殺しの依頼遠受けて成功して後金をもらうために約束のバーを尋ねると、依頼者は報酬でなく警察を差し向けられ復讐に燃える天知茂演じる殺し屋と、偶々その場に居合わせたため隠れ蓑として連れ回される三原葉子演じるダンサーの女、そしてその女のが彼氏であり新聞記者である吉田輝雄演じる男の3人が神戸の街のカスバである。神戸の無国籍というような異空間の街で交錯するミステリー作品
このカラーで描かれたカスバのセットでこの作品も過去に見ていたというか記憶が蘇ってきたもののストーリーに関しての記憶は最後まで戻らずに十二分に新鮮な気分で楽しませてもらった

新東宝が「白線地帯」「黒線地帯」に続いて送る“地帯(ライン)”シリーズの第3弾だそうで第四段は色(カラー)ではなくて「セクシー地帯」になるのかな
何せ新東宝作品の遺産(フィルモグラフィー)は国際放映が保管してあるのみで
欠損作品も多いようですので見ることができるかできないかは今んとこは不明
天知茂さんのニヒルでハードボイルドな殺し屋の演技が実にハマっていて
天知茂さんのニヒルでハードボイルドな殺し屋の演技が実にハマっていて
対照的な正義感一筋のブン屋を演じる吉田輝雄が大根すぎて・・・
とにかく天知さんと彼につきそわされる人質的な三原葉子さんとが悪目立ちすぎるものの
とにかく天知さんと彼につきそわされる人質的な三原葉子さんとが悪目立ちすぎるものの
カスバの迷路のような猥雑なセットがこの二人を上回っていると言うとこが新東宝映画なんでしょうかねぇ
お金の関係で撮影班のみが神戸駅や神戸の市街地をロケして後は全て東京と横浜でのロケ演技で作ってる作品だったようで
吉田輝雄が殺し屋との恋人を追って神戸に向かうのに飛行機って編集長に言われるだけで飛行機シーンも皆無でしたねぇ
未だ100円札と100円玉が混在していた時代だったようで。
ヒロインは巻き込まれた経緯と救助要請を百円札に書いて
その札がいろんな人々の手を経て最終的に吉田輝雄に届くって言う漫画みたいなプロットが実に上手いものの
時代ですよねハイヒール一足3200円、闇洋モクが一箱100円
そしてカスバ内のホテルの宿泊費が一泊600円
OLの昼食代が100円って云う時代が映画を通して透けて見えるのもいいなぁ
まさに昭和っていうか未だ実は戦後復興期でもあったような気もしてくる雰囲気がいい。
ただ後半から話も一気に天知の裏切りへの復讐譚と人身売買の絡みとプロットがグダグダになってしまった感は否めないものの
ただ後半から話も一気に天知の裏切りへの復讐譚と人身売買の絡みとプロットがグダグダになってしまった感は否めないものの
天知の死って言うお約束に突っ走っていくカタルシスはさすが石井輝男でしたねぇ
1960年製作、日本映画、新東宝作品
石井輝男脚本・監督作品
出演:天知茂、三原葉子、吉田輝雄、三条魔子、大友純、沼田曜一、吉田昌代、鳴門洋二、若杉嘉津子、扇町京子、瀬戸麗子、天野照子、原利一、大谷友彦、村山京司、スーザン・ケネディ