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人間のDNAはどこまで読まれているのか『プラチナデータ(ライト版)』

2020-10-01 08:10:51 | ミステリー小説から見えるもの
人間のDNA解析は現在どこまで進んでいるのか。ヒトゲノム解析は既に2004年に完成しているが、そこから何を読み取れるのか。特に医療においては個々の病気を遺伝子入れ替え(あるいはDNA薬)で予防医学に役立つことが発見されており、国内でもバイオバンクなる国家プロジェクトが進行中である。
この書にある人の解析は果たしてどこまで進んでいるのか予測がつかない。
『プラチナデータ(ライトバン)』東野圭吾
・科警研の傘下にあった部隊警視庁特殊解析研究所が独立、様々な人間のDNAを収集、保存している。そこが行なっている分析は最先端で解析結果からプロファイリングができる。それは犯人の容貌を画像化させるDNAモンタージュだ。材料となる物は、唾液、汗、粘膜、皮脂、耳垢、体毛、血液などで遺伝子から血縁関係、体格、風貌、性格まで読み解く技術となっていた。特に顔を含めた似顔絵も可能でほぼ正確にモンタージュが完成していた。
・国民へのDNA情報登録・検査法案が国会で決定され、さらなる進化を予言させる事になったが、国民の心は不安を煽る事になった。それはプライバシーが暴露される事への不安だった。登録は強制ではないが、登録によって検挙率が向上する警察の立場とそれを悪用される事への懸念が交差し始めた。
・解析研究所の神楽は実は二重人格障害を持った患者であり研究材料として自身も悩んでいた。それは陶芸家の父の作品がロボットによって作られた贋作に苦しめられ自殺した時からだった。心と体が全く違う行動になり他の自分を意識できないことがあった。神楽は人間工学と生命工学を必死に勉学、特に人間の遺伝子は場合によってロボットとの差がない事を知った。遺伝子は人生を決めるプログラムであり、解析ができる物だと。