いわき・うぶすな広場だより

セカンドライフの生き方を書いています。

盲学者・塙 保己一のエピソード・・・なるほど歴史塾

2012-10-17 22:19:14 | なるほど歴史塾

塙保己一史料館前・温故学会前にあります銅像です。

http://www.onkogakkai.com/

 塙 保己一史料館・温故学会のホームページです。
塙保己一関連を詳しく載せてあります。

その中からエピソードをいくつか紹介。

1)記憶力
  塙 保己一の書庫には六万冊の本があったが
  そのすべてを記憶。

2)集中力
  保己一10代のころ、お贔屓の旗本の奥方が、
  保己一の本好きを知り読み聞かせを。
  ある夏の晩、蚊帳の中で読む奥方は保己一が
  蚊帳のごとで両手を紐で縛ってじっ聴いている保己一。
  蚊に気を取られるとせっかく読んで下さった本の内容を聴き忘れてしまうと。

3)無欲
  水戸家での講義が終了。
  何か食べたいものがあるか。
  里芋が食べとうございますと。
  その後山盛りの里芋をおいしそうに保己一。
  またいつも同じ服装。
  服がこれよりほかにはないと保己一。
  衣食代よりも本代にすべてをかけていた。

4)健康
  保己一は小さい時から身体は弱かった。
  雨富検校が父と一緒に旅費を与え京都・大阪へ行かせてくれた為、身体は強くなり
  それ以後休むことなく仕事が続けられる身体に。
  普段の食事は一汁一菜であったと。

5)判断力

6)怒らぬ誓い
  人間は小さなことで、感情的に怒るようでは大業は成就しないと。
  この一年間絶対にそういう気持ちにならないようにと、
  年の初めに心に誓いそれを生涯にわたり実行したと。

などたくさんのエピソードを残されました。
私達が少しでも参考にする事がありそうです。

田崎先生の話。
夏井先生の話。
を聴いてきました
充実の一日でした。

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盲学者・塙 保己一の「群書類従」の版木を訪ねる・・・なるほど歴史塾

2012-10-17 10:01:56 | なるほど歴史塾

盲学者・塙 保己一の銅像です。
気品があります。


版木がこのように保存されています。
その数17,000以上ですので34,000ページ。
一枚一枚彫ったのですから。

それを全部暗記!!


どれが正しいのか整理したものをテキストとして編集を。
それらを頭に記憶し完成させたことが
人間なのか。信じられない。
機械で録音できる時代でないのに。


これを摺ったものが下に掲載。
竹取りの翁物語の一部。


これが群書類従の版木・巻三0九を社団法人 温故学会の専属技師さんが
直接手刷りしたものです。


このように今も現役で摺る事により研究者・学生・高校生のテキストとして
活躍されているとのこと。


皆さんよくご存じの「聖徳太子十七箇條憲法」を購入してきましたものです。
一~七条。


八~十七条の現代文です。

群書類従巻第四百七十四
検校保己一集
を摺ったものです。

 

先日、
「なるほど歴史塾」恒例の日帰り旅行で、
渋谷の国学院大学隣にあります
盲学者 塙 保己一(延亨3年(1746年)~文政4年(1821年))の
群書類従の版木
ある「温故学会」をご見学してきまして
その姿に圧倒されて、現在も興奮しています。

子どもたちに是非見せたい施設ではないでしょうか。
修学旅行などで周るようなこともいいのではと思います。

渋谷駅から歩いても15分くらい。
バスも国学院大学で出ていますので。

版木は今でも現役として活躍しています。
上記写真のように販売もしていただけますし
学生などのテキストにも使われて、
摺ったもので学習もされています。


写真のように版木が3万数千整理されていまして、
竹取物語のここと言いますと
その部分を
版木で摺るということができます。

塙保己一は
現在の埼玉県本庄市に生まれ7歳の時失明。

江戸に出て15歳の時雨富須賀一検校の門人になり
鍼・按摩・灸・琴・三味線などを学んだが一向に上達せず自殺も決意したと。

その後
隣家に住む旗本・松平乗尹から学問の手ほどきを受け
それからいろいろな方から学び最晩年の賀茂真淵に入門し「六国史」などを学んだ。

34歳の時日本の貴重な書物の散逸されるのを何とかしなくてはいうことから
「群書類従」の編纂を始め、それから40年の歳月をかけた事業となり
散逸から逃れるとともに版木を使い出版することを考え、
多くの人々に利用できるようにしたことはすごく
200年後の今の時代でも使えることができるということを成し遂げた人でした。
亡くなる2年前の74歳の時完成しました。

群書類従の収録文献数は
1277種、25部門にに分類して総冊数665冊目録1冊の合計666冊からなります。
版木本数は17,224枚両面でありますので、
34,000ぺージ分となりまして、昭和32年国の重要文化財にも指定されています。

江戸時代から現在まで、
発行部数は七十万冊を超え、
和本・活字本・CD―R版もできましてたくさんの研究者に今も利用されているのがすごい。

これらの膨大な資料を録音機械がない時代、
自分の頭に記憶、異本の判別も頭の中でやり
正しいテキストを作った。
人間に記憶が出来るのですね。
人間に誇りを感じた瞬間です。

あのヘレン・ケラーも
二度ほど見学におとづれています。
小さい時から母親に
日本の塙 保己一のことを聴かされお手本にしたと。

コメント (2)
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