前回は「独自の進化を遂げたラーメン」、要するに一風変わったラーメンばかりを掲載したが、
今回は私の地元・立川市にある、まともなラーメン屋さん『チキント』を紹介する。
屋号のとおり、こちらは鶏肉や鶏ガラを用いて、きちんとチキンのラーメンを作っている。
「きちんとチキン」は、私が考えたダジャレではなく、実際の店名の由来である。
駅から至近とはいえ、目立たない路地裏にあるのだが、それでも連日のように行列ができている人気店だ。
きちんと作っている証拠のひとつが、化学調味料不使用。
以前、一橋学園『なにや』さんの「中国麺」を紹介したとき、
バカ舌の私が、いわゆる「無化調」のラーメンをウマいと感じるのは珍しいと書いた。
チキントのスープもめちゃくちゃウマいのだが、味が濃い…というか結構しょっぱいので、
無化調であることをすっかり忘れていた。申しわけない。
こちらが、鶏白湯スープと醤油ダレを合わせた、基本の「らーめん」+味玉。
見るからにしょっぱそう…イヤ、濃厚そうで食欲をそそるビジュアルだろう。
スープは、『天下一品』のこってりのような、粘度を感じさせるタイプ。
開店当初は、厨房内も雑然としており(現在もだが…)、食器と食器の間にジャガイモが転がっていたりした。
ジャガイモを使ったメニューはなく、スープの粘度を出すために使用しているのだろう。
そんなポタージュ状の液体をひと口すすれば、鶏だけでなく魚介や醤油の旨味が、一気に押し寄せてくる。
繰り返しになるが、化学調味料を使っていないのが信じられない、力強いスープである。
最近のスープは、以前ほどのドロドロ感はなく、サラッとしているが、それでもじゅうぶん濃厚だ。
麺は中細のストレート。やや硬めに茹でられ、パッツンとした歯応え。
具材のチャーシューも、豚肉ではなく鶏肉を使用し、提供直前にバーナーで炙り香ばしさを出す。
左端のつみれは当然鶏肉で、メンマも柔らかく仕上げてある。味玉はもちろんウマい。
麺、スープ、具材にも工夫を感じられる、本当にきちんと作ったチキンのラーメンなのである。
お店がオープンしたのは、今から10年前の4月。
私は開店直後から通っており、今も客席にある冷水器が、設置された日の最初の客だったため、
その冷水器を初めて使った客だったりする。設置直後ゆえ、機械独特の変な匂いがしたけど(苦笑)。
以降、チキントでは20回以上食事をしているが、帰り際には必ず、店主が「ありがとうございます」と声をかけてくれる。
常に寡黙で、一部ネットでは「不愛想」という意見も見受けられる店主だが、
お店だけでなく彼のファンでもある私は、「彼は決して不愛想ではない!」と否定しておく。
一見コワモテだがよく見ると、お笑いコンビ「どぶろっく」の右側の方に似ているし…これって不愛想より失礼か。
ハナシは戻って。こちらのお店では、鶏白湯の醤油味ラーメンをベースに、いろんな商品を用意している。
こちらは「つけ麺」+味玉。つけダレも当然、しょっぱウマくて食欲をそそる。
珍しくレモンが付いており、途中で絞り、味を変えても面白い。
麺を食べ終えたら、カウンターに置いてある「ねぎ生姜湯」で、割スープを楽しもう。
こちらは、自家製ラー油とニンニクチップが加わった「紅らーめん」。
「紅」といっても真っ赤ではなくオレンジ。辛さも控えめで、スープ本来の旨味を感じさせる。
このメニューの名称は、店主の名字・紅林さんが由来なのかもしれない。
鶏白湯のスープだけでなく、清湯タイプの醤油ラーメン「鶏中華そば」もある。
他の商品より細い麺を使用しており、いわゆる「東京の醤油ラーメン」が好きな方におススメだ。
他にも汁なしタイプの「油そば」や「紅油そば」、かつては麺ナシの「ワンタンスープ」もあった。
現在はラーメントッピングの「茹で餃子」2個150円や「スープ餃子」400円もある。
その存在に気づいたのは最近なので、「餃子の大将」を自称しているくせに、まだ食べたことがない。
あと、麺のお替わりに具材と味を加えた、替玉ならぬ「和え玉」250円という魅力的な商品もあるのだが、
券売機ではいつも売り切れ状態になっており、こちらも未食のままだ。
サイドメニューは「炙り鶏肉丼」250円、「貝柱ごはん」200円などがあり、ランチタイムはそれぞれ50円引き。
コロナ禍による休業などもあり、久々の訪問となった先日は、基本のらーめんと貝柱ごはんを注文した。
現在は営業時間を短縮し、客席の間はアクリルで仕切られ、食事中以外はマスク着用。
マスクをはずして会話していたカップルが、店主に注意されていた。まあ当然だわな。
最初にらーめんが完成。丼の向こう側では、女性店員がサイドのご飯を作成中。
そういえば、近年は、木製ティッシュボックスの上に置かれるようになった。ちょと珍しい提供の仕方だよね。
女性店員の作業を眺めていたら、ごはんの量をすごく丁寧に計測していた。
最初によそった量から、少しずつ減らしていくのだが、お米のひと粒単位まで取り除いていたのには驚いた。
規定の量を必ず守る几帳面な性格なのか、それとも、私にはひと粒たりとも得をさせたくないのか(苦笑)。
数分後、貝柱ごはんが登場。ライスはちゃんと計っていたのに、具材やタレの量はアバウトだった。なぜだ!?
