知るよしもなし)
沢をどんどん登り、 時には酸素いっぱいで気持のいい林間を歩きやっと行者小屋へ。
行者小屋着。 (左の突端が有名な大同心と小同心でクライマーたちの修業の大岩) 正面には赤岳の雄姿。

天気は曇天。 ここ八ヶ岳は人気の山で登山者でいっぱいになると聞いていたがこの天気、
小屋回りには自分を含め3人だけだった。 テントは3張りだけでまだ寝ているのか静かだった。
これから登る、“文三郎尾根” を見上げる。 赤岳何面のそれは、両側がスッパリ切れ落ち、
そして見るからに急登の様相が見て取れる。 あそこ登れるのかなー って感じ。。
文三郎尾根ズーム。 尾根から振り返ると下に行者小屋。

小屋でしばし休憩し尾根アタック。 しばらく行く森林限界になり急梯子が出てくる。
一番下の梯子から下を撮った写真が上の写真。 小さく行者小屋が見える。
この辺からルンルン気分は消え、アドレナリンが沸々と湧いてくる。 と同時に雨が・・
急梯子。 (これが無かったら登れまい) 梯子が無い場所は鎖。

小雨で足元は滑るしザレた小石が多く、体重の乗せ方次第でザザーっと滑ってしまう。
今日のこの天気、 雨天時のリスクマジメント強化にはもってこい。 (なんちってー)
尾根幅は4mくらい?その両脇は崖。 そして周辺は赤岳南面の赤黒い壁が遥か下まで
ズーッと続いていて、 見ていると吸い込まれそうになる。 「怖えーー」 て感じ。
やっと稜線へ。 遥か下には行者小屋。(大同心、小大同心も入れたんだよ)

この稜線に上がった瞬間、 東側(清里方面)からもの凄い風、そして横殴りの雨。 「ヤバッ!」 正直ビビッタ。
耐風姿勢、 レインスーツのチャック全閉め、帽子の紐をグッと縛り直し、、 あらゆる風雨対策をとった。
ここから赤岳直登取り付きまで、しばし低姿勢で歩いて行く。 右側の清里景色は綺麗だった。
赤岳直登取り付き直下着。 (早口で言ってみて(笑)) ゲッ! ここ登るの??
「赤岳核心部」
事前にネットで調べておいた。 (山行時はできる限りその山のコース等情報を得ておく)
ここが核心部なんだ。 鎖、 幅の狭い登山道、 大岩乗越し、 背中に吹き付ける強風。
登り始める前にコースを全体的に捉えじっくり観察した。 そして深呼吸してスタート。
すれ違った登山者。(いいモデルになってもらった) ここは右はじの鎖に手が届かず、壁をよじ登った。

稜線分岐(左赤岳、右権現岳)までもう少し。 振り返れば遥か彼方の雲海に “彼” の頭が。

写真だと高度感がイマイチ伝わらないが、 取り付き場所からここ分岐まで背中はズーッと
何か寒いものを感じつつ登っていた。 (振り向くとスーッと吸い込まれそうなほどの高度感)
鎖から手を離した瞬間、 足を一歩でもズルッとした瞬間、 ハイ、おさらば。
しかも今は強風&背中を叩く雨。 今日はアメダス予報は当っていた。
そしてこちら、 赤岳南面の直登コースは全~部、 カベダスでした。
やっと頂上が見えてきた。 頂上から見た清里、そして遠くに金峰山方面。

8:10 赤岳制覇!! 360度絶景。 貸切。 (雨はポツポツ程度だが強風吹きすさぶ、 寒みー)
ここの頂上は狭く、しかも足元は切り立った崖のため怖かった。 風が当らない場所まで早々に下りた。

