
「“食の安全”はどこまで信用できるのか」 河岸宏和著 (アスキー新書)
定価:724円
【この本を読んだ理由】
“食の安全”はどこまで信用できるのか”
現場から見た品質管理の真実
この本のタイトルに先ず刺激を受けた。
―工場からスーパーまで、品質管理のプロが明かす!
食品事件の陰にある、消費者が知らないこと
“中国産は危ない”→“国産なら安心か?”
特売日に卵が“大量生産”される不思議
“朝採れレタス”が取れたのはいつの朝?
この本の帯に書かれた副題が更に興味をそそった。
【読後感】
著者をチェック。
1958年北海道生まれとあるから50歳である。
帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓に届くまでの、さまざまな食の現場で品質管理に携わる。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、ギョーザ・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、卵加工工場、配送流通センター、大手スーパーマーケット厨房管理など多数。
著者の職歴の数の多さがちょっと気になった。
著者が述べていることで、特に気になったところを列挙。
・食品事件はなぜ続くのか?
・日本の管理体制の甘さを指摘
・食品表示に関する法律の複雑さ
・消費・賞味期限を管轄しているのは、「食品衛生法」(農林水産省)と「JAS法」(厚生労働省)で、期限の設定について、「科学的、合理的な根拠をもたないといけない」と定めています。
しかし、法律では「科学的、合理的な根拠」の道標となるルールは、一切触れられていないのです。
・食品事件を防ぐために本当に必要なこと
・企業はコンプライアンスよりも「ビジネスエシックス」(企業倫理)を持つべき
・消費期限は「おいしさ」で判断するべき
・消費者の目は、あらゆる偽装を断ち切るパワーになる
・「売り切れごめん」を当たり前に
以上である。
著者がこの本で述べたいことの概略は分かったような気がした。
しかし、迫力はいまいちという感じだった。