さっきも書いたが、スープには魚介風味も含まれているので、貝柱と合わせてもおいしい。
ただし、得意の自家製ラーメン丼は、ご覧のように見た目がよろしくなかった。
いろんな商品を紹介してきたが、私が一番好きなのは「塩味」である。
裏メニューなのか、券売機だけでなく、店内のどこにも表示されていない時期もあったが(最近は貼紙アリ)、
食券を渡すときに「塩で」と伝えると、普段の黒い醤油ダレとは異なる、塩ベースのタレで作ってくれる。
変更料は無料で、できないケースもあるそうだが、私は一度も断られたことはない。
こちらは、コロナ前に食べた「スペシャルらーめん・塩」。スペシャルはいわゆる「全部乗せ」だ。
スープの色が、醤油味と比べると乳白色で、一般的な鶏白湯に近いでしょう。
実際、塩味の方が鶏由来のコクや脂などがダイレクトに伝わってきて、しょっぱいどころか、むしろ甘味すら感じる。
塩スープをじっくり味わいたい方は、具だくさんのスペシャルは避けた方がいいよ(笑)。
ちなみにこの日は、普通の「ごはん」150円も注文し、またまたラーメン丼を作成。
味玉を中心に、つみれなどの具材を飾ってみた。さっきのよりはマシだと思うのだが…どうかね?
以上、醤油味と塩味、どちらもウマいチキントさんだが、最近ちょっと困ったことがふたつ。
ひとつは価格の上昇。ここまであえて記載してこなかったが、普通の「らーめん」は現在850円。開店当初は680円だった。
つけ麺は+50円、紅は+100円、鶏中華そばは−50円、スペシャルは+300円。味玉などのトッピングは100円~。
小麦粉価格の高騰など、いろいろ理由もあるのだろうが、10年で25%増は、ちょいと急な印象。
さらに困っているのが、開店時間の遅れや臨時休業が多いこと。最近は、写真のような貼紙と対面するケースが続出。
以前から、臨時休業をくらうことの多い(近年は特に)私だが、チキントさんでの遭遇率はかなり高い。
お店のツイッターに、休業情報が投稿されることもあるが、実は知らせずに休んでいる日もあったりする。
私は立川市民だからいいけど、電車などを利用して食べに来た人は気の毒だよ。
実は店主が、みなしごたちの施設にプレゼントを届けているとか、やむを得ない事情があるのかもしれないが、
できることならラーメン作りのように、営業時間もきちんと守ってほしいね。
それでも私はチキントこそ、立川で一番おススメできるラーメン店だと思っている。
唯一無二で、他では食べられない味だし、駅から近いし、接客だって立川にしては(苦笑)悪くない。
『パワー軒』も大好きだが、ギトギトこってりだし、量自体も多すぎて、万人受けとは言い難いからね(笑)。
営業時間は短くてもいいし、以前のように週休1日じゃなくてもいいので、
今後は私が、店頭で半ベソをかく=臨時休業の回数を、減らしていだけたら幸いだ。
らーめんチキント
東京都立川市柴崎町3-4-9
JR立川駅南口より徒歩2分以内
営業時間 11時半~15時、17時半~21時 土日祝は昼のみ
定休日 月曜、その他不定休あり
※年内は28日の昼のみ、年明けは6日からの営業だそうです
詳細はお店のツイッターで
今回は私の地元・立川市にある、まともなラーメン屋さん『チキント』を紹介する。
屋号のとおり、こちらは鶏肉や鶏ガラを用いて、きちんとチキンのラーメンを作っている。
「きちんとチキン」は、私が考えたダジャレではなく、実際の店名の由来である。
駅から至近とはいえ、目立たない路地裏にあるのだが、それでも連日のように行列ができている人気店だ。
きちんと作っている証拠のひとつが、化学調味料不使用。
以前、一橋学園『なにや』さんの「中国麺」を紹介したとき、
バカ舌の私が、いわゆる「無化調」のラーメンをウマいと感じるのは珍しいと書いた。
チキントのスープもめちゃくちゃウマいのだが、味が濃い…というか結構しょっぱいので、
無化調であることをすっかり忘れていた。申しわけない。
こちらが、鶏白湯スープと醤油ダレを合わせた、基本の「らーめん」+味玉。
見るからにしょっぱそう…イヤ、濃厚そうで食欲をそそるビジュアルだろう。
