9月5日、招待券をいただいてピアニストの反田恭平さんが率いるジャパン・ナショナルオーケストラ (Japan National Orchestra、以下JNO) の2024サマーツアーに行ってまいりました。場所は初台の東京オペラシティ コンサートホールです。
反田恭平さんは、2021年のショパンコンクールで2位を受賞した日本を代表するピアニスト。この年のショパンコンクールは、角野隼人さん、小林愛実さんらが出場して大いに盛り上がり、私も毎日コンクールの模様をYouTubeでチェックしていました。
反田さんは同じ年、奈良県の企業の支援を得て、JNOというオーケストラの会社を創立しました。私たちは、家族が就職して奈良に住むようになってから、奈良には特別なご縁を感じているので、JNOの活動にも注目していました。
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さて、この日はマチネの公演だったので、仕事もお休みして準備万端で出かけました。オペラシティのル・パン・コティディアン (Le Pain Quotidien) でランチをいただいてから、コンサートホールへ。
オペラシティは5月にヒラリー・ハーンのコンサートに行ったばかりです。この時のブログに「マチネの時は自然光の中で音楽が楽しめるのでしょうか。」と書いていますが、意外にも、天井窓は銀色のクロスで覆われていました。
自然光が入ると楽器に影響があるのか、あるいは演奏者が気が散るのか、何か理由があるのかもしれません。
この日は、オール・ベートーヴェン・プログラムでした。
序曲「コリオラン」作品62 交響曲第2番 ニ長調 作品36 ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ドラマティックなコリオランも、交響曲第2番も、比較的小編成のこのオーケストラにはぴったりの選曲で、キレのある演奏もすばらしかったですが、私が特に楽しみにしていたのはピアノ協奏曲「皇帝」です。
というのも、反田さんの指揮とピアノの演奏が同時に楽しめるからです。
「皇帝」の前の休憩時間にピアノが運び込まれました。通常コンサートでは、ピアノは横向きに置かれますが、今回は反田さんがピアノと指揮を同時に行うので、ピアノが観客に背を向けて置かれているのがユニークです。
ピアノを弾きながら、どうやって指揮をするのかと思いましたら、ピアノのソロパートはピアノを弾き、オーケストラだけのパートでは指揮を振り、ピアノとオーケストラが重なるパートでは、頭の振りや目の動きで指揮をしているようでした。
私は特に静謐で美しい第2楽章が大好きです。この曲を聴くとダルデンヌ兄弟の「少年と自転車」を思い出します。
映画『少年と自転車』予告編
細切れでわかりにくいですが、この予告映像で流れている曲です。(予告映像を見ただけで泣きそうになります…)映画ではエンドロールを通してこの第2楽章が流れています。
アンコールでは、弦楽トリオによるベートーヴェンの弦楽三重奏曲「セレナーデ」そして反田さんの「子犬のワルツ」心に残るコンサートでした。
わー!反田さんのコンサート行かれたのですね、凄く人気ですよね!そ
れにしても、ピアノと指揮を同時に行うなんて。
コンサートの様子等、興味深く読ませて頂きました♪
私も、その年のショパンコンクールをYOU-TUBEで毎日楽しく応援しながらチェックしていました。
ベートーベンの曲、結構好きなんですが、タイトル名が解らない(曲とタイトルが記憶出来ない)ので、リンクで動画や試聴が出来て有難かったです。
「少年と自転車」懐かしいです。このBGMの曲だったのね、心に沁みるわー。
昔のクラッシック音楽だけど今の映画等に使われても全然違和感なく良い効果を出してる事、結構ありますよね。
latifaさんもピアノを弾かれて、お聴きになられるので
反田さんのことはよくご存知ですよね。
ピアノも指揮もされる両刀使いのアーティストといえば、アシュケナージやバーンスタインなどが思い出されますが、同時に演奏する、というのは初めて見たので興味深かったです。
2021年のショパンコンクールは盛り上がりましたよね!
まるで「蜜蜂と遠雷」の世界をリアルに見ているようでした。
ベートーヴェンの曲に限らずですが、ナンバー曲はあれ?何番だったっけ?となることも。
有名な曲はタイトルがついているからわかりやすいのですが。
「少年と自転車」思い出すと胸がぎゅっと締め付けられますが
「皇帝」の第2楽章の美しくも優しい旋律が映画の余韻と相まって、心に残っています。
クラシック音楽が効果的に使われている映画といば
「ベニスに死す」「みじかくも美しく燃え」「ゴッドファーザー Part 3」など...
どれも忘れがたいです。
映画に登場する音楽が生演奏で聞けるのは嬉しいですね⁉
「少年と自転車」なかなかに胸に刺さる映画だったと思います。ちょっと詳細を忘れちゃってるけど…
とにかく父に追い返されるところとか辛くて~
オーケストラはしばらく行ってないですが、心豊かになりますね☆
「皇帝」はもともと好きな曲だったので、音楽の美しさによる相乗効果で
この映画がよりいっそう印象深い作品になりました。
ダルデンヌ兄弟の作品は社会派ですが、結構見るのが辛い作品が多いのですよね。
ケン・ローチ監督や、是枝作品にも通じるものを感じます。
私はご存知のように、アマチュアのコンサートは月一ペースで行っているのですが
やはりプロの演奏はまるで別物で、技術や表現力にはっとさせられます。
いずれにしても音楽はよいものですね。