全国各地で高校野球の地区予選が始まったが、前評判の良かった高校が次々と敗れている。
我が母校・日大三も、勝利こそ収めたものの、初戦、次戦と公立校相手に、途中までリードを奪われる苦戦。
21世紀に入ってからは、初戦から2戦続けて9回までやった(=コールドで勝てなかった)のは、今年が初めてである。
母校がカツことを願い、ゲンかつぎにカツを喰うだけでは効果がないようなので、
『御利益』という縁起のいい店名のうどん屋さんで食事をし、御利益を得ようと思い、お店に向かったところ、
今回のブログタイトルのように、衝撃の事実に出くわしてしまった。
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閉店したのが先月末の6月30日で、私が最初で最後の訪問をしたのが、その約2週間前。
店主のおじちゃんもおばちゃんも元気だったし、お店も繁盛していたので、突然の閉店にはビックリである。
結果的に、一期一会となった御利益さんのうどんを、以下で紹介することにする。
1度しか食べたことのない私が、このお店について語るのはおこがましいだろうが、そこはご容赦願いたい。
以前から「ウマくて量が多いうどん屋さん」と評判だった御利益さんだが、
店舗の場所が杉並区で、最寄り駅は地下鉄丸ノ内線の方南町、しかも営業時間が10時~14時の昼だけというのは、
東京の西側に住んでいて、普段は正午くらいまで寝ている私には、なかなか行きづらかった。
その日はたまたま早起き(一般的にはだいぶ遅いが)したので、御利益さんのうどんをいただこうと決意。
JR中央線に乗り高円寺で下車し、環七と方南通りを約40分間てくてく歩き、13時頃ようやくお店に到着。
ピークの時間はすぎたらしく、カウンター席が空いていたが、その後もどんどんお客さんが入ってくる。
着席するとすぐに、接客担当のおばちゃんが、冷えたお水の入ったビンとコップを持ってきてくれた。
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暑い中を歩いてきて、ノドがカラカラだったので、このお水はありがたいよ。
私がオーダーしたのは、冷たいうどんに天ぷら盛り合わせがつく「ざる天ぷら付」1100円。
「天ぷらがバカ盛りで、値段以上の価値アリ」との噂を聞いていたのでね。
しばらくすると、隣の若い男性客に「たぬきうどんの冷やし」が提供された。
一般的な冷やしたぬきは、揚げ玉にネギ、キュウリ、あとはせいぜいナルトとワカメと紅生姜くらいだと認識しているが、
こちらのは、上記の具材以外にも、ナスとイモの天ぷらに、厚焼き玉子まで加わり、しかもうどんは山盛り。
噂通り気前のいい店だなあ…と感心している私の前で、店主のおじちゃんがジャンジャン天ぷらを揚げだした。
他に天ざるを頼んでいる客はいないけど、あれってまさか、全部私の分なのか…という不安がよぎる中、
まずは各種薬味とつけ汁が登場。
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ネギと生姜に昆布の佃煮。ツユの中には、柑橘系果実の皮がひと欠片入り、さわやかな香りがする。
その後すぐに、冷水で締められたうどんがやってきた。まずは上からのアングル。
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そしてこちらが横からのアングル。普通でもじゅうぶん大盛りだ。
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まずはうどんだけをツユに浸して食べると、やや細目の麺にはしっかりコシがあり、薄口ツユとの相性も良好。
天ぷらの量だけでなく、うどん自体で満足できるな…と喜んでいたところに、天ぷらが別皿で登場!
