医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

今年もインフルエンザワクチン接種が始まりました

2005年10月23日 | 小児科
今年もインフルエンザワクチン接種が始まりました。
2004~2005年冬季は、日本ではA香港(H3N2)型とB型のインフルエンザの流行が見られました。2006年冬季のWHO(世界保健機関)による北半球世界におけるインフルエンザワクチンの推奨株は、Aソ連(H1N1)型とB型について2004~2005年冬季のWHOによる北半球世界におけるインフルエンザワクチンの推奨株と同一のものとなりました。

今年の株は
Aソ連型は20/99(H1N1) (ニューカレドニア)
A香港型は55/2004(H3N2) (ニューヨーク)
B型は361/2002(上海)
です。

昨年は、Aソ連型は20/99(H1N1) (ニューカレドニア)、A香港型は55/2004(H3N2) (ワイオミング)、B型は361/2002(上海)でしたから、A香港の株が変わりました。ちなみに一昨年は、Aソ連型は20/99(H1N1) (ニューカレドニア)、A香港型は2007/99(H3N2) (パナマ)、B型は7/97(山東)でした。

大部分の成人は今までにAソ連型(H1N1)インフルエンザ、A香港型(H3N2)インフルエンザ、B型インフルエンザに感染したことがあると考えられます。以前に感染したことがあれば弱い基礎的な免疫を持っていると考えられ、インフルエンザワクチンの1回の接種によりその冬を持ちこたえる免疫を獲得すると考えられます。以前にインフルエンザに対する免疫を獲得したことがない小児については、短くとも4週間以上の間隔を空けてのインフルエンザワクチンの2回の接種をするべきだと世界保健機関(WHO)は勧奨しています。

乳幼児にはワクチンの効果は弱いのですが有効であることが報告されており、65歳以上の高齢者と同様インフルエンザ感染に伴うリスクが高いので、アメリカでは2003年5月から小児の定期接種に導入されています(対象者は、6~23ヶ月の乳幼児、同居する18歳以下の兄弟)。

現在、日本でも乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果について臨床試験が進行中ですが、中間報告の段階では有効性が報告されています。

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