私の最後の羊が死んだ(河崎秋子 小学館)
著者の実家は北海道の酪農家でたくさんの牛を飼っていた。著者は(食肉供給を目的とした)羊の飼育に興味があり、農業試験場から貰い受けた年増?の雌羊から繁殖を進めていく。一方で小説家をめざして文学賞に応募しようと作品を書きためる。ただでさえ多忙だったのに、父が脳障害で倒れ介護まで担うことになる・・・という自伝風エッセイ。
地方紙主催の文学賞→受賞後の出版が約束されている三浦綾子賞→デビュー後も大藪賞など複数の文学賞を獲得→直木賞、と作家としてきらびやかや王道を歩んでいる著者。
一方で、本書を読むと、相当強気でプライドが高そう。本書ではそちらの方が強調されるが、ありがちな売れっ子のわがままというのとは全く違う、作家修行とは別の(都会育ちの遊び人作家にはない)ハードな人生遍歴に裏打ちされた自信みたいなものが感じられる。
前半が羊飼いの話で、後半になると作家になるまでのプロセスを描いているのだが、タイトル通り、羊飼いの話をもう少し膨らませてもらいたかった。
著者の実家は北海道の酪農家でたくさんの牛を飼っていた。著者は(食肉供給を目的とした)羊の飼育に興味があり、農業試験場から貰い受けた年増?の雌羊から繁殖を進めていく。一方で小説家をめざして文学賞に応募しようと作品を書きためる。ただでさえ多忙だったのに、父が脳障害で倒れ介護まで担うことになる・・・という自伝風エッセイ。
地方紙主催の文学賞→受賞後の出版が約束されている三浦綾子賞→デビュー後も大藪賞など複数の文学賞を獲得→直木賞、と作家としてきらびやかや王道を歩んでいる著者。
一方で、本書を読むと、相当強気でプライドが高そう。本書ではそちらの方が強調されるが、ありがちな売れっ子のわがままというのとは全く違う、作家修行とは別の(都会育ちの遊び人作家にはない)ハードな人生遍歴に裏打ちされた自信みたいなものが感じられる。
前半が羊飼いの話で、後半になると作家になるまでのプロセスを描いているのだが、タイトル通り、羊飼いの話をもう少し膨らませてもらいたかった。