久しぶりの同窓生
とまりぎ
幹事からようやく会う約束ができた久しぶりの同窓生が来るからと、北参道のプロローグへ来るようにとの連絡があった。タイで仕事をしていると聞いていたが、日本へ戻ってきたようだ。
どちらかと云うと寡黙な印象で、バスケットをやっていた。中学時代には女生徒から人気があった方だったから、女性たちが大勢来るのかと期待していたが、二人だけでそのほかは男が三人だった。
そこへ入ってきたのが忍者くん。あの細身の体は面影もなく太って現れたのだ。しばらく顔を見ていて、目の辺りにそういえばという面影を見つけた。
タバコの話が出たので、ここは吸えるというと喜んでポケットから一函とりだして吸いはじめた。
ビールから赤ワインになり続く。久しぶりなので最初はなかなか出なかったが、酔いとともに饒舌になった忍者くんの断片的な話をつなぐと次のようになる。
子供のときから高校まで日本舞踊をやっていた。そうかそれで姿勢が良かったんだ。高校は共学で女子が男子の二倍いたから、かなり恵まれた環境だったようだ。文科系の印象があったのだが理科系へ進み、仕事の関係で関西へ引っ越した。その後関連会社のタイへ転勤になり、およそ14年間タイに居たようだ。
タイでは快適な生活だったようで、仲間もできて年に数回タイへ行くとのことだ。爽やかな感じは年とともに薄れたがまだ片鱗を残している。タイとの関係はけっこううまくいっている。自分でも恵まれていたといっていたが、まさに羨ましい。
関西が拠点だが東京へ来ることもあるので、またここで会おうということになった。新宿のゴールデン街にも詳しいようで、行く約束をして別れた。
マメに動く幹事が次もまた手配してくれることだろう。期待している。