赤瀬川原平さんが印象派を中心としたいわゆる名画を解説した「赤瀬川原平の名画読本」(光文社知恵の森文庫)を読み終わりました。
私は赤瀬川さんが絵画の解説をした本が好きで、何冊か書棚の目立つところに置いて、思い出した頃に見返しています。
赤瀬川さんは例えがとても上手で、素人にも理解しやすい解説になっており、自分がその絵を見た時に感じたこと(しかし、うまく言葉に表せなかったこと)が、そのまま書かれていることがあります。(実際は、絵を見たときに感じたように思わされてしまうほど解説がうまいのかもしれません)
例えば・・・(この本からに引用ではありませんが)ピカソの「腕をくんですわるサルタンバンク」の解説で
「そのくせこの人物は目が生きている。じっと確実に何かを見ている。でも見ているのはマナコだけで、そこに繋がる頭の中では別のことを考えている、だから困るのだ。この絵が描写的にそういうリアリティを持っているというのならべつに困らない。その画家の技量に感動していればいい。でもそれとは違う。たまたま形だけ借りた人物像に目が、よく見ると生きている。たとえば瀬戸物の人形を買ってきて、部屋に飾って見ていて、よく見たら目が生きている、目玉だけ有機物だったと気がついたら、困るだろう。」(「日本にある世界の名画入門」(光文社カッパブックス))
瀬戸物・・・以下の例えが私が感じたことを実にうまく言葉にしてくれたような気がしました。
ところで、「赤瀬川原平の名画読本」はちょっと印刷の色味が悪いように感じました。同じ版元の「日本にある世界の名画入門」は同じような紙質であまりかわりない値段なのにとても発色がよかたのですが・・・
でも、よりポピュラーな名画をとりあげているので、絵や赤瀬川さんに今まで縁がなかった人にもぜひ一度読んでみていただきたい本です。
この手の本としては珍しくルノアールとアングルという巨匠のいわゆる名画をこきおろしているところも読みどころです。
私は赤瀬川さんが絵画の解説をした本が好きで、何冊か書棚の目立つところに置いて、思い出した頃に見返しています。
赤瀬川さんは例えがとても上手で、素人にも理解しやすい解説になっており、自分がその絵を見た時に感じたこと(しかし、うまく言葉に表せなかったこと)が、そのまま書かれていることがあります。(実際は、絵を見たときに感じたように思わされてしまうほど解説がうまいのかもしれません)
例えば・・・(この本からに引用ではありませんが)ピカソの「腕をくんですわるサルタンバンク」の解説で
「そのくせこの人物は目が生きている。じっと確実に何かを見ている。でも見ているのはマナコだけで、そこに繋がる頭の中では別のことを考えている、だから困るのだ。この絵が描写的にそういうリアリティを持っているというのならべつに困らない。その画家の技量に感動していればいい。でもそれとは違う。たまたま形だけ借りた人物像に目が、よく見ると生きている。たとえば瀬戸物の人形を買ってきて、部屋に飾って見ていて、よく見たら目が生きている、目玉だけ有機物だったと気がついたら、困るだろう。」(「日本にある世界の名画入門」(光文社カッパブックス))
瀬戸物・・・以下の例えが私が感じたことを実にうまく言葉にしてくれたような気がしました。
ところで、「赤瀬川原平の名画読本」はちょっと印刷の色味が悪いように感じました。同じ版元の「日本にある世界の名画入門」は同じような紙質であまりかわりない値段なのにとても発色がよかたのですが・・・
でも、よりポピュラーな名画をとりあげているので、絵や赤瀬川さんに今まで縁がなかった人にもぜひ一度読んでみていただきたい本です。
この手の本としては珍しくルノアールとアングルという巨匠のいわゆる名画をこきおろしているところも読みどころです。