中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

十六夜の月

2009-10-05 09:22:33 | 身辺雑記
10月4日
 昨夜はあいにく曇り空で中秋の名月は見られなかった。今日は朝から快晴だったので、1日遅れの十六夜(いざよい)の月を眺めた。

 十六夜の月は陰暦16日の月で、今夜は陰暦8月16日に当たる。「いざよい」は「ためらい」の意で、16日の月は15日に比べると50分ほど遅く顔を出すことから名づけられた。もっとも十五夜と言っても、真の満月(月齢15)は今朝の午前3時40分頃だった。今夜8時ごろ見た月は月齢が15.7くらいだから、ちょっと見では満月と変わらない。



 明日、陰暦17日の月は立待月(たちまちづき)。日没後に立って待つことから名づけられている。明後日は座って待っているうちに昇ってくるところから居待月(居待ち月)。その次の夜は寝ながら月の出を待つ寝待月(ねまちづき)。そして、陰暦二十日(10月8日)の月は夜更けに登ってくる月で更待月(ふけまちづき)と言う。この頃になると月もだいぶ欠けてくるし、わざわざ起きていて待つこともないだろう。それにしても昔の人は、満月だけでなく、その後もいろいろと月を愛で、楽しんだようだ。やはり中秋名月の余韻を懐かしんだのだろう。満月はもちろん月を楽しむのは、小庭に面した縁側のある座敷だったのだろうと想像するのだが、私にも幼い頃にそのような経験がある。あの頃の満月は本当に明るかった。

 中国では陰暦8月15日は中秋節で、新しく国の休日になった。この日の前から人々は月餅を贈り合う。地方によっていろいろな月餅があるようで、日本でよく売られているものは広東風だと言う。薄い皮の中に甘い餡が入っていて、広東風の餡は非常に種類が多いようだ。中には中心部に小さな茹でた卵黄が入っているものもあり、切ると満月のように見えるのが風情があって面白い。昨年、西安の謝俊麗が送ってくれた月餅は皮がパイ風のものであったり、餡も小豆餡以外にさまざまな種類があったが、どれもおいしかった。