中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

老いる(3)

2009-08-10 10:11:13 | 身辺雑記
 腹を立てないと言っても、「怒り」は忘れてはいけないと思う。今の世の中、不条理な事や理不尽な事がまかり通っていることは少なくない。そのようなことに怒りを感じなくなっては人間としての値打ちを失うことになる。

 だが、肩肘張っていきり立つのは止めよう。「まだまだやれるぞ」とばかり頑張るのはどこかで無理をしている。それは老いることへの抵抗、焦りに起因しているとも言えるのではないか。さりとて、徒に年をとったと嘆き、溜息をつくことは後ろ向きで停滞した生き方だ。あるがままに自然体で行くのがよいと思う。明日は今日よりも更に老いを重ねるのだが、明日には明日の風が吹くのだ。

 日本でも皆既日食が見られた。46年ぶりだそうだ。その頃、私は30歳だったが、どこで皆既日食があったのかは覚えていない。次に見られるのは26年後だと言うから、そのときには100歳を越すことになるから到底見ることはできない。人間の一生などは儚いものだ。宇宙の悠久の時の流れに一瞬だけ身を置いているに過ぎない。

 妻が逝ってから、死ということに淡白になった。人はいずれ死ぬ。妻と偕老同穴の楽しみは果たせなかったが、それも運命だ。残る人生はどれほどあるのか見当はつかないが、さして長くはないだろう。いつ死んでもよいというほどの覚悟はできていないが、与えられる残りの生はせいぜい楽しもう。