スープは、『天下一品』のこってりのような、粘度を感じさせるタイプ。
開店当初は、厨房内も雑然としており(現在もだが…)、食器と食器の間にジャガイモが転がっていたりした。
ジャガイモを使ったメニューはなく、スープの粘度を出すために使用しているのだろう。
そんなポタージュ状の液体をひと口すすれば、鶏だけでなく魚介や醤油の旨味が、一気に押し寄せてくる。
繰り返しになるが、化学調味料を使っていないのが信じられない、力強いスープである。
最近のスープは、以前ほどのドロドロ感はなく、サラッとしているが、それでもじゅうぶん濃厚だ。
麺は中細のストレート。やや硬めに茹でられ、パッツンとした歯応え。
具材のチャーシューも、豚肉ではなく鶏肉を使用し、提供直前にバーナーで炙り香ばしさを出す。
左端のつみれは当然鶏肉で、メンマも柔らかく仕上げてある。味玉はもちろんウマい。
麺、スープ、具材にも工夫を感じられる、本当にきちんと作ったチキンのラーメンなのである。
お店がオープンしたのは、今から10年前の4月。
私は開店直後から通っており、今も客席にある冷水器が、設置された日の最初の客だったため、
その冷水器を初めて使った客だったりする。設置直後ゆえ、機械独特の変な匂いがしたけど(苦笑)。
以降、チキントでは20回以上食事をしているが、帰り際には必ず、店主が「ありがとうございます」と声をかけてくれる。
常に寡黙で、一部ネットでは「不愛想」という意見も見受けられる店主だが、
お店だけでなく彼のファンでもある私は、「彼は決して不愛想ではない!」と否定しておく。
一見コワモテだがよく見ると、お笑いコンビ「どぶろっく」の右側の方に似ているし…これって不愛想より失礼か。
ハナシは戻って。こちらのお店では、鶏白湯の醤油味ラーメンをベースに、いろんな商品を用意している。
こちらは「つけ麺」+味玉。つけダレも当然、しょっぱウマくて食欲をそそる。
珍しくレモンが付いており、途中で絞り、味を変えても面白い。
麺を食べ終えたら、カウンターに置いてある「ねぎ生姜湯」で、割スープを楽しもう。
こちらは、自家製ラー油とニンニクチップが加わった「紅らーめん」。
「紅」といっても真っ赤ではなくオレンジ。辛さも控えめで、スープ本来の旨味を感じさせる。
このメニューの名称は、店主の名字・紅林さんが由来なのかもしれない。
鶏白湯のスープだけでなく、清湯タイプの醤油ラーメン「鶏中華そば」もある。
他の商品より細い麺を使用しており、いわゆる「東京の醤油ラーメン」が好きな方におススメだ。
他にも汁なしタイプの「油そば」や「紅油そば」、かつては麺ナシの「ワンタンスープ」もあった。
現在はラーメントッピングの「茹で餃子」2個150円や「スープ餃子」400円もある。
その存在に気づいたのは最近なので、「餃子の大将」を自称しているくせに、まだ食べたことがない。
あと、麺のお替わりに具材と味を加えた、替玉ならぬ「和え玉」250円という魅力的な商品もあるのだが、
券売機ではいつも売り切れ状態になっており、こちらも未食のままだ。
サイドメニューは「炙り鶏肉丼」250円、「貝柱ごはん」200円などがあり、ランチタイムはそれぞれ50円引き。
コロナ禍による休業などもあり、久々の訪問となった先日は、基本のらーめんと貝柱ごはんを注文した。
現在は営業時間を短縮し、客席の間はアクリルで仕切られ、食事中以外はマスク着用。
マスクをはずして会話していたカップルが、店主に注意されていた。まあ当然だわな。
最初にらーめんが完成。丼の向こう側では、女性店員がサイドのご飯を作成中。
そういえば、近年は、木製ティッシュボックスの上に置かれるようになった。ちょと珍しい提供の仕方だよね。
女性店員の作業を眺めていたら、ごはんの量をすごく丁寧に計測していた。
最初によそった量から、少しずつ減らしていくのだが、お米のひと粒単位まで取り除いていたのには驚いた。
規定の量を必ず守る几帳面な性格なのか、それとも、私にはひと粒たりとも得をさせたくないのか(苦笑)。
数分後、貝柱ごはんが登場。ライスはちゃんと計っていたのに、具材やタレの量はアバウトだった。なぜだ!?
