新東宝お得意の煽情的なタイトルですが、至ってまともな入れ替わりミステリー作品っていう事でタイトルの“乳房”は象徴として“女”を表しているんでしょうね

新東宝時代の小畠絹子さんは小畑絹子名義で出演されており
新東宝倒産後に小畑から小畠に変えたようですので
ここでは当時のままのが小畑表記でいきましょうね
なんと池内淳子さんも新東宝の出身だったようですね

っていうことで二大女優の共演に加えて菅原文太、高宮敬二のハンサムタワーズが助演に回っている作品
結構上質のミステリー作品でした
横浜に住む小畑絹子演じる桂子は高宮敬二演じるヤクザ塚本の監視をうけながら、昼はドル買い、夜はキャバレー勤めという生活を送っており。彼女には池内淳子演じる看護婦の芳子という妹がいた。
ある時、母のまさ江が交通事故に会ったことから、今際の際に母から二人は異父姉妹で、桂子の父は網走の刑務所にい、芳子の父は小野重工業の社長であることを知らされ
桂子は今の生活から脱却するために妹芳子には逆を教えて自分は小野重工の令嬢に収まることに成功するが
桂子は小野重工の社長の椅子を狙う甥っ子の川喜田雄二演じる早川の手によって塚本との関係が調べあげられていた
早川は桂子に塚本との関係をネタに結婚を迫るが、そこに塚本が出所してきたものだから、危険を感じた桂子は塚本に早川を殺させ、死体処分に断崖上に立った塚本をさらに突き落した
自ら社長令嬢に収まるために塚本のドル買いをさしていて万難を排したつもりの計算が狂い始めた兆候ですが
この時代公衆電話から110番に電話かけるのに10円玉入れないとかからないのね
そして小野邸では桂子の予定通りに早川の後釜として菅原文太演じる谷口との結婚話が進行されていた。しかし、谷口は池内淳子演じる芳子の方を愛しているという
桂子は目的達成のために実妹というか異父妹である芳子をも殺そうとしたが失敗
やがて早川の死体が発見され谷口は二人の真相を探るために網走刑務所まで出掛けていくのだった・・・
ってこの作品ではちゃんと飛行機が飛ぶ映像まで見せてくれる親切さだ
ってこの作品ではちゃんと飛行機が飛ぶ映像まで見せてくれる親切さだ
入れ替わりっていうプロット自体は散々使われてきた使い古されたものであるものの
新東宝作品としては至って真面目に撮ってる作品でして
いかにして稀代のヴァンプを始末するかのがクライマックスに全てがかかった作品でしたかね
見応えのある作品と言っていいだろう
これは監督土井通芳の力量だと思うけど文太兄さんの演技はこの当時見ていた吉田輝雄とさほど変わりなかったなぁ
台詞回しも単調だったし
1960年製作、日本映画、新東宝作品
土井通芳監督作品
出演:小畑絹子、池内淳子、藤村昌子、菅原文太、林寛、川喜多雄二、高宮敬二、若杉嘉津子、晴海勇三、倉橋宏明、渡辺高光