理由は何でもいいの。
宝くじが当たったとか、
竹薮で札束の詰まったバッグを見つけたとか。
町で通りすがりにご老人のハンカチを拾ってあげたら、
その人がお金持ちで、莫大な遺産を残してくれたとか(笑)。
わたしだったらクイーン・エリザベス号で世界一周旅行をして、
モルディブやコートダジュールといった、
名前しか知らない高級リゾート地でゆっくりしたり、
お店の棚を指差して、例の「ここからここまで、全部頂戴」をしたり、
何年か派手に豪遊しまくって、
余生は月十万で暮らせる村で質素に生活したいなぁ。
夫はあまり空想話に乗らないほうですが、
たまに付き合ってくれる時は決まってこう言います。
「貯金」
お金が入ったことを誰にも黙っておき、
仕事は楽しむ程度に続けて、老後に備えるそうです。
あの、庶民には見当も付かないけど、すごい大金という設定だよ、と言ったら、
おそらく「利息を使う」と答えることでしょう。
良くも悪くも、羽が生えて飛んでいきそうなわたしを、
地面にとどめているのは、この人なんだなぁ、と思います…。
夫も真面目すぎるところがあるし、
こんな妻でちょうど釣り合うのかもしれません。
(というか、見捨てないでほしいものです)