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CINEMAとMOVIE?

英語&米語

映画大好き、ごきげんな毎日・・・そして、やってきた猫の話

箒木蓬生著「三たびの海峡」

2011-07-07 12:01:33 | 読書
最近、「世界記憶遺産」になった山本作兵衛さんの「炭鉱記録図」
その絵の生々しさに驚いたけど
この本はもっと驚きました



<ストーリー>

戦時下、朝鮮が日本の統治下にあったころ
17歳の河時根は

強制召集がかかった病身の父親の変わりに
2年間の約束で、日本に連行される

劣悪な環境の船と列車に詰め込まれ
着いた先が、土方作業と聞いてたはずが、ボタ山のある炭鉱だった

そこは地獄も同然

長時間過酷な労働に、寝むところさえ、最悪、不潔な環境

毎日死んでいくものがいて

逃亡しようものなら、リンチで殺される

しかし、どっちになっても死ぬのなら、と
決死の覚悟で脱け出す

途中、見つかった日本人の広田を殺してしまうが
やらなければやられる


運よく逃亡を果たせた時根は
の中でも、比較的人間的な扱いを受けている作業所、荷役の仕事をする

そこで、日本人女性千鶴と出会い
ふたりは密会を重ね
そのうちに彼女は身ごもる

やがて、戦争も終わり、彼女も日本を捨てて一緒に朝鮮に渡る

しかし、祖国ではこころよく迎え入れるわけもなく
ふたりは、山に入って細々と暮らすが

時根が留守の間に、彼女は日本から来た両親に連れ去られる


そして、何十年のときを経て
時根は事業が成功して、3人の息子ももうけて・・

そんなとき、
日本に帰化したかつての仲間、徐鎮徹から、
ボタ山が撤去されそうになっている、
という内容の手紙が届き

三度目の海峡を渡る

そこには同士の遺骨が眠っていた

そして、千鶴が育てた息子の再会もあった

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

まず、朝鮮目線からのものがたりです

かつて、「大地の子」で読んだ主人公の過酷な運命を思い出したのですが

目線が変われば、みなおんなじか
って

ちょっと辛かったですね
これも真実だったんでしょう


本の帯に「涙が止まらない」ってあったんですが
わたしは、泣けませんでした



コメント
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