MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

牡丹と竜

2018-07-01 23:26:31 | 邦画
CSのチャンネルNECOでいつ録画したのかは不明ですが
ここ2、3日東京では梅雨が明ける前からナゼか風が強くて
エアコンを使わない部屋では窓を全開にしておいたのですが
強風でカーテンがあおられたのか窓際に既視とか未見とか関係なく積んでおいた録画Blu-rayの山が崩されており、片付けてる時に見つけましたよ「牡丹と竜」

と言うことで前から見たかったこの映画実は探してはいませんでしたが見たいとは常に
それはナゼかと言うと監督のマキノ雅弘さんが、
あの東映の高倉健主演の人気ドル箱シリーズ「日本侠客伝」の第七作
「日本侠客伝 斬り込み」のセルフリメイクなんだよねぇ
会社がちがうことと脚本笠原和雄とか原案笠原和雄ではなくて原案入山次郎となってるんだけ
どもこの時代は著作権とか煩くなかったのか殆ど誰も問題にしてないようですが・・・
でお小遣い程度の謝礼金で笠原和雄さんもOKでもしたのかしら

一応この「牡丹と竜」を見る前に東映さんが「日本侠客伝」11本をDVDーBOXで発売したのを
持ってるのでオリジナルを見てから日活作品を視聴しました
どっから見てもまんま「日本侠客伝斬り込み」でしたねぇ

でもとは笠原和雄脚本ですから映画自体は本がしっかりしてるし
監督が監督なのでカッチリ仕上がってるのだけども
この時代の高橋英樹自体の演技がまだ若いちゅうこともあってか彼の演技自体が生硬過ぎるのですよねぇ
彼の日活任侠作品でのキャラクターとしてはそれはそれでいいのですけども
またヒロインの和泉雅子さんのキャラクターに女の情感の欠片も感じられなくて・・・
って2本同時に見てしまうとドーしても比較しちゃうのは仕方がないのかなぁ
ってことで日活作品にはどうにも映画的に役者の演技としての艶と
映画としてのメリハリのない作品に見えてしまう

そんな中日活作品だけのオリジナルキャラクターである小林旭さんが一人愉しそうに演技してたなぁ
ラストの殴り込みの高橋英樹との道行きで、高橋が斬った水島道太郎の長ドスを頂いて
抜き身のまんま肩に担いでるのと二人して談笑しながらの道行きなんてね
これはこっちの方がよかったかなぁ

とりあえず日活も傾いて来てる頃ではあるからと言うわけではないのでしょうが
マキノ監督招請での起死回生的な作品とはなってはいませんでしたが

1970年製作、日本映画、日活作品
マキノ雅弘監督作品
出演:高橋英樹、和泉雅子、松原知仁、小林旭、水島道太郎、小杉勇、田崎潤、世志凡太、榎木兵衛
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主婦の体験レポート おんなの四畳半

2018-07-01 18:47:12 | 邦画
一日1本エロチック作品を見ていく企画
今日の一本も日活ロマンポルノからです
昨日見たのは亀戸が舞台でしたが
今日の作品は深川が舞台でしたねぇ下町と言っても亀戸は江戸の御府内ではあるものの実は郊外
深川はある意味下町の繁華街ですよねぇ
ちゃんと深川不動尊の参道の俯瞰映像とか、お隣の八幡さまの力士石碑とかしっかりと画面におさまっていました

そんな深川にあるおんぼろアパート「不動荘」に起居する3組の夫婦と、
大家で女とギャンブルに入れあげて借金まみれのダメ親父とその娘野百合(川崎あかね)らの人情味溢れる喜劇と言うか、ある意味悲劇と言ってもいいのかな
私的には川崎あかね目当てで見ましたがヒロインはやっぱり宮下順子さん
そして田中陽造の脚本が実にいい

銭湯の女湯での若奥さんたちの会話の情景から始まり、その話題はもちろん昨晩の閨房での名残である
オープニングではなんと大家の新しい二号さん丘奈保美、
そしてラストはなんとその奥方の渦のなかに丘奈保美が入り込み
名残を見せるのは川崎あかねと言うことでのシンメトリー

そんな木造ボロアパートって言うのがタイトルになってるのかな
そうなんですつまりは四畳半一間のキッチンつきのお部屋
時代を感じさせる1975年って言うと昭和50年いまだにこんなアパートの風景が
当時はそうでもない普通だったんでしょうけども
見てるこっちにはノスタルジーを掻き立てる

ノスタルジーと言えば宮下順子さんの元職業がトルコ嬢、そうですね
国名は不味いとトルコ風呂からソープランドに改名されていくんですねぇ
で今ではソープ嬢に・・・
田舎からでて来た青年がトルコにはまって身を持ち崩し
一方のトルコ嬢も彼に好意を寄せながらもサラリーマンの奥さんに憧れて・・・
このボロアパートに居住する若奥さんたちは、
そんなワケありな過去をもつ元トルコ嬢だった宮下順子、
腹ボテの大工の女房に絵沢萠子、
旦那との閨房のおつとめのための準備体操に余念がない麻生彩子
大家の殿山泰司が連れて来た二号さんに丘奈保美と、
この他に大家の娘でおでんやを営んでる川崎あかねと

女優さん面子がすごいです
さらに丘奈保美と濡れ場を演じるけども殿山泰司が狂言回し的な役割で
しっかりと映画全体を締めてくれるんですねぇ

あ、宮下順子のクライマックスともいえる死ンでいく男とのセックスというケレンがいいですよね
彼女のバックの色調が性的興奮に合わせて色が変わっていく
まさに鈴木清順が日活に残していった遺産の継承でもあったような

実はキャスティングクレジットでは川崎あかねと宮下順子の二枚看板なんですが
このクライマックスの宮下順子のセックスシーンまで川崎あかねは全く脱がなくて、
実にクライマックスが終わってから余録として浜口竜哉との処女喪失シーンを持って来てるんですねぇ
私的には川崎あかねは、このまま脱がなくても宮下順子が、死んだ男の骨をひそかにアソコに入れて弔うと言うこわ~い描写が実に深くて
本作では川崎あかね清純派の役どころと言うことでノンヌードでも映画としては成立してると思っていましたが、やっぱり最後に脱がしちゃいましたね

濡れ場もきちんとドラマ的な必然を持って描かれているところがこの映画の優れたところでもある、田中陽造の脚本ここに極まれりといった感じか。

「続おんなの四畳半」「新おんなの四畳半」と3部作なんですねぇ
是非をこれらもDVD化化してほしいのですが
なんともDVDジャケットが実に精彩がないので見出し画像はタイトルロールにしましたが
下にジャケット画像も貼って置きます

1975年製作、日本映画、日活ロマンポルノ作品
田中陽造脚本、武田一成監督作品
出演:川崎あかね、宮下順子、絵沢萠子、麻生彩子、殿山泰司、安達清康

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