中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

いやはや

2009-08-20 11:01:00 | 身辺雑記
 行きつけの理髪店で散髪をしながらテレビを見ていると、ちょうど人気番組をやっていた。ベテランの漫才師と女性タレントのペアがホストになって、新婚間もない夫婦をゲストにして話を聞く、と言うよりも巧妙な話術で話を引き出すというものだ。

 2組の若い夫婦が出ていたが、どちらも夫がおとなしい感じで、妻のほうがよく喋っていた。驚いたのはその内容で、どちらの妻も現在の夫との結婚前の「初体験」を実にあっけらかんと照れもせず披露したことだった。それをここで紹介するのははばかられるが、公開番組で聴衆もいるのによくここまで言うものだと呆れるやら感心するやらで、頭を刈ってくれている主人と「よく言うなあ」と苦笑してしまった。

 昔なら、若者同士の猥談ならともかく、人前で自分達の性に関することを話すことは顰蹙を買うことだった。まして若い女性がこんなことを広く不特定多数の者に「披露」するなど考えられなかったことだ。会場には笑い声が絶えず、特にきわどい話になると爆笑が起こる。それも比較的若い女性の声が多かったようだ。旧弊なことを言うようだがとんでもない時代になったものだと思った。

 性の問題がもはやタブーでないことは分かるし、単に言葉の上の問題だけでなく「実践的」なものになっているらしいことも知っている。私の知っている未婚の若い女性はこれまでに何人もの男性との「体験」があり、同棲経験もあるが、結婚前に体験しておくことは必要なことだとまで言っていた。そして、今頃の若い女の子は皆結婚前に体験していますよとも言った。いくら何でも皆ということはないだろうと言ったのだが、絶対そうだと譲らなかった。

 ある女性の知人には未婚の娘がいるが、娘の交際相手との性体験のことで、ごく微妙なことまで親子で話し合ったことがあるそうだ。その娘にも会ったことはあるが、おとなしそうな普通の女性で、改めて「今頃の若い女の子は皆体験していますよ」という話を思い出して、やはりそうなのかと思い、最近の母親と娘との間ではそういう話題もタブーではないのかと、妙に感心したことだった。

 このようなことだから、貞操観がどうの純潔がどうのなどと言うと、老人が今さら何を言っている、時代遅れだ、化石だ、墓石だ、世の中は進んでいるのだと嗤われそうだが、悲しいかな、さほど道徳的でない私もとても付いていけない。ただただ「いやはや」と首を振るだけだ。それにしてもいつ頃からこのような風潮になったのだろう。蟷螂の斧かも知れないが、せめて孫達はそうであってほしくないと思う。