@先見の明がある人は、考え方も、行動も一味違う。工学博士でありながらビジネスの資金集めなどビジネス交渉術、開発の考え方、物事の捉え方・見方、人間関係の付き合い方など様々な方面での多彩な才能を持っていることに驚愕する。中でも「抜く・引く・省く」技術の応用・発想で「押せば引く」「捨てる側の発想」道理、交渉事は一歩下がった相手の立て方など参考になる内容が豊富だ。特に「人を説得する術」(こうして欲しい、ではなく・なぜ、そうしないといけないのか)から「会話には間」を置き、固定概念に縛られず、常識や前例に囚われない非線型思考(流動的)・発想の転換すること、とある。
「足るを知って欲張らず、自足こそ富と心得て、所有するのではなく与えることに喜びを感じ、身の丈に合った暮らしの中に本当の幸福を見出す」
『抜く技術』上原春男
「概要」注目の次世代エネルギー「海洋温度差発電」の世界的権威が成果を最大限に高めるための方法を伝授します。仕事でも、武道でも、芸術でも、そして人生でも、がむしゃらに「押す」だけでは成果ははかばかしくありません。成長する人や企業は絶妙な「押し」と「抜き」のバランスを心得、自らの柱の一つとしているのです。そんな「抜き」の技術がここにあります!
ー「抜く技術」とは「抜く・引く・省く」の応用・発想の転換
交渉ごと:「自ら一歩引いて相手を立てる」(私を抜く)対人関係を丸く柔らかくする
電子技術:微細技術「空間を抜く」
発電技術:「上手な捨て方」エネルギーの環境型開発・リサイクル・リユース
ー力を抜く仕組みがないものは脆い・弱い
「あそび」車のハンドル 安全や強度は「アローアンスが保証となる」
「売上とは(必要なお金を使って)買うものだ」経営コンサルティング(利益と経費)
絵画の「余白の美」「一色加えない」が最高の美をもたらす
鳥の記憶習性は巣を変えると立ち所に来なくなる(学習機能がない正確な記憶しかない)
ービジネス・仕事における「抜く技術」=汎用性と集中力
人間社会は「推す力」で買う側、使う側の身になっていない(押せば引く構造が大切)
訓練・練習・勉強などは「緊張と緩和」(メリハリ)が必要「抜く技術」
忙しいと称する人の大半は時間の使い方が下手で無駄が多い(集中力の抜き方が下手)
仕事の任せ上手は育て上手になる(我を抜き、力みを抜く、リラックスする)
文章の簡素化ができないのは形容詞、修飾語が多いことに意味が通じなくなる(省く)
話したいことは短く3つに凝縮
商品陳列は「何を並べないか」を考える(余計なもの売れないものは陳列しない)
無駄を省く努力(長時間の会議・頻繁な会議)
良いアイデアほど会議で潰される(丸く無難に納めてしまう)
「捨てる側からの発想」を重視することで発想の転換となる
ー原子力発電は使用済みの燃料の捨て場に困り60%くらいは海に捨てている
原子力は無駄が多く、電力発生後のことを考えたエネルギーではない
開発中のものは「自身の揺れで電気を起こす」
ー「無駄を抜いた」海洋温度差発電
温海水を利用して、水蒸気を発生させ発電、さらに発電から生じるアンモニアを凝縮させつめいた海水で冷やすと「水」ができる
ー人を説得するコツ
遠回りして共感を得る方法として「こうして欲しい」を直接述べず
「なぜ、そうしないといけないのか」を真正面から説くこと
説得する中で会話の「間」をおくことも重要
固定概念に縛られず、常識や前例に囚われない非線型思考(流動的)すること
ー人間関係で行う適度な「抜き」
創造力と忍耐力の積が成長の最大の動力となる(発想転換と継続能力)
仕事は同時並行して行うことが人をより成長させる(同時進行処理能力)
条件を絶えず変え見直し、再構築していく能力(条件の変化に適応する能力)
多くの失敗から学ぶ力・失敗したデータほど価値がある(再考・思考能力)
身を引く時には礼を尽くしながら、潔く身を引く
「NO」「YES」に導くには粘り強く執念で、誠意や熱心さを認めてくれるまで
平凡の積み重ねが非凡を生む(毎日地道な作業を繰り返すことで画期的な案が浮かぶ)
経験は人の成長にとってどれほど有効なことかその為の必要経費を惜しむべきではない
ー三角関係
政治家はお金を持っている財界人に弱く、財界人は許可認可権限を持っている官僚に弱い、官僚は国民を代表する政治家に弱い
ー文化の違い「ナイフとフォーク」vs「箸」
切って刺し力任せの文化とほぐしてつまむ柔らかい精神、引く文化
ー水素の時代
海水から水素を取り出しエネルギーに変える発電事業は未来の救世主となる