春の戴冠-1(辻邦生 中公文庫)
「背教者ユリアヌス」はとても面白い小説で、高校生のころ夢中になって読みましたが、辻さんのもう一つの大作である本書は読めないままでしたが、今回、(再?)文庫化をきっかけにして読み始めました。「ユリアヌス」ほどドラマチックではないものの、やはり、面白い作品でした。(といっても全四冊のうち一冊を読んだだけですが)
ルネサンス期の代表的画家ボッティチェルリの生涯を描いたものですが、フィレンツェ=メディチ家の興廃も主題の一つとなっています。
芸術小説としても、恋愛小説としても、政治小説としても、経済小説としても楽しめる盛りだくさんな内容ですが、ちょっと欲張りすぎかもしれません。
主人公のボッティチェリも語り手役のギリシャ文学者も、真面目で、身持ち堅く、少々か堅苦しいイメージです。イタリア人=(日本人がいう)ラテン系というのは、現代にしか通じないもので、同国の絶頂期といえるルネサンスにおいては、こうした人が多かったのでしょうか。ボッティチェルリの師匠のように、「これぞラテン系」という人も確かに登場しますが。
「背教者ユリアヌス」はとても面白い小説で、高校生のころ夢中になって読みましたが、辻さんのもう一つの大作である本書は読めないままでしたが、今回、(再?)文庫化をきっかけにして読み始めました。「ユリアヌス」ほどドラマチックではないものの、やはり、面白い作品でした。(といっても全四冊のうち一冊を読んだだけですが)
ルネサンス期の代表的画家ボッティチェルリの生涯を描いたものですが、フィレンツェ=メディチ家の興廃も主題の一つとなっています。
芸術小説としても、恋愛小説としても、政治小説としても、経済小説としても楽しめる盛りだくさんな内容ですが、ちょっと欲張りすぎかもしれません。
主人公のボッティチェリも語り手役のギリシャ文学者も、真面目で、身持ち堅く、少々か堅苦しいイメージです。イタリア人=(日本人がいう)ラテン系というのは、現代にしか通じないもので、同国の絶頂期といえるルネサンスにおいては、こうした人が多かったのでしょうか。ボッティチェルリの師匠のように、「これぞラテン系」という人も確かに登場しますが。