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さきほどの不安が的中する、予想以上の量に驚き、思わず苦笑いしてしまった。
こちらが別のアングル。タテやらヨコやら、よくもこれだけ盛り付けたものだ。
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天ぷら盛りの内訳を、あいうえお順に羅列すると、アスパラ(1本丸ごと)、海老2尾、エリンギ、カボチャ、
さつまいも、しいたけ、春菊、ズッキーニ、ナス(1個丸ごと)、ニンジン、ピーマン、レンコン、
そして巨大なししとう(万願寺唐辛子?)に、春菊に似た形状をした、謎の黒紫色の物体、以上全14種15個。
各種天ぷらをうどんの上に乗せて、
塩やうどんツユに浸して食べてみる。
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ピーマン隣の黒い固まりが、先述の謎の物体。正体がおわかりの方、ぜひ教えてください。
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個々の具材がデカいので、食べても食べても減らない。これで1100円とは、「何かの間違いでは?」と疑いたくなる安価である。
そのような、大量の天ぷら軍団との格闘に、かなりの時間を費やしてしまったのだが、
その間もうどんは伸びることなく、なめらかな歯触りを保っていたのに驚いた。
店内壁の説明によれば、「当店は水、昆布、煮干し、みりん、塩などは、吟味かつ厳選した食材を仕入れ」、
「お子様からご年配の方までの健康食・美容食としてお召し上がっていただくよう努めております」とのこと。
御利益さんは量もさることながら、うどん自体の質もよい、素晴らしいお店であった。
なんとか全部たいらげ、お会計をした際、おばちゃんに「おいしかったけど、ずいぶん多いですね…」と感想を述べたところ、
「少な目もお作りできますよ」というおばちゃんの返答にかぶせるように、店主が「これがウチの量だから!」と補足。
厨房内では、おばちゃんへの指示以外はほとんど声を出さず、寡黙で頑固そうな店主だが、
店の前を通る下校中の小学生に対し、「おかえりー!」「こんちはー!」と声をかけ、児童たちも返事していたのが印象的だった。
そういえば、ここの割り箸の入った紙袋には、お店の名前ではなく、店主の心意気を表すかのように、
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粋の一文字が記してあったっけ。
私も小学生のように背筋を伸ばし、「また来ます!」とはっきりとした声で告げ、お店をあとにした。
帰路での私は「次はカレーか、肉汁か、それともざるの大盛りか…待てよ、天ぷら単品にビールもいいなあ」と、
次回訪問時に何を食べるか悩んでおり、この時点では本当に、近日閉店になるとは、思いもよらなかった。
連日、大勢のうどんマニアをうならせ、大食漢の若者たちを満足させ、地域のお子さんたちにも慕われていた、
粋で真面目なご夫婦が営むうどん店に、もう行くことができないなんて、残念で仕方がない。
最後に、失礼なのは承知の上で、この場を借りて最後の御挨拶を。
おじさん、おばさん、おいしいうどんをありがとうございました。御利益のことは一生忘れません。
どうか、いつまでもお元気で!
我が母校・日大三も、勝利こそ収めたものの、初戦、次戦と公立校相手に、途中までリードを奪われる苦戦。
21世紀に入ってからは、初戦から2戦続けて9回までやった(=コールドで勝てなかった)のは、今年が初めてである。
母校がカツことを願い、ゲンかつぎにカツを喰うだけでは効果がないようなので、
『御利益』という縁起のいい店名のうどん屋さんで食事をし、御利益を得ようと思い、お店に向かったところ、
今回のブログタイトルのように、衝撃の事実に出くわしてしまった。
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閉店したのが先月末の6月30日で、私が最初で最後の訪問をしたのが、その約2週間前。
店主のおじちゃんもおばちゃんも元気だったし、お店も繁盛していたので、突然の閉店にはビックリである。
結果的に、一期一会となった御利益さんのうどんを、以下で紹介することにする。
1度しか食べたことのない私が、このお店について語るのはおこがましいだろうが、そこはご容赦願いたい。
以前から「ウマくて量が多いうどん屋さん」と評判だった御利益さんだが、
店舗の場所が杉並区で、最寄り駅は地下鉄丸ノ内線の方南町、しかも営業時間が10時~14時の昼だけというのは、
東京の西側に住んでいて、普段は正午くらいまで寝ている私には、なかなか行きづらかった。
その日はたまたま早起き(一般的にはだいぶ遅いが)したので、御利益さんのうどんをいただこうと決意。
JR中央線に乗り高円寺で下車し、環七と方南通りを約40分間てくてく歩き、13時頃ようやくお店に到着。
ピークの時間はすぎたらしく、カウンター席が空いていたが、その後もどんどんお客さんが入ってくる。
着席するとすぐに、接客担当のおばちゃんが、冷えたお水の入ったビンとコップを持ってきてくれた。
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暑い中を歩いてきて、ノドがカラカラだったので、このお水はありがたいよ。
私がオーダーしたのは、冷たいうどんに天ぷら盛り合わせがつく「ざる天ぷら付」1100円。
「天ぷらがバカ盛りで、値段以上の価値アリ」との噂を聞いていたのでね。
しばらくすると、隣の若い男性客に「たぬきうどんの冷やし」が提供された。
一般的な冷やしたぬきは、揚げ玉にネギ、キュウリ、あとはせいぜいナルトとワカメと紅生姜くらいだと認識しているが、
こちらのは、上記の具材以外にも、ナスとイモの天ぷらに、厚焼き玉子まで加わり、しかもうどんは山盛り。
噂通り気前のいい店だなあ…と感心している私の前で、店主のおじちゃんがジャンジャン天ぷらを揚げだした。
他に天ざるを頼んでいる客はいないけど、あれってまさか、全部私の分なのか…という不安がよぎる中、
まずは各種薬味とつけ汁が登場。
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ネギと生姜に昆布の佃煮。ツユの中には、柑橘系果実の皮がひと欠片入り、さわやかな香りがする。
その後すぐに、冷水で締められたうどんがやってきた。まずは上からのアングル。
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そしてこちらが横からのアングル。普通でもじゅうぶん大盛りだ。
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まずはうどんだけをツユに浸して食べると、やや細目の麺にはしっかりコシがあり、薄口ツユとの相性も良好。
天ぷらの量だけでなく、うどん自体で満足できるな…と喜んでいたところに、天ぷらが別皿で登場!
