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自分の心を「斬る」決断『青葉のごとく』

2019-04-23 08:10:04 | 人生を「生かす」には

@時代は江戸幕末の会津藩、長州との戦争を間近の城下町。上士と下士との武士身分の争いから話が展開する。幼い時から許嫁として決めていた女性が他家に嫁に行く事になる。それを阻止しようと武家の恥とならない様、挑発・挑戦していくが他家の男が卑怯な真似を仕掛け、逆に諦めさせようとする。武家の時代、嫁取りは親・家次第で決まる、そのこだわりを打破するべき動きを見せる若き武士の行動を描いた小説。 花嫁と駆け落ちをして、一生追われ、家を潰すか、家を潰され、切腹を覚悟で相手を殺害し婚約を解消させるか・・・決断は「自分の思い心を断ち切る」だった。人の人生には多くの「決断」がある。最後は一人で決めなければならない時。「後悔はしない決断」と言うが「もしあの時〜」は後世に必ずある。

『青葉のごとく・合図純真編』池永陽

  • 動乱の予兆を孕む幕末の会津藩。下級武士の家に生まれた伊庭俊輔は、頭はいいがおとなしい一平、何事にも中庸を得た新次郎ら幼馴染と楽しい日々を過ごしていたが、上士の弟子に因縁を吹つかけられ袋叩きに会う。将来を誓いあった隣家の娘である梨津に縁談話が持ち上がり、平穏な暮らしが一変する。時代の激浪に揉まれ、俊輔は大切なものをまもりぬけるのか。
  • 会津藩・藩主松平容保が京都守護職になる事を拒否続けた西郷頼母は罷免となり隠居することになる。そこに出くわした三人が、相談・剣の師匠相手となる。「気とは心。この世の森羅万象」を獣の剣として学ぶことになる。それは眠りを断ち、5感を研ぎ澄ますこと。
  • 俊輔は許嫁の梨津の他家との縁談を断つため剣術を学び勝負することになる。相手は武士の片隅にも置けない闇討など俊輔に掛け、最後には真剣勝負を仕組む。相手を倒すか、梨津と駆け落ちするかを迷う。
  • 俊輔は「心」を切り両方を諦め、頼母の支援により江戸にて剣術を磨くことに決心する。梨津は他家に嫁入りすることなり、両家含め俊輔との約束「死ぬときは一緒」を約束して別れることになる。
  • 学問所:日新館は3千坪に数学方、医学方、天文方を含めた剣術の同樹や弓術、水練のための池もあった。学生は禄高3百石以上
  • 什の掟とは
  •             年長者の言う事に背いてはいけない
  •             年長者にはお辞儀をしなければならない
  •             嘘をついてはいけません
  •             卑怯な振る舞いはしてはなりません
  •             弱いものをいじめてはなりません
  •             戸外でものを食べてはなりません
  •             戸外で夫人と言葉を交えてはなりません