中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

アラカンの犯罪

2009-10-10 09:14:38 | 身辺雑記
 少し前のことになるが、埼玉県上尾市居酒屋で数人が男に包丁で刺され、店の経営者は死亡、4人の客も重軽傷を負った。刺したのは63歳の無職の男で、別の場所で酒を飲んで酔っていて、警察官が駆けつけたときには路上に横たわっていたという。

 容疑者は刺殺した経営者について「憎くてたまらなかった」と言っているらしい。2人の間にはどのような関係があったのか、どのようなトラブルがあったのかは不明だが、憎くてたまらなかったというのは、尋常ではない感情だろう。日ごろから鬱積したものがあり、それが酒を飲んで酔ったことで暴発したのだろうか。63歳と言えば毎月のように集まっているHr君やHg君達やその仲間とほぼ同じ年齢だが、彼らにはこの男のような行動の影もない。皆穏やかで明るい気さくな性格だ。

 それにしても、今時の60代は若いと言うか血の気がまだ残っていると言うか、時には若者顔負けのことをしでかすのはどうしたことか。60代と言えば、昔の童謡ではこのように歌われている。

 村の渡しの 船頭さんは
 今年六十の おじいさん
 年はとっても お船をこぐときは
 元気いっぱい 櫓がしなる
 それ ぎっちら ぎっちら ぎっちらこ

 この童謡は昭和16年、今から70年ほど昔のものだが、当時の60代、今時の言い方ではアラカン(アラウンド還暦)の世代はこのようなイメージ、年を取っていても、いざとなると若い者には負けない老練振りを見せる、そのように見られていたのだ。今は老人も若さが発揮できるような社会環境が整ってきて、60代即おじいさん、おばあさんと言うことはできないが、それでも還暦を過ぎた年齢にふさわしい思慮や分別、弁えがあってしかるべきだ。若さを発揮する場面が間違っているのではないかと思うことが少なくない。

 冒頭に挙げた63歳の男はこれまでどのような人生を送ってきたのか。おそらくこれからの10年くらいは刑務所暮らしになるのだろうが、人生の最後の生き方としてはあまりにも惨めで侘しい。