頂上直下に建つ赤岳頂上小屋。 これから下るコース。 鞍部には赤岳展望荘が・・

下に見える稜線下りは緊張した。 風に飛ばされ少しでも左にヨロけると・・
こういう場所は下りる前に十分観察し、不測の事態を予測し安全をイメージしてから下りる。

数分後、鞍部はガスで見えなくなった。 急斜面を下る自分と登って来る人。

この人は行者小屋で見かけた方。 文三郎尾根と反対側の地蔵尾根を登ってきた。 急斜面に立ち止まり、
これからお互いが行くであろうコースの情報交換をする。 行者小屋で僕のことを見ていたと。
こういう天候の下、 およそ周囲数百メートル以内、 他に人の気配は無いこの危険な急斜面での立ち話。
お互い緊張しっぱなしだったろう。 「すごくホッとできた瞬間」
雨でぬれた岩は滑り易い、 なのでこの急下りは特に慎重に下りた。 (いろいろなサイトに載っている)
尾根の右側が清里方面。 そして左側はスッパリ切れ落ちた崖。 あの狭い尾根筋を歩いていく。
赤岳展望荘が近づいてきた。 ふう。。 やっとここまで下りてきた。

サイトで良く見る光景、赤岳展望荘の風力発電。 小屋の軒下で雨に打たれながらおにぎりを頬張る。

小屋に着く前から風雨が強くなってきた。 体力の消耗を防ぐため、風を避けられる場所で
昨夜スーパーで買った50円引きのおにぎりを黙々と食べる。
そのおにぎりは雨に濡れ、 手には海苔が付き、、 悪天候でしかもこういうシチュエイションで
食べるおにぎりは・・ これ、本当に命をつなぐ食べ物って感じ。 「食わなきゃ無事に帰れない」
“地蔵の頭” 着。 登山者を見守るお地蔵様。

ここ地蔵の頭でしばし思案検討。
このまま横岳~硫黄岳まで縦走し、赤岳鉱泉へ下りそして行者小屋まで行くかどうか。
大体これが八ヶ岳の大縦走と言われているコースで、 およそ9時間の行程。
どうしようかと悩んでいた矢先下の光景を見てしまった。 あの狭く急峻な尾根を下りてくる人を・・。
ガスに浮かぶ横岳の尾根。 尾根ズーム・・ 下って来る登山者。

出した答えは、、 「この天候、今の僕にはあそこを越えるのは無理だ、 今日は止めよう、 また次の機会にしよう」
そしてここ、 地蔵の頭から下りることにした。 当然、 お地蔵様に安全祈願をして。。
地蔵の頭からの下りの最初の一歩。 こ、怖い。 コース途中のお地蔵様と登山者。

この悪天候でも登って来る人たちもいる。 きっと小屋泊だろう。
地蔵尾根の核心部。 足元ツルツル、 滑り落ちたら終わり、 鎖は絶対手離さない。

いくつかの垂直階段を下れば樹林地帯に入る、 ここまで来て初めてホッとした。 程なくして行者小屋着。
“生ビールセット” (おでんと生ビール) これ見て今までの緊張が切れた。 「現実の世界に戻って来られた」 と。

河原から大同心に別れを告げた。 誰が乗せたか、僕が積んだケルンの上に一際小さい石が乗っていた。

直径2cmくらいの小石。 これ見て微笑んだ。 いやあ、、 ホント癒されました。。
背中にテント背負って黙々と登る団体さん。 12時ちょうど、 赤岳山荘着。

「よく頑張りました。 お疲れさま~ 」 全行程8時間。(休憩1時間)
クルマに戻り体を拭き軽くストレッチ。 赤岳山荘に駐車場代1,000円払い悪路をトコトコ下り美濃戸口へ向かった。

