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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

黒い乳房

2023-03-11 23:11:03 | 邦画
新東宝お得意の煽情的なタイトルですが、至ってまともな入れ替わりミステリー作品っていう事でタイトルの“乳房”は象徴として“女”を表しているんでしょうね

新東宝時代の小畠絹子さんは小畑絹子名義で出演されており
新東宝倒産後に小畑から小畠に変えたようですので
ここでは当時のままのが小畑表記でいきましょうね
なんと池内淳子さんも新東宝の出身だったようですね

っていうことで二大女優の共演に加えて菅原文太、高宮敬二のハンサムタワーズが助演に回っている作品
結構上質のミステリー作品でした
 
横浜に住む小畑絹子演じる桂子は高宮敬二演じるヤクザ塚本の監視をうけながら、昼はドル買い、夜はキャバレー勤めという生活を送っており。彼女には池内淳子演じる看護婦の芳子という妹がいた。
ある時、母のまさ江が交通事故に会ったことから、今際の際に母から二人は異父姉妹で、桂子の父は網走の刑務所にい、芳子の父は小野重工業の社長であることを知らされ
桂子は今の生活から脱却するために妹芳子には逆を教えて自分は小野重工の令嬢に収まることに成功するが
桂子は小野重工の社長の椅子を狙う甥っ子の川喜田雄二演じる早川の手によって塚本との関係が調べあげられていた
早川は桂子に塚本との関係をネタに結婚を迫るが、そこに塚本が出所してきたものだから、危険を感じた桂子は塚本に早川を殺させ、死体処分に断崖上に立った塚本をさらに突き落した
 
自ら社長令嬢に収まるために塚本のドル買いをさしていて万難を排したつもりの計算が狂い始めた兆候ですが
この時代公衆電話から110番に電話かけるのに10円玉入れないとかからないのね
 
そして小野邸では桂子の予定通りに早川の後釜として菅原文太演じる谷口との結婚話が進行されていた。しかし、谷口は池内淳子演じる芳子の方を愛しているという
桂子は目的達成のために実妹というか異父妹である芳子をも殺そうとしたが失敗
やがて早川の死体が発見され谷口は二人の真相を探るために網走刑務所まで出掛けていくのだった・・・
ってこの作品ではちゃんと飛行機が飛ぶ映像まで見せてくれる親切さだ
 
入れ替わりっていうプロット自体は散々使われてきた使い古されたものであるものの
新東宝作品としては至って真面目に撮ってる作品でして
いかにして稀代のヴァンプを始末するかのがクライマックスに全てがかかった作品でしたかね
見応えのある作品と言っていいだろう
これは監督土井通芳の力量だと思うけど文太兄さんの演技はこの当時見ていた吉田輝雄とさほど変わりなかったなぁ
台詞回しも単調だったし
 
1960年製作、日本映画、新東宝作品
土井通芳監督作品
出演:小畑絹子、池内淳子、藤村昌子、菅原文太、林寛、川喜多雄二、高宮敬二、若杉嘉津子、晴海勇三、倉橋宏明、渡辺高光
 
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グッバイ・クルエル・ワールド

2023-03-11 17:12:32 | 邦画
日本映画を積極的に見ていこうって云う企画で視聴した作品
そう個人的には西島秀俊っていう役者さんがあんま好きではないのと相まって
映画の情報を入れない人ですから、まさかこのような派手なドンパチ映画だとは思ってもみなかった
そうだよね本編でのタイトルも「Goodbye Cruel World 」ってカタカナ表記じゃなかったなぁ
オープニング4人の歳の違った男と一人の女が70年代の外車に乗っかって意味のない会話を交わしている
カットが変わるとラブホに1人の男が入っていき・・・
厳重にチェックを受けてある部屋に入るとそこはなんと資金洗浄してるところだった
そこにさっきの5人組が派手な橙色のビニールコートに目出し帽で
まずはラブホの入り口が開けられた時にさきほどの男と入れ替わりに拳銃突きつけて入ってきて
護衛を縛り上げ資金洗浄の金を全部1発の銃声も出さずに一人も殺さず現場の金6、7千万をみごとに拐っていく
という実にかっこいい洋画っぽいオープニングに引き付けられる
 
なんとこの連中この資金源強奪のためにたった一回限りで集められた連中のようで
ネタ元の女が“取り分すくねぇ”って斎藤工に文句言うから、斎藤工クンなんと宝石店のタタキに参加させる
このタタキは実に派手でなんとショウケースのガラス全て叩き割り宝石を全て・・・
って時に斎藤工クンはこの女“生意気でオメェがうざいんだ”ってその場でノシて置いてってしまう
 
一方資金源を襲われたヤクザ組織は若頭が指揮をとって犯人探しに
ってここに部外者として大森南朋演じるヤクザとズブズブな関係にある。刑事が犯人探し乗り出して
ラブホの受けつけの宮沢氷魚がデリヘル嬢に同情してここの秘密を話しそれをデリヘル嬢が彼氏である宮川大輔に話し、そこからタタキ専門の斎藤工が、元ヤクザでこの組織に潰された因縁のある西島秀俊、そして元全学連闘士の爺さん三浦友和があつまって冒頭の強奪事件を起こすものの
大森南朋によってデリヘル嬢の玉城ティナから宮沢氷魚演じるフロント係とのつながりが見えてきて
ラブホのタタキからこの大森南朋の刑事の犯人探しまでは普通にめっちゃテンポがよくて導入もつかみも素晴らしいけど!!

玉城、宮沢の2人が大森の庇護の元で斎藤工への敵討ちとして透明なビニールコート着て喫茶店で無差別にショットガンで殺戮をするという、完全に“狂える(クルエル)”姿を見せてしまってからは、西島と三浦友和の過去と現在の境遇にスポットが当たり始めてくると
失速感が否めなくなって、って云うのもテンポよくハードボイルドだった映画がなんと日本人の人情譚みたいな作風に変わってしまうから
湿っぽくなったりしてしまう
だってねぇ西島は愛想尽かしされて奥さんと子供と別居してて
タタキの金でなんとか旅館を買い込んで今では一緒に暮らしてるわけで
この奥さんに片岡礼子さん、そしてヤクザの追っかける側の若頭には鶴見辰吾さんと言うわけで、
この二人「夢犯」で共演されてましたよね、今は昔のお話ですけども・・・

まぁこの西島の旅館に昔弟分だった奥野瑛太が現れてから西島にも破滅の足音が・・・
いやこの奥野瑛太が実にハマり役だったなぁ、この作品では唯一のハマり役だったと思える
そして三浦友和に誘われて選挙資金の裏金強奪しなければこの二人も死なずに済んだんだろうなぁ
大森南朋も何故か撃たれているし、そんな体でどうやって甲府まできたのか知りませんが西島も裏金強奪中に宮島・玉城チームに襲われて
西島と大森が傷ついて昔語りしてるとこにヤクザのチンピラたちがようやくやってきてカメラが空にパンしたとこに銃声1発のラストシーン
 
これまたこっちにどっちが死んだって投げてよこすんですね

2022年製作、日本映画、「Goodbye Cruel World」製作委員会作品
大森立嗣監督作品
出演:西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔、大森南朋、三浦友和、
片岡礼子、奥野瑛太、奥田瑛二、鶴見辰吾
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