医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

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レーシック(エキシマレーザー屈折矯正手術)について

2005年10月19日 | 眼科
レーシック(LASIK)とは、Laser in situ Keratomileusisの略で、特殊な器械で角膜の表面を薄く切ってめくり、レーザーを角膜に照射し一部を蒸散させ、再び角膜の表面を元に戻すというものです。主に近視の治療に使われています。

今回この話題を取り上げたのは、最近レーシックに関するブログが増えているからです。どうしてレーシックだけ体験記みたいな形でブログが多いのか。「レーシック体験記ブログ」がこれほどあるなら、「盲腸の手術体験記ブログ」や「骨折治療体験記ブログ」がないのはどうしてだろうか。わざわざ病院名まで出してブログを開設するのは病院がスポンサーになっているか病院そのものが個人を装って開設していると推測できます(すみません私のブログでは推測は禁物でした)。もしも病院がスポンサーになっていたりすると、どうしても病院が有利なように情報が選ばれてしまいがちです。そこで今回はレーシックについて客観的に調べてみました。

2000年に日本眼科学会は「エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドライン」を出しましたが、それに対する「社団法人 日本眼科医会記者発表会 報道用資料」の一部をご紹介します。(ここから「以上引用」まで全て引用です)

エキシマレーザーによる屈折矯正手術は、費用が一眼で20万~40万円と高額です。しかし、手術が眼科医ではなく、形成外科や内科医などによっても行われており、トラブルが発生しています。トレーニングを積んでいないのでトラブルが発生しても適切な処置をとれないところに問題があります。

屈折矯正手術は、一度手をつけたら元に戻せないのが最大の欠点です。矯正予測値が正確にいかないことがあり、人によっては像のコントラスト感度が低下するのがデメリットです。強度の近視の人ほど勧められますが、医師の説明を十分聞き、納得したうえで手術を受けることが大切です。角膜を(約0.16mm)切開してフラップを作る手術は熟練を要し、手術例の2%はうまくいかないといわれています。角膜を切る刃が角膜を突き抜けて水晶体をキズつけてしまい、白内障の手術をやらなければならなかったケースや角膜が混濁し角膜移植をしなければならなかったケースが報告されています。また、角膜の中央部が突出している円錐角膜の患者さんに手術をしてしまった例もあります。この患者さんは眼圧でさらに突出してしまいました。

屈折矯正手術は、角膜や水晶体に手を加えるものです。一度実施すると元に戻らないことを認識しなければなりません。手術を受けられるのは20~30代の若い人が多いのですが、慎重に判断してもらいたいものです。コンタクトレンズの広告と同じように、屈折矯正手術にも誇大広告が目につきます。「0.01が1.5に回復」「数時間後には別世界」「安心」「快適」……といった表現で矯正手術の効果をうたっています。また、自分の著書の宣伝という体裁で、自分の矯正手術を誇示した内容のパンフレットを配布している例もあります。一般の国民の方々にも、このような広告に惑わされることなく眼科専門医に相談してほしいと思います。体の中でも最も大切な臓器の一つの眼ですから慎重に考えて選んでください。

「屈折矯正手術についての本会の見解」
屈折矯正手術については近年、急速に改良、進歩し、また、エキシマレーザー装置が厚生省から認可され、さらに日本眼科学会がエキシマレーザー屈折矯正手術のガイドラインを作成したこともあり、今後屈折矯正手術は次第に増えてくると思われます。しかし、これらの手術はまだまだ慎重を要する手術であり、手術そのものの危険性や手術した結果が将来、肉体的、精神的にどのように影響するのか、患者さんに十分説明し、理解を得たうえで適切に行われなければなりません。(以上引用)

さらにコンタクトレンズでの問題点を取り上げています。
例えば、内服薬で10人の副作用報告があれば、現状では発売を自粛することになります。物品販売としてコンタクトレンズの購入を促進するあまり、検査・処方が軽視され、年間数万人が眼障害を起こしている実態を見過ごしている実情、眼障害が発生した場合にはユーザー側の「自己責任」とする行政の姿勢には問題があるといわざるを得ません。(以上引用)

私なりにまとめてみると、機材の進歩により合併症の率は年々減少している。しかし、眼障害が発生した場合にはユーザー側の「自己責任」とする行政の姿勢には問題があるといわざるを得ない、という事になります。

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