------------------------------------
登り終えて・・
今回の山行は木曜あたりから気が乗ってきていた。 先週の土日、ジムで徹底的に足腰を鍛えていた。
そんなこともあり早く登りたかったのだ。 それと、天候は日々チェックをしていて、午前中は小雨と。
よし、行こう、登ろう。 そして今回は雨時のリスクマネジメントを学ぼうと。
行者小屋からの文三郎尾根の登り、そして壁直登、頂上と地蔵の急峻な下り。
体はキツカッタが気は冴えていた。 それが実感できた。 何だか一皮剥けた感じがした。
でも危険とは隣合わせ。 これに驕ることなく次につなげていこう。
~ 雨の登山も静かでいいもんだ ~
------------------------------------
(帰り) 八ヶ岳横断道路(VF750F以来) ~ R141 ~ 佐久ICから高速で帰宅。
16:00 無事帰着。 風呂、 ビール晩飯、 即寝。
そのため夜中3時に目覚めてしまった。 これって、、 山時間なんじゃ・・??
そしてそのまま起きていて、 9時から開くジムでたっぷり4時間リハビリしてきました。 (^^;
お ・ し ・ ま ・ い。
PS : ドイツ VS イングランドが終わった。 ドイツの中ではどいつが強いんだ?? さて、 寝よう。。
「八ヶ岳」
八峰と称されるものを挙げれば、西岳、編笠岳、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰ノ待目。
そのうち、阿弥陀岳、赤岳、横岳あたりが中枢で、いずれも二千八百mを抜いている。二千八百mという標高は、
富士山と日本アルプス以外には、ここしかない。
深田久弥 「日本百名山」 より引用抜粋。
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6/25(金)
自宅~R407~R140~雁坂峠~R20(甲府過ぎ~茅野~原村~赤岳山荘。
もうこの道は何回通っただろう。夜中走る雁坂峠周辺は鹿の飛び出しに注意が必要。
甲府から先の道もバイク時から知った道。遠回りする高速は使わず、直線的に諏訪
まで伸びるR20で茅野まで走った。 (夜中はス~イスイ♪)
6/26(土)
登山口は諏訪南ICから原村ペンション街を過ぎ、八ヶ岳別荘地奥の
美濃戸口(みのとぐち)から登ります。 ここまで行く道は、ガタガタ道の
超悪路。 地上高は低い普通車は下を擦ってしまい大変な道です。
1:00 赤岳山荘駐車場着、 即仮眠。
(真っ暗なデコボコ林道は正直怖かった。 ヌプントムラウシ林道に似ていた)
3:30 起床、軽食、ストレッチ。 (周辺が薄明るくなるまでしばし待機)
4:10 出発。
<ルート>
登り・・ 赤岳山荘P~南沢コース~行者小屋~文三郎尾根~赤岳直登~赤岳頂上。
下り・・ 赤岳~赤岳展望荘~地蔵の頭~地蔵尾根~行者小屋~南沢~赤岳山荘P。
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赤岳山荘Pから数分で美濃戸山荘着。 ここからルートは北沢と南沢に分かれる。
自分は今日登るルートから判断し南沢ルートを選んだ。
正面が赤岳。(暗くてわかりずらいね) いくつか川を渡る。(滑って落ちないよう慎重に)


“南沢” だけあって、コースはほぼ沢の左右(時には沢中)を登っていく。(斜里岳と似ている)
登山道は溶岩が突出した道で歩幅が合わず、しかも大きな岩を乗っ越す時もあり変化に富む。
大水時?の倒木が沢を堰き止め至る所が小ダムのようになっている。そんな所を歩いていく。(大雨時は危険?)
溶岩道。 僕もケルンを積んだ、一番上の石。 可愛いっしょ。(笑)


コース上は赤テープと黄テープが乱立し、ちょっと分かりずらくなっている。 案内板には、
「黄テープを追うように」 と書かれてあった。確かに赤テープは森の奥へと続き、 およそ
登山道とは違う雰囲気の方へと向かっていた。 森で作業する人たちが付けた目印だろう。
こういうテープはよくある話。 悪天候時や疲れている時などは要注意である。
これが道迷い遭難の第一歩で、 知らず知らずのうちに迷い込む。
本人はちゃんとテープを追っているからその時は間違いだとは思っていない、 そこが怖いところ。
なのでこの周辺は特にケルンが多かった。 そこで自分も可愛いいケルンを積んだのだ。
(この小さなケルンが下りの時の心の癒しになろうとは、この時は知るよしもなし)
沢をどんどん登り、 時には酸素いっぱいで気持のいい林間を歩きやっと行者小屋へ。
行者小屋着。 (左の突端が有名な大同心と小同心でクライマーたちの修業の大岩) 正面には赤岳の雄姿。


