中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

四十男

2009-08-06 09:42:04 | 身辺雑記
 公道で車を横滑りさせるドリフト走行というのがある。先だって姫路で深夜に無免許運転でドリフト走行をしていた16歳の少年が、見物していた女子中学生をはねて死なせたという事件があったが、かなり危険なものらしい。

 東京大田区東海の大井埠頭(ふとう)周辺を、乗用車4台でドリフト走行したことで警視庁はグループのリーダーの男ら男女19人を逮捕するなど計84人を摘発した。このグループは「フラッグ」と言い、深夜に見学者も含め約200人、乗用車132台が集る中、ドリフト走行をして見せたという。

 グループのリーダーは40歳の会社員で、今年1月に「フラッグ」を結成し「ドリフト族の大御所」として知られていたそうだ。「おれが一声かければ、600人ぐらいは集まる」と豪語し、「いくら捕まっても公道でまた走る」と話しているという。まったく懲りない奴と言うか、おそらくこれからもまた同じ行為をしでかすだろうが、こういうどうしようもない輩には、米国の一部の州にあるような、前科2犯であれば、3度目は終身刑または通常より重い刑を科すという「三振法」のように、事を起こすごとに刑を加重していくことはできないものかと思ってしまう。

 東京港区新橋で、78歳の女性が住宅に侵入した男に刺殺され、21歳の孫娘も刺されて意識不明の重体となった。逮捕されたのは41歳の男で、「(孫娘の女性に)交際を断られ、腹が立ったので、殺そうと思った」と供述しているという。この女性は都内の「耳かき店」に勤めていたが、この男はこの店を頻繁に訪れ、女性を指名していた。月に30~40万円も使っていたという。耳かき店というのは寡聞にして知らなかった。今年4月ごろ、「これだけ通っているのだから付き合って」と交際を求めたが、女性は断り、店側もこの男の店への出入りを禁じた。その後付きまといが始まり、携帯電話に何回か嫌がらせのメールも届いたという。やがて「愛情」は憎しみに変わって犯行に及んだようだ。40を過ぎた男の20歳も年下の女性に対する感情と行為は理解しがたいものがある。

 ドリフト族のリーダーの男は40歳、新橋の凶行の男は41歳で、先月大阪のパチンコ店に放火して死傷者を出した事件を引き起こした男も41歳だった。皆がみなそうではないことは分かるが、今時の四十男とはこんなものかと改めて考えさせられてしまう。近頃の40歳と言えば、若者からは「オヤジ」、「オッサン」と呼ばれる年齢だ。昔のように「四十而不惑」は無理であっても、少なくともそれなりに分別ができてもよい年齢だ。いったいどういう育ちをして来たのか、どういう精神構造になっているのかと思う。

 先日喫茶店で休んでいたとき、少し離れた席に40代の肥満した男性がいたが、菓子パンを頬張りながらコミック雑誌に読みふけっているその様子は、コミックをどうこう言うわけではないが、何かわびしさを感じさせるものだった。総じて精神的には未熟な、大人になりきれない四十男が増えているのだろうか。