8月29日
○自民党の安倍晋三元首相が9月の総裁選に立候補する意向を固めたそうだ。党内には数十人規模の支持者がいるとのこと。安倍首相と言うと2007年の参議院選挙で惨敗した後の臨時国会で、重要課題が山積している中で所信表明演説を行って僅か2日後に突然首相を辞任したことで知られている。彼の思想は純然とした右翼のものであるが、その「お坊ちゃま」的性格から、ある評論家からは「オコチャマナショナリズム」と揶揄された。このような人物が今こそ出番だとばかりにしゃしゃり出てくるのはなぜか。彼は橋下大阪市長からも秋波を送られているが、両者の繋がりに何か胡散臭いものを感じる。
8月30日
○「大都市地域特別区設置法」が参議院を通過して成立した。この法律は俗に「大阪都」法と言われ、橋下徹大阪市長が提唱する「大阪都」構想を後押しするもので、もちろん当の橋下氏は大喜びらしく、自身のツイッターで「維新のメンバー、府市職員、国会議員、その他多くの関係者、感謝です」と書いた。それはそれとして同時に「大阪都構想の意味も分からずに反対、批判し続けた有識者諸君、感謝だ。『この野郎』という怒りのエネルギーが闘志の炎になったぜ」と都構想に否定的な学識者を皮肉交じりに批判しているそうだ。
例によって例のごとくの下品な調子だ。この御仁は民主主義をよく口にするが、大阪都構想にしても何にしても賛成もあれば、批判や反対もあるのは当然だ。それをこのように反対者、批判者を「この野郎」と罵る対象にするのは思い上がっている。謙虚さなどはまったくない、まさに独裁者の発想だ。それにしてもこの下品さはどうしようもない、持って生まれた性格なのか。これほど独善的で嫌な性格の人間はちょっといないのではないかとさえ思う。マスコミなどが持ち上げるものだから調子に乗っているのではないか。
○西安の李真が前に同じ職場にいた袁毅と久しぶりに会って食事したそうだ。いろいろ話したようだが、その中で私のことも話題になったとのことだ。それに関して李真は「爺爺が独りで生活しているから西安の皆は心配しているよ」とチャットで言ってくれた。遠く離れた西安で私のことを心配してくれる友人がいるのは嬉しいことだ。
8月31日
○今日で8月も終わり。暑い暑いと言っているうちにいつの間にか8月も終わってしまった。日中は相変わらず暑いが、それでも朝夕は心持ち涼しくなった。夕方になると急に薄暗くなって、もう「秋の日は釣瓶落とし」の季節になっているようだ。「釣瓶落とし」と言っても今時の若い人には実感が湧かないのではないか。第一、井戸というものが都会では珍しい存在になったしまった。ポンプ式で井戸水を汲み上げる前には井戸の水は綱や竿の先に小さな桶を付けて、それを井戸の中に落とした。それが「釣瓶落とし」で、昔の表現は味がある。万事がそうやって不便ではあるがゆったりした時代があった。