@SNS等から得たビッグデータが科学的分析、さまざまな人間の心理行動等が企業に利用されている。それは今後も人間の心理行動学を学ぶ上で個人データ(プライバシー保護)は決して守られることではなくなることを予測できる。個人情報は個人がどこまで露出させないか、登録しない(利用しない)かに決まると言うことになる。よって心理学の重要性は今後ビジネス上欠かせない学問になる、と思う。この書は心理学歴から現代、近未来の「心理学」の課題などが記されている。
『1冊で心理学学位』アラン・ポーター
心理学とは何か、誰によってどのような研究が行われ、今日の社会や医療にどのように役立てられているか。心理学の歴史とともに、発達心理学や社会心理学といった各分野や、心理学の分野が抱えている現代の課題と方向性も論じており、心理学の重要性や、未来の社会に与える影響なども知ることができる。
第1章 心理学とは何か
知識体系、学問分野、専門的職、完成された科学ではないが証拠を持って理論付している
社会心理学・生物学的心理学・個人差(知能と性格)・認知心理学・学習心理学・発達心理学
歴史: 古代ギリシャから発祥
プラトンの人間の心(魂と肉体の二元論)
デカルトの二元論(心と物質・心と身体)
19世紀後半1908年ドイツの実験心理学者ヘルマン・エビングハウス
第2章 学習心理学 行動主義
イワン・パブロフ(ロシアの生理学者):「パブロフの実験」犬の反射研究
ジョン・ワトソン(米国の比較心理学者):「アルバート坊や」の研究
8ヶ月の赤ちゃんに動物の写真を見せ、鉄の棒をハンマーで音を作る
バラス・フレデリック・スキナー(米国心理学者):「ソーンダイクと問題箱」
猫の学習機能を研究、空腹の猫を箱に入れて餌への行動を観察
第3章 認知心理学 記憶の仕組みの解明
グスタフ・フェヒナー:「シングルケース実験」
人間の記憶の研究(一度に多くの単語を想えるより間隔を開けた方が効果的)
ヘルマン・エビングハウス:「無意味音節」(忘れる部分は理解できなかった部分)
忘却曲線(覚える時間が長くなると記憶が保存されない)
ジョージ・ミラー:「マジカルナンバー7」(人間の情報処理能力の限界)
7桁以上の電話番号は覚えられない人が多い(7+ー2)
リチャード・アトキンソン、リチャード・シフリン:「リハーサル」
電話番号を何度も言うことで長期記憶には格納できる
第4章 生物学的心理学 脳と神経系
フランツ・ガル(骨相学):「対側支配の原則」(脳の右側が体の左皮を制御する)
チャールズ・ベル、フランソワ・マジャンディー:「ベル・マジャンディーの法則」
運動と感度が異なる神経経路に支配されている(自律神経・交感神経)
マリー・ジャン・ピエール・フランス:脳の機能
大脳半球を除去すると近く、運動力、判断力が失われ
小脳を切除すると平衡感覚と運動協調性が失われる 脳幹削除で死亡する
ハンス・ベルガー:脳波
洞察力・意識向上の時はガンマ波(31~100hz)
安静時はアルファー波(8~15hz)・警戒時はベータ波(16~30hz)
眠り開始時はシータ波(4~7hz)・深い眠りはデルタ波(0.1~3hz) 第5章 発達心理学 育成と教育
ルソー、フリードリヒ・フレーべル」「幼稚園」の普及
ジェームス・マーク・ボールドウイン:「子供の進化論」
利き手・色の認識・言語(身体的発達・精神的発達)
ジャン・ピアジェ:「ピアジェの実験」(認知の発達段階が異なる)
0~2歳:五感の統合
2~6歳:自己中心性の遊び
7~11歳:状況保存・自己中心性が消える
12~大人:論理的思考・抽象的思考の発達
ローレンス・コールバーグ:子供の善悪の概念
幼少期:罰と回避と服従・個人的な利益があれば進んで他者と協力
6~8歳:良い子・権力者を喜ばせる、弱いものは考慮しない
15歳~:法と秩序・ルールは守るべきものであり、疑問を持つべきではない
大人:社会契約 ルールは大人が作る、利益がなければ変更される
第6章 社会心理学 集団思考
レンシス・リッカート:「リッカート尺度」(態度の測定方法)
1~5段階のスケール表で心理を測定する
とてもそう思う・そう思う・どちらとも言えない・そう思わない・全くそう思わない
アーヴィング・ジャニス:集団思考(精神効率・道徳的判断)
異議あるものに圧力をかけて道徳的判断の警告をすると無視する傾向がある
敵対者に対する固定概念を持つ・自己検閲
4つの防衛策をとる
公平さを保つ・積極的な意見を求める・別グループを作る・意見交換
第7章 知能の心理学 能力と人格
フランシス・ゴルドン卿:「正規分布」(ガウス分布)
中心(平均値)にデータ点が集まり、釣鐘曲線の形状を下左右対称分布を作る
ウイリアム・スターン:「知能指数IQ」
知能指数IQ=知的能力=精神年齢/実年齢 x 100
チャールズ・ダーウイン:「自然淘汰」
グレゴール・メンデル:「対立遺伝子とメンデル遺伝」
それぞれの親が子孫に対立遺伝子を供給する(優性か劣性=新合成)
世代の遺伝子共有度
祖父母 12.5% いとこ 12.5%
祖父 25% 叔父・叔母 25%
父 50% 兄弟 50%
娘 50%
孫娘 25% おい・めい 25%
曽孫 12.5% おいの子・めいの子 12.5%
第8章 パーソナリティ心理学 気質、性格とパーソナリティー
レイモンド・キャステル:「因子分析」(パーソナル領域)
パーソナリティー理論(16因子)・36表面特性 (客観的テストデータ表)
内向的・不安定・外交的・安定性(憂鬱・怒りっぽい・楽観的・鈍重)
ハンス・アイゼンク:「アイゼンク性格検査(EPQ)」
EPQ=外交性・精神症傾向・精神病傾向 3つの測定を可能にする
ヘルマン・ロールシャッハ:「インクプロット」(臨床心理士によるもの)
人は意識的及び無意識的な欲求、恐怖、欲望を個人的なパターンで持ち込む
ジョン・キールストロム:「5因子理論」(5つの質問による認識)
解放性・誠実性・外交性・協調性・精神症傾向
第9章 臨床心理学 精神科医から精神分析科医
ジークムント・フロイト:「精神分析」(広大な無意識の領域を検証)
心理療法(カウンセリング)
第10章 プロフェッショナル心理学
健康心理学 (健康信念モデル・HBM)
看護師、栄養士、外科医、理学療法士
法医学心理学 職業心理学 心理学的アセスメント
マイヤーズ・ブリッグス:「性格テスト」 Cognitive Functions
第11章 心理学の未来
ポジティブ心理学 人間の強みに焦点を当てる
神経科学・認知神経科学・計算論的神経科学・システム神経科学
ウエアブル技術
心拍数モニター・バイオセンサー
生態学的経時的評価:日常生活における行動のリアルタイム研究
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