さっきも書いたが、スープには魚介風味も含まれているので、貝柱と合わせてもおいしい。
ただし、得意の自家製ラーメン丼は、ご覧のように見た目がよろしくなかった。
いろんな商品を紹介してきたが、私が一番好きなのは「塩味」である。
裏メニューなのか、券売機だけでなく、店内のどこにも表示されていない時期もあったが(最近は貼紙アリ)、
食券を渡すときに「塩で」と伝えると、普段の黒い醤油ダレとは異なる、塩ベースのタレで作ってくれる。
変更料は無料で、できないケースもあるそうだが、私は一度も断られたことはない。
こちらは、コロナ前に食べた「スペシャルらーめん・塩」。スペシャルはいわゆる「全部乗せ」だ。
スープの色が、醤油味と比べると乳白色で、一般的な鶏白湯に近いでしょう。
実際、塩味の方が鶏由来のコクや脂などがダイレクトに伝わってきて、しょっぱいどころか、むしろ甘味すら感じる。
塩スープをじっくり味わいたい方は、具だくさんのスペシャルは避けた方がいいよ(笑)。
ちなみにこの日は、普通の「ごはん」150円も注文し、またまたラーメン丼を作成。
味玉を中心に、つみれなどの具材を飾ってみた。さっきのよりはマシだと思うのだが…どうかね?
以上、醤油味と塩味、どちらもウマいチキントさんだが、最近ちょっと困ったことがふたつ。
ひとつは価格の上昇。ここまであえて記載してこなかったが、普通の「らーめん」は現在850円。開店当初は680円だった。
つけ麺は+50円、紅は+100円、鶏中華そばは−50円、スペシャルは+300円。味玉などのトッピングは100円~。
小麦粉価格の高騰など、いろいろ理由もあるのだろうが、10年で25%増は、ちょいと急な印象。
さらに困っているのが、開店時間の遅れや臨時休業が多いこと。最近は、写真のような貼紙と対面するケースが続出。
以前から、臨時休業をくらうことの多い(近年は特に)私だが、チキントさんでの遭遇率はかなり高い。
お店のツイッターに、休業情報が投稿されることもあるが、実は知らせずに休んでいる日もあったりする。
私は立川市民だからいいけど、電車などを利用して食べに来た人は気の毒だよ。
実は店主が、みなしごたちの施設にプレゼントを届けているとか、やむを得ない事情があるのかもしれないが、
できることならラーメン作りのように、営業時間もきちんと守ってほしいね。
それでも私はチキントこそ、立川で一番おススメできるラーメン店だと思っている。
唯一無二で、他では食べられない味だし、駅から近いし、接客だって立川にしては(苦笑)悪くない。
『パワー軒』も大好きだが、ギトギトこってりだし、量自体も多すぎて、万人受けとは言い難いからね(笑)。
営業時間は短くてもいいし、以前のように週休1日じゃなくてもいいので、
今後は私が、店頭で半ベソをかく=臨時休業の回数を、減らしていだけたら幸いだ。
らーめんチキント
東京都立川市柴崎町3-4-9
JR立川駅南口より徒歩2分以内
営業時間 11時半~15時、17時半~21時 土日祝は昼のみ
定休日 月曜、その他不定休あり
※年内は28日の昼のみ、年明けは6日からの営業だそうです
詳細はお店のツイッターで