中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

MRI検査

2008-08-06 08:54:46 | 身辺雑記
 このところ歩いているうちに右脚が痺れをかいたようになり、足の裏がちくちくしてくる。しばらくすると収まるのだが、どうも気持ちが悪い。

 かかりつけのY医師に相談すると、坐骨神経痛ではないか、MRI検査をしてはどうかということで、設備のあるNクリニックに紹介状を書いてもらった。MRIとは核磁気共鳴画像法というもので、磁場と電波を用いて体内の画像を撮影する装置または、それを用いる検査をさす。聞いてはいたが、これまで受検したことはなかった。

 Nクリニックの検査室に入るとベッドがあり、その端に直径1メートル以上の空飛ぶ円盤のような形をしたものが金属の柱で支えられている。前に何かで見た写真とはかなり違ってスマートだ。前に見たものはトンネル型のもので、かなり窮屈そうな感じがした。私が入ったのはオープン型である。強力な磁場が発生する装置のようで、金属類は一切持ち込めない。

 トンネル型   オープン型

 装置の方に頭を向けて仰向けになると手足がゆるく固定され、ベッドは装置の下に移動する。装置は目と鼻の先にある。トンネル型は閉所恐怖症の人や小児には恐怖を誘うようで、しかも検査は比較的長く時間がかかるから、検査途中で逃げ出すこともあるそうだ。その点オープン型は両側が開いているので息苦しい感じはしない。検査中はかなりの音がして耳栓をすることもあったようだが、私が入った装置では、さまざまな音はしたが、うるさいものではなかった。ただ、汗をかいた後で顔の皮膚がかゆかったが、腕が固定されているので掻けないのがちょっと厄介に思った。

 検査は40分ほどですみ、しばらく待ってから診察室に入った、医師の前には既に私の脊椎の断層画像が貼られていて医師がそれを見ていた。私が座ると医師は指示棒で脊柱の下の方の小さな黒ずんだ楕円形の部分を指して、「これは前立腺癌が転移したものかも知れない」とあっさりと言ったので少々面食らった。「痛みますか」、「いえ、痛みはまったくありませんが」、「では違うのかな」、こんな遣り取りをした後で、医師は指示棒であちこちを指しながら、ここは神経がはみ出したヘルニア、これはすり減った椎間板などと教えてくれた。他にもいくつか黒ずんだ部分があったが、特にコメントはなかった。それで終って退出し、受付で紹介状への返事と、写真を受け取って帰った。前立腺癌なのかということは別に気にならなかった。

 Y医師のもとに行き、返書と写真を見せ、前立腺癌云々のことを伝えた。Y医師は写真を見ながら「そうかなあ」と首を傾げた。他にもある黒ずんだものは何らかの傷ができたのだが、周囲が白くなっているので修復されているとのことだった。N医師の文書には「前立腺癌の疑いのないことを確認してください」とあったようで、検査しますかと聞かれた。もちろんすると答えると、血液検査だけでいいということで、すぐに済ませたが、ずいぶん簡単なものだと思った。

 1週間後に検査結果を聞いた。検査はPSA(前立腺特異抗原)と言うものを調べたとのことだが、その値が4以下であるのが標準で、私の場合は1.3で問題なしと言うことだった。たぶん異常はないだろうと思っていたから、格別ほっとしたということもなかった。ただ脚の痺れは気になるから原因を尋ねたら、脊柱管狭窄があり、そこからくる坐骨神経痛が原因だろうと言うことで、薬の服用で治すしかないようだから、当分は辛抱しなければならない。

 初めてのMRI検査で特に問題はなかったが、その結果見たこれも初めての自分の脊椎の様子は、あちこちに傷みや変形があって、まさにボロ船の傷んだ竜骨のようなものだった。建造以来75年の老朽船、いずれはあちこちで故障が起こるだろうが、まあ仕方がないかと思う。

            インタネットより