@江戸時代の「知」は「書く」ことから始め、四書五経を素読(暗記)し、講釈・演説と出版物が「知」を広めた、とある。 その「近代の知」から現代のインターネット社会でのデータ・知の共有、AIとの関連など「未来の知」はどうなるのだろうか。教育では年齢別の授業も変化し、若い博士(10代でも)専門家が現れ、世の技術革新が倍以上に加速し、人間の「知」がAIロボット支流の世になるかもしれない。
『江戸の学びと思想家たち』辻本雅史
長い戦乱をへて平和がもたらされた近世とは、世代から世代へと〈知〉を文字によって学び伝えてゆく時代の到来であり、そうした「教育社会」こそが、個性豊かな思想家を生みだした。朱子学から、山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂徠、貝原益軒、心学、そして国学まで、〈学び〉と〈メディア〉の視点から広くみわたす江戸思想史入門。
ー江戸時代の知や思考は素読(四書五経)によって暗記することが中心で、そのため人の「心」の問題が組み込まれていなかった(知の身体化)
ー「塵劫記」に算数書
京都豪商の角倉一族の書(算盤、両替、利子計算、面積・堆積・検知、租税)
ー江戸時代の手習所とは
書くことから始め、読みが次、社会的・職業的な知識、道徳規範
書式、文体、用語、書体など地方差はなく共通していた
ー山崎闇斎:朱子学(心の確立=他者との関係性で日々正しい実践できる心の在り方)
ー荻生徂徠:儒学から日記を漢文で書く訓練で農村で独学自習、読書・看書(目で追う読方)
徳川綱吉の寵臣、柳沢吉保に禄仕、論語・孟子など講釈等で世に発信
ー貝原益軒:和文の出版書(105書)、福岡藩5男で人的ネットワークを構築
自然界の「天地ー人ー万物」の繋がりから人間としての生き方を考えた
「礼」(作法)と言う身体技法(益軒十訓)
ー石田梅岩:町の講釈を聞き廻り(口語講釈:耳学問から声の復権)
講釈・演説、スピーチ(マス・ローグ)、耳・声・口語で形成(語りの技法)
ー本居宣長:歌会を日常的に利用(文字と声)
漢文から和文に儒学的思考から脱却(人情を共感・共有できる考え方)
ー平田篤胤:幕末の政治運動の駆動力となる(講釈・講説家)
講釈の出版物(弟子たちによる出版)メディア利用し普及させる
ー明治には「明六社」による出版社による定期刊行物が広がる
中江兆民、土佐藩士岩倉使節団に随行、ルソー思想
ー近代ー現代 メディア革命と知の変容
ラジオの普及:1925年
TVの普及:1953年
インターネットの普及:1993年
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