ナイキの伝説的なバスケットボール・シューズ「エア・ジョーダン」の誕生物語です。
お仕事系の映画が好きなので楽しみにしていた本作。早速見に行ったのですが、例によって記事にするのがすっかり遅くなってしまいました。予告を見た時から傑作の予感がしていましたが、期待通りにおもしろかった! 見た後にさわやかな感動が残る作品でした。
監督がベン・アフレックということもあって、ストーリーはまったく違いますが「アルゴ」のテイストに通じるものがありました。まじめな内容なのに、テンポがよくて、ユーモアがあって。ベン・アフレックのユーモアのセンス、大好きです。
また本作は、ベン・アフレックの親友マット・デイモンが主演していて(グッドウィル・ハンティングのコンビ!)そのこともうれしかったです。
マイケル・ジョーダンのマネージャーの口の悪いところが、ボストンっ子のベンが考えたセリフに違いなく、そんなところも、にやにやしながら見ていました。
本作はナイキの創業の物語でも、マイケル・ジョーダンのサクセスストーリーでもなく、あくまで「エア・ジョーダン」の誕生物語。そのことにフォーカスしていたのもよかったです。
マイケル・ジョーダンをブランドにしたバスケットシューズですが、当のマイケル・ジョーダンは本作ではほとんど登場しません。その代わり、鍵を握る人物は、マイケル・ジョーダンの母親です。演じるヴィオラ・デイヴィスはさすがの存在感でした。
当時、まだ高校生選手だったマイケル・ジョーダンの才能を見出し、会社の反対を押し切ってマイケル・ブランドのシューズを作ることを推し進めたナイキのソニー(マット・デイモン)。同じく息子の才能を信じる母親は、ソニーの申し出を受けるにあたって
契約金額以外に、シューズ一足あたりのロイヤリティを支払うことを条件にします。こうしたロイヤリティ契約の火付け役となったのが、エア・ジョーダンだったという事実も興味深かったです。結果的にはエア・ジョーダンは、ナイキを代表するヒット商品となりました。
ソニーがマイケル・ジョーダンの母親を説得するためにノース・カロライナにロングドライブで向かうシーン。映画を彩る80年代のアメリカンポップスの数々。冒頭のざらっとしたフィルムライクな映像など、どれも私のツボにはまってきゅんきゅんしました。