いわき市生涯学習プラザの生花から。
春らしい生花と感じられました。
今年度初めての
「ファイナンス研究会」の例会で
125回目の講座になります。
消費税UP後の経済の見通し
講師は
永倉 禮司先生(福島県金融広報委員会アドバイザー)
でした。
1)アベノミクス
アベノミクスが掲げられて約1年半、
三本の矢と称された「大胆なる金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」
と称され
低迷する日本経済の復活を目指そうとする政策でした。
第一の矢、出足は良かったが、後半戦は少し息切れが。
第二の矢、公共投資は好調だが、GDPの6割を占める個人消費・輸出は減速
平均賃金もほとんど伸びていない。
第三の矢、成長戦略を一刻も早く実行に移し、
4月から始まった消費税値上げ後の経済成長を軌道に乗せなければ
いけないところに来ています。
2)デフレとインフレとは
3)円高・円安
円高か円安にどちらかに進むのかを決めるのは、
日本の「ファンダメンタルス」が大きな要因。
(ファンダメンタルスとは国の経済力を見るための「経済の基礎的な条件」の事で
「経済成長率」「国際収支」「物価上昇率」「失業率」などの事を言います。)
4)景気
経済全体の好不調のことで、「お金回りの状態」。
景気にはあらゆる「気」が反映するし、
個人消費は、気分にも左右される。
国の景気は「国民総生産」から判断される。
内閣府「景気動向指数」・日銀短観など
景気を判断する客観データーを学びました。
☆日経平均株価の終値と円高の推移
☆デフレを辿る月例報告の変化
☆デフレ脱却を図る4指標
☆消費者物価指数の推移
・2013年は主要な高級ブランドが値上げラッシュ
・昨年度の忘年会の傾向(利用者増加・価格UP・専門店、レストランが人気に)
・「父ちゃん立場指数」は上向きに
・卵価格の上昇
・年末年始の海外旅行もUP
・灯油価格は上昇が続いている
☆価格上昇・下落した主な品目
☆有効求人倍率の推移・・・雇用情勢は改善しつつある
5)2014年の経済予測は ?
世界全体でGDPの伸びは3.6%
アメリカは2.6%・ヨーロッパは1.0%・中国は7.3%
日本は1.2%の拡大。
消費税が上がるどうなる。
☆増税する分、給料が増えればバランスが取れる
☆消費税が3%上がると
年に9万4千円負担が増える(普通のサラリーマン家庭で)
6)2014年予算案は・・・家庭に例えると
収入:新規国債発行(新たな借り入れ)・・・413万円
妻のへそくり(その他の収入)・・・・・・・46万円
夫の給料(税収)・・・・・・・・・・・・・・・・・500万円
支出:ローン返済(国債費)・・・・・・・・・・・・・233万円(税収の約半分も?)
生活費(政策的経費)・・・・・・・・・・・・・726万円
・社会保障費(305万円)
・地方交付税(161万円)
と
☆国債依存度
☆4月の消費税UP後も財政事情は先進国で最悪
☆日本では労働生産性が伸びているが実質賃金は減っている
☆日銀は2%のインフレ目標を達成するまで異次元緩和を継続する
(預金金利は上がらないことに)
等に注意を払う必要があるのでは。
6)4月から変更され、
家計に影響する主な税・制度
UP(泣く)する政策
☆消費税
☆公的年金の減額
☆医療費窓口負担の増加
☆高校事業料無料化に所得制限
☆地球温暖化対策税
☆高速道路料金の改正
☆復興増税による個人住民税増税(6月実施)
喜ぶ政策:
☆臨時福祉給付金(仮称)
☆子育て世帯臨時特例給付金
☆低所得世帯の高校生に給付金
☆住宅ローン減税の拡充
☆すまい給付金
☆自動車取得税率の引き下げ
☆エコカー減税の拡充」
7)消費税UP後の経済の見通しは?
☆7~9月期にはプラス成長に戻ると予想・・・経済研究所の見通し
☆景気の基調判断と家電・自動車・住宅の需要変化
☆公共投資は減らさない・・・経済政策で下支え
☆消費税増税後の家計支出の増減・・・福島民報より
どちらかといえば減らす・・・38.5%
減らす・・・・・・・・・・・・・・・・・33.1%
変わらない・・・・・・・・・・・・・27.5%
☆消費者物価指数(生鮮食品を除く)の推移
☆鉱工業生産指数の推移
☆物価上昇率と所得の推移
☆労働者に占める非正規社員の割合・・・34.4%と過去最高に
☆上場企業の配当総額過去最高の8兆1000億円に
☆緩和マネーの規模に比べ貸し出しの勢いは鈍い
(銀行に滞留している・・・とくにいわきでは多い)
☆土地取引の価格の指標・・・いわきではバブル
福島県内の標準価格上昇率上位5地点
住宅地1~5位までいわき市
商業地1・2位はいわき市
などの指標を見ながら
国全体の流れと
3・11以後の福島県
特にいわきの経済状況の「土地」や「建築関係」のバブル状況など
上記の資料に基づく客観的データーを参考に
判断しなければいけないということを学びました。
永倉先生のP20にわたる丁寧なレジメで、
自分で経済を考えるデーターの見方が
学べたと思います。
感謝いたします。