山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

WBCチャンピオンで思うこと

2006-03-22 06:10:07 | 独り言
王ジャパンがWBCのチャンピオンになった。この快挙に日本中が感動し沸き立った。すごいことである。日本人の心が一つになった瞬間でもある。

さて、私たちの心が一つになったのは、本当はいつだったのだろうか?
一部の熱狂的な野球ファンを除けば、多分、対アメリカ戦での主審の大誤審の時からではないだろうか?あの勝敗を左右する場面での、明らかに誤った審判に私たちは怒った訳で、あの瞬間から私たち日本人の心は一つになった。と思う。

王監督は、『日本の野球の将来のために』というミッションを掲げて戦いに臨んだ。使命感を持つ人間や組織は強いしくじけない。強い信念に裏付けられているからである。これでまた、野球少年が一気に増えるのか。

荒川静香さんらの美しい舞いを見てフィギュアスケ-トを始める少女が増えたという。カ-リングもしかりである。見たもの触れたものに影響されやすかったり憧れを抱くのは、何も日本人だけではあるまい。

しかし不思議なものである。だからといって、フィギュアスケ-タ-が決して5000万人にはならないし、野球人口が5000万人になることもない。よくバランスされているものである。もし、一つのものに人気が集中し、国民の半分の人たちが始めてしまったらどうなるのだろうか?

例えば、ロッククライミング。谷川岳の一の倉沢の岩壁に、年間5000万人の人が取り付いたらどうか?おそらく、打ち込まれるハ-ケンによって10年もしないうち垂直岩壁は崩壊するだろ。

例えば、日本中の渓流に5000万人の釣り人が訪れたらどうだろうか?
溪魚が絶滅する前に、釣り人同士の諍いによる殺戮で釣り人が絶滅してしまおう。
でも決してこんな事にはならない。よくバランスされているものだと、つくづく思う。Xジャパンのコンサ-トだって夏の湘南海岸だって、あの程度ですんでいる。

ことほど左様に、どんな世界でも同じである。商売の世界ももちろん同じである。
地域一番の歯科医院などと言っているが、持ち患者3万人のクリニックが日本に何件あるのか?日本一の会計事務所を目指すという同業者が何人もいるが、いま日本一の規模を誇る会計事務所でも社員数は精々100人程度である。小さい小さい。

患者は、日本一の歯科医院を望んでいるのか?会計事務所のクライアントは、日本一の会計事務所を望んでいるのだろうか?違うと思う。患者やクライアントは、自分を一番大切にして欲しいと、ただそれだけを望んでいるはずである。
ここを間違えてはならない。私たちは、何も日本一を目指すことはない。私たちの、いま目の前にいる患者やクライアントを、自分の一番大切な人として心を込めて接し、良き理解者になろうとすれば良い。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なに不足? | トップ | 二代目の価値 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

独り言」カテゴリの最新記事