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さきほどの不安が的中する、予想以上の量に驚き、思わず苦笑いしてしまった。
こちらが別のアングル。タテやらヨコやら、よくもこれだけ盛り付けたものだ。
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天ぷら盛りの内訳を、あいうえお順に羅列すると、アスパラ(1本丸ごと)、海老2尾、エリンギ、カボチャ、
さつまいも、しいたけ、春菊、ズッキーニ、ナス(1個丸ごと)、ニンジン、ピーマン、レンコン、
そして巨大なししとう(万願寺唐辛子?)に、春菊に似た形状をした、謎の黒紫色の物体、以上全14種15個。
各種天ぷらをうどんの上に乗せて、
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塩やうどんツユに浸して食べてみる。
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ピーマン隣の黒い固まりが、先述の謎の物体。正体がおわかりの方、ぜひ教えてください。
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個々の具材がデカいので、食べても食べても減らない。これで1100円とは、「何かの間違いでは?」と疑いたくなる安価である。
そのような、大量の天ぷら軍団との格闘に、かなりの時間を費やしてしまったのだが、
その間もうどんは伸びることなく、なめらかな歯触りを保っていたのに驚いた。
店内壁の説明によれば、「当店は水、昆布、煮干し、みりん、塩などは、吟味かつ厳選した食材を仕入れ」、
「お子様からご年配の方までの健康食・美容食としてお召し上がっていただくよう努めております」とのこと。
御利益さんは量もさることながら、うどん自体の質もよい、素晴らしいお店であった。
なんとか全部たいらげ、お会計をした際、おばちゃんに「おいしかったけど、ずいぶん多いですね…」と感想を述べたところ、
「少な目もお作りできますよ」というおばちゃんの返答にかぶせるように、店主が「これがウチの量だから!」と補足。
厨房内では、おばちゃんへの指示以外はほとんど声を出さず、寡黙で頑固そうな店主だが、
店の前を通る下校中の小学生に対し、「おかえりー!」「こんちはー!」と声をかけ、児童たちも返事していたのが印象的だった。
そういえば、ここの割り箸の入った紙袋には、お店の名前ではなく、店主の心意気を表すかのように、
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粋の一文字が記してあったっけ。
私も小学生のように背筋を伸ばし、「また来ます!」とはっきりとした声で告げ、お店をあとにした。
帰路での私は「次はカレーか、肉汁か、それともざるの大盛りか…待てよ、天ぷら単品にビールもいいなあ」と、
次回訪問時に何を食べるか悩んでおり、この時点では本当に、近日閉店になるとは、思いもよらなかった。
連日、大勢のうどんマニアをうならせ、大食漢の若者たちを満足させ、地域のお子さんたちにも慕われていた、
粋で真面目なご夫婦が営むうどん店に、もう行くことができないなんて、残念で仕方がない。
最後に、失礼なのは承知の上で、この場を借りて最後の御挨拶を。
おじさん、おばさん、おいしいうどんをありがとうございました。御利益のことは一生忘れません。
どうか、いつまでもお元気で!
はじめまして。コメントありがとうございます。
あの天ぷら種は、実家から届いたものでしたか。
調味料などは、厳選食材を使用していると、
壁の貼り紙に書いてありましたが、
たくさんの野菜も、そうだったんですね。
改めて、閉店なさったのを残念に思います。
食べきれない程の天ぷらは奥様の実家の畑から沢山送られてくるのだとか
喉越し良い手打ちうどん、出汁が効きまくりの麺つゆがたまらなくて…
また食べたいなぁ