5(佐藤正午 角川書店)
異常な記憶力を持ち、その記憶力を他人に一時的に移転できる能力を持った女と、妻に愛情を持てない男、その男の妻と関係している作家の話。
この作家というのが、社会常識とかマナーにとてもうるさいのに、自分ではルールを全然守らず、人間関係への配慮もほとんどなく、次から次へと女を入れ替える、いわゆる「人でなし」という設定になっている。そのあまりの身勝手さは読んでいても腹がたつほど。
愛は、その人を愛し続けているから継続するのか、愛したという記憶を持ち続けられるから継続するのか、というのがテーマだろうか。
各種レビュウや書評を見るととても評価が高いようだが、無駄に長いような気がするし、主人公の作家の人でなしぶりが、さきほども書いたようにあまりにひどくて、佐藤さんの他の著書に比べると今ひとつだった(佐藤さんの作品の登場人物、あるいはエッセイで描かれる著者自身とも、クールで醒めているという設定は多いが、この主人公はそれが少々行き過ぎていた)。
しかし、リーダビリティは高くて読んでいる間はなかなか中断できなかったのは、さすが、というべきか。
異常な記憶力を持ち、その記憶力を他人に一時的に移転できる能力を持った女と、妻に愛情を持てない男、その男の妻と関係している作家の話。
この作家というのが、社会常識とかマナーにとてもうるさいのに、自分ではルールを全然守らず、人間関係への配慮もほとんどなく、次から次へと女を入れ替える、いわゆる「人でなし」という設定になっている。そのあまりの身勝手さは読んでいても腹がたつほど。
愛は、その人を愛し続けているから継続するのか、愛したという記憶を持ち続けられるから継続するのか、というのがテーマだろうか。
各種レビュウや書評を見るととても評価が高いようだが、無駄に長いような気がするし、主人公の作家の人でなしぶりが、さきほども書いたようにあまりにひどくて、佐藤さんの他の著書に比べると今ひとつだった(佐藤さんの作品の登場人物、あるいはエッセイで描かれる著者自身とも、クールで醒めているという設定は多いが、この主人公はそれが少々行き過ぎていた)。
しかし、リーダビリティは高くて読んでいる間はなかなか中断できなかったのは、さすが、というべきか。