@「絵本」はさまざまな世代と社会の、大人の複雑なストレスを解放してくれるような気持ちになる。特に「星の王子さま」は人間が生きる上での大切なものを感じさせ、辛い悲しいことでも乗り越え、支えてくれる。昔出逢った絵本をもう一度ゆっくり、じっくり自分の経験を振り返りながら読むと違った世界が見えるかもしれない。
『大人が絵本に涙するとき』柳田國男
絵本はユーモア、悲しみ、思いやりなど、生きるうえで大切なものに深く気づかせてくれる。心の潤いを取り戻すために、大人こそ絵本を読もう。柳田邦男が愛する80冊の絵本を紹介。
ー「大人こそ絵本を」
「絵本は読む人の人生経験が豊かになるにつれて、内容を深く味わえるようになる素晴らしいメディアであり、自分自身の生き方や心の持ち方や子供の心の成長などを考える為の滋養分となる」
「言葉の力・生きる力」になり、年齢や世代を超えて共有できる
「ユーモア、機智、悲しみ、別れ、思いやり、心のつながり、支え合い、愛、心の持ち方、生き方など人間としての生きる上で大事なものを、深く考えさられる」
ー大人が読むその3つの理由
1、人は社会生活を営むうちに、仕事や家事やお金のことばかりに頭を使い、いつしか豊かな感性や、相手を想う心の持ち方や、生きる上で大切なものは何かを考えるゆとりを枯れさせている
2、落ち込んだ時や年老いたり病気になったりしたときに、絵本は心を柔らかくほぐしてくれたりユーモアーの心を取り戻させてくれたりする
3、子供の情報環境がテレビ、携帯、パソコンなどによって劣悪化しているのかで、絵本は親と子、大人と子供が同じ空間と肉声と表情と物語の世界を共有できるメディアとして他にはない可能性を持っている。そのことは子供の心の発達とパーソナリティー形成に重要な意味を持つ。
ー大人にすすめる絵本
「100万回生きたねこ」「木を植えた男」「アンジュールある犬の物語」
「スイミー」「悲しい本」「ヴァイオリニスト」
「お母さんになるってどんなこと」「ともだちからともだちへ」
(どんな大成功の影にも、逆境に打ち勝つ苦労があり、どんなに激しい情熱を傾けようと、勝利を確実にする時には、絶望と戦わなくてはならぬことを)
ー座右に置くのをすすめる絵本
「きりのなかのはりねずみ」「はくちょう」「世界一うつくしいぼくの村」
「しかよ俺の兄弟よ」「よるくま」
ー「クマネズミ」(コペルニクス的転回=真似できない生き方で人の鏡になること)
生きる意味、たとえ絶望的な状況下にあっても、自分は最後までこう生きたいと思うこと
ー絵本は「ケアする人、ケアされる人」のために
「お兄ちゃんがいてよかった」「ぼくのいのち」「だききしめてほしくって」
「いそがしいって言わないで」(抱きしめることが心の発達を支える)
「くまのアーネストおじさん」(バイオリいの音色)
ー眠れない夜の寂しさを変える絵本
「アルフィーとくらやみ」
ー命を支える言葉の花束
「葉っぱのフレディーいのちの旅」「星の王子さま」
(目に見えないもの 心の中で生き続ける)
ー「大人になって改めて読むことは、悲しみや喜びのきめ細やかな環境を取り戻すこと、心の砂漠にオアシスをもたらすことにつながるはず。それは幼少期の「感情の分化」を再体験するに等しい。特に挫折や失敗や自分の力ではどうにもならない事態のことを、絵本という柔らかい表現を遠して味わうなら、理屈やお説教と違って、心の深いところをそっと揺すられるような気持ちになる」
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