直流送電
直流送電
とまりぎ
日本では、50Hzか60Hzの交流送電が使われている。これは長距離の送電の電圧を高くして、電力の電線抵抗によるロスを少なくするとともに、低い電圧への電圧変換がトランスで容易に行えるためである。
ところが交流であるために伝送路での電圧と電流の位相差が生じ、効率を考えると直流送電の方が損失が少ない。またフェランチ効果で、送電電圧よりも受電電圧が高くなることもある。
海外では直流送電を積極的に使いはじめている。日本でも海底電力送電の一部に使われている。海底の場合、電気抵抗での発熱を海水温により冷却できるという利点がある。
実用化では、電圧500kVという高圧送電まで可能なようだ。太いケーブルで3,000Aを流せるならば単純計算で1,500,000kW=1,500MWの電力を送ることができる。
電力ロスを少なくするために、銅、アルミといった導電性の良い素材を使っている。さらに高効率にするためには超伝導も考えられているが、電流の集中する一部には使われるかもしれないが、コスト面でむずかしい。
この話を聴くために、東京工業大学の研究会へお伺いした。今回はケーブルの話が中心だった。導体部と周りの絶縁部を入れると、かなりの太さと重さになる。
大岡山駅から東工大正門を入る。目的の会議室は北にあり、橋で電車の線路を越え急坂を下る。雨が降り始め、本降りにならないうちにと、急ぎ足でたどり着く。
実用化されているケーブル敷設写真も見せてもらい、予定の2時間半はあっという間に過ぎた。
建物の外へ出ると本降りだ。これでは大岡山駅まで歩くよりもと、見覚えのある呑川緑道を下に見て橋で越え西門へ向った。東工大を地図で見ると概ね北側が目黒区、南側が大田区になっている。
緑ヶ丘駅が近い。目黒線が1階、大井町線が2階になって工事中だった。この駅からそう遠くないところにユタカ電機があったはずだが、と思いつつ大井町線へ乗った。