天気は曇天。 ここ八ヶ岳は人気の山で登山者でいっぱいになると聞いていたがこの天気、
小屋回りには自分を含め3人だけだった。 テントは3張りだけでまだ寝ているのか静かだった。
これから登る、“文三郎尾根” を見上げる。 赤岳何面のそれは、両側がスッパリ切れ落ち、
そして見るからに急登の様相が見て取れる。 あそこ登れるのかなー って感じ。。
文三郎尾根ズーム。 尾根から振り返ると下に行者小屋。


小屋でしばし休憩し尾根アタック。 しばらく行く森林限界になり急梯子が出てくる。
一番下の梯子から下を撮った写真が上の写真。 小さく行者小屋が見える。
この辺からルンルン気分は消え、アドレナリンが沸々と湧いてくる。 と同時に雨が・・
急梯子。 (これが無かったら登れまい) 梯子が無い場所は鎖。


小雨で足元は滑るしザレた小石が多く、体重の乗せ方次第でザザーっと滑ってしまう。
今日のこの天気、 雨天時のリスクマジメント強化にはもってこい。 (なんちってー)
尾根幅は4mくらい?その両脇は崖。 そして周辺は赤岳南面の赤黒い壁が遥か下まで
ズーッと続いていて、 見ていると吸い込まれそうになる。 「怖えーー」 て感じ。
やっと稜線へ。 遥か下には行者小屋。(大同心、小大同心も入れたんだよ)


この稜線に上がった瞬間、 東側(清里方面)からもの凄い風、そして横殴りの雨。 「ヤバッ!」 正直ビビッタ。
耐風姿勢、 レインスーツのチャック全閉め、帽子の紐をグッと縛り直し、、 あらゆる風雨対策をとった。
ここから赤岳直登取り付きまで、しばし低姿勢で歩いて行く。 右側の清里景色は綺麗だった。
赤岳直登取り付き直下着。 (早口で言ってみて(笑)) ゲッ! ここ登るの??


「赤岳核心部」
事前にネットで調べておいた。 (山行時はできる限りその山のコース等情報を得ておく)
ここが核心部なんだ。 鎖、 幅の狭い登山道、 大岩乗越し、 背中に吹き付ける強風。
登り始める前にコースを全体的に捉えじっくり観察した。 そして深呼吸してスタート。
すれ違った登山者。(いいモデルになってもらった) ここは右はじの鎖に手が届かず、壁をよじ登った。


稜線分岐(左赤岳、右権現岳)までもう少し。 振り返れば遥か彼方の雲海に “彼” の頭が。


写真だと高度感がイマイチ伝わらないが、 取り付き場所からここ分岐まで背中はズーッと
何か寒いものを感じつつ登っていた。 (振り向くとスーッと吸い込まれそうなほどの高度感)
鎖から手を離した瞬間、 足を一歩でもズルッとした瞬間、 ハイ、おさらば。
しかも今は強風&背中を叩く雨。 今日はアメダス予報は当っていた。
そしてこちら、 赤岳南面の直登コースは全~部、 カベダスでした。
やっと頂上が見えてきた。 頂上から見た清里、そして遠くに金峰山方面。


8:10 赤岳制覇!! 360度絶景。 貸切。 (雨はポツポツ程度だが強風吹きすさぶ、 寒みー)
ここの頂上は狭く、しかも足元は切り立った崖のため怖かった。 風が当らない場所まで早々に下りた。

頂上直下に建つ赤岳頂上小屋。 これから下るコース。 鞍部には赤岳展望荘が・・


下に見える稜線下りは緊張した。 風に飛ばされ少しでも左にヨロけると・・
こういう場所は下りる前に十分観察し、不測の事態を予測し安全をイメージしてから下りる。

数分後、鞍部はガスで見えなくなった。 急斜面を下る自分と登って来る人。


この人は行者小屋で見かけた方。 文三郎尾根と反対側の地蔵尾根を登ってきた。 急斜面に立ち止まり、
これからお互いが行くであろうコースの情報交換をする。 行者小屋で僕のことを見ていたと。
こういう天候の下、 およそ周囲数百メートル以内、 他に人の気配は無いこの危険な急斜面での立ち話。
お互い緊張しっぱなしだったろう。 「すごくホッとできた瞬間」
雨でぬれた岩は滑り易い、 なのでこの急下りは特に慎重に下りた。 (いろいろなサイトに載っている)
尾根の右側が清里方面。 そして左側はスッパリ切れ落ちた崖。 あの狭い尾根筋を歩いていく。
赤岳展望荘が近づいてきた。 ふう。。 やっとここまで下りてきた。


サイトで良く見る光景、赤岳展望荘の風力発電。 小屋の軒下で雨に打たれながらおにぎりを頬張る。


小屋に着く前から風雨が強くなってきた。 体力の消耗を防ぐため、風を避けられる場所で
昨夜スーパーで買った50円引きのおにぎりを黙々と食べる。
そのおにぎりは雨に濡れ、 手には海苔が付き、、 悪天候でしかもこういうシチュエイションで
食べるおにぎりは・・ これ、本当に命をつなぐ食べ物って感じ。 「食わなきゃ無事に帰れない」
“地蔵の頭” 着。 登山者を見守るお地蔵様。


ここ地蔵の頭でしばし思案検討。
このまま横岳~硫黄岳まで縦走し、赤岳鉱泉へ下りそして行者小屋まで行くかどうか。
大体これが八ヶ岳の大縦走と言われているコースで、 およそ9時間の行程。
どうしようかと悩んでいた矢先下の光景を見てしまった。 あの狭く急峻な尾根を下りてくる人を・・。
ガスに浮かぶ横岳の尾根。 尾根ズーム・・ 下って来る登山者。


出した答えは、、 「この天候、今の僕にはあそこを越えるのは無理だ、 今日は止めよう、 また次の機会にしよう」
そしてここ、 地蔵の頭から下りることにした。 当然、 お地蔵様に安全祈願をして。。
地蔵の頭からの下りの最初の一歩。 こ、怖い。 コース途中のお地蔵様と登山者。


この悪天候でも登って来る人たちもいる。 きっと小屋泊だろう。
地蔵尾根の核心部。 足元ツルツル、 滑り落ちたら終わり、 鎖は絶対手離さない。

いくつかの垂直階段を下れば樹林地帯に入る、 ここまで来て初めてホッとした。 程なくして行者小屋着。
“生ビールセット” (おでんと生ビール) これ見て今までの緊張が切れた。 「現実の世界に戻って来られた」 と。


河原から大同心に別れを告げた。 誰が乗せたか、僕が積んだケルンの上に一際小さい石が乗っていた。


直径2cmくらいの小石。 これ見て微笑んだ。 いやあ、、 ホント癒されました。。
背中にテント背負って黙々と登る団体さん。 12時ちょうど、 赤岳山荘着。


「よく頑張りました。 お疲れさま~ 」 全行程8時間。(休憩1時間)
クルマに戻り体を拭き軽くストレッチ。 赤岳山荘に駐車場代1,000円払い悪路をトコトコ下り美濃戸口へ向かった。

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登り終えて・・
今回の山行は木曜あたりから気が乗ってきていた。 先週の土日、ジムで徹底的に足腰を鍛えていた。
そんなこともあり早く登りたかったのだ。 それと、天候は日々チェックをしていて、午前中は小雨と。
よし、行こう、登ろう。 そして今回は雨時のリスクマネジメントを学ぼうと。
行者小屋からの文三郎尾根の登り、そして壁直登、頂上と地蔵の急峻な下り。
体はキツカッタが気は冴えていた。 それが実感できた。 何だか一皮剥けた感じがした。
でも危険とは隣合わせ。 これに驕ることなく次につなげていこう。
~ 雨の登山も静かでいいもんだ ~
------------------------------------
(帰り) 八ヶ岳横断道路(VF750F以来) ~ R141 ~ 佐久ICから高速で帰宅。
16:00 無事帰着。 風呂、 ビール晩飯、 即寝。
そのため夜中3時に目覚めてしまった。 これって、、 山時間なんじゃ・・??
そしてそのまま起きていて、 9時から開くジムでたっぷり4時間リハビリしてきました。 (^^;
お ・ し ・ ま ・ い。
PS : ドイツ VS イングランドが終わった。 ドイツの中ではどいつが強いんだ?? さて